ショートショートストーリー#29「化粧品売り場の男」
とある都会の高級百貨店の地下に、その男の姿はあった。
この百貨店は、創業百年の老舗であり、地上四階建てと地下二階に店舗を構える、この界隈では知らない人はいないくらいの有名店である。
地下一階は、主に女性が使う化粧品が売られており、休日は若い人からご年配の女性などが賑わうほどだ。
そんな売り場に、少し場違いであろうサラリーマンの男は物色をしていた。
確かに今の時間は、仕事帰りのサラリーマンが多くいるため、恐らく上の階にある本屋には多くのサラリーマンが立ち読みをしているの