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97 ノアの方舟 赤塚さんへ

赤塚さん、どこへ旅しても緑がとってもきれいです。つい先日はひろこちゃんやリカちゃんと一緒に「宮沢賢治を訪ねるまほうの旅」で、花巻へ出かけました。
何が魔法かはわからないけれど、とにかくとても楽しくて、温かくて、魔法にかかったような時間でした。
赤塚さんとの旅もいつもそうですね。ところで、今回の旅は赤塚さんのお友達の、そしてもちろん私もお友達ですが、イスラエルやトルコの旅などを旅行社として携わってくださった平和くんが一緒でした。
今回は平和くんが、バスの中でみなさんの前でお話をしてくださいました。
とっても素敵なお話で、考えることがいっぱいありました。
平和くんが、僕がイスラエルで考古学をしようと思ったのは、「かっこちゃんがきっかけでした」とおっしゃったのにはひっくり返るほど驚きでした。
クリスチャンの家庭で育った平和くんにとって、17年前に赤塚さんとおしゃべりしたこと。「イエス様とユダさんは平等なんだね」ということが、とてもショックで驚きだったそうです。そのあと、私たちと一緒に旅をして、ノアの方舟の話で、私が赤塚さんに「神様はひいきをしないはず」と言ったり、神様に命令されて、アブラハムが息子のイサクを神様に捧げようとした話で、私が「神様は人をためしたりしないはず」などと言ったことが、とってもショックで落ち込んだのですとおっしゃいました。それで、本当のことを知りたくて考古学を学ばれたのだそうです。

考えれば、赤塚さんは旅の途中、私がとんでもないようなことを言っても、いつも決して「何を馬鹿なことを」なんておっしゃらないです。いつも、一緒に考えてくださるでしょう? それで、きっと平和くんも考えてくださったのですね。そして。結論として思ったのは、ノアの方舟も愛に違いないと思って、それをいつかかっこちゃんに聞きたいと思っていましたと言われました。
「私もそうだと思います」って言いました。私が思ったのは、ノアの方舟のお話は、1/4の奇跡のお話と同じだなあと思ったのです。
「1/4の奇跡」の映画の中に、アフリカでマラリアが流行って、村が絶滅しそうになるというお話が出てきます。でも絶滅しないのです。というのは、多くの人の赤血球が、ハンバーグをつぶしたような形をしているけれど、鎌形の赤血球を持つ人は、マラリアにかからないのです。鎌形赤血球症の方のきょうだいの1/4の方は障がいを持ち、病気も重く、痛くてつらくて当時は亡くなってしまっていましたが、2/4の方は、症状もなく、マラリアにかからないために、この村は滅びないのです。これはテレビ番組の『人体Ⅲ』で観たのですが、私たちが今、元気に明日に向かって生きていくことができるのは、過去に病気や障がいを持ち、そのために苦しんだ人がいたおかげであると番組中に言っておられました。その人たちがいたからだと。
ノアの方舟はこのことを教えてくれているのじゃないかと思ったのです。サムシング・グレートはなぜマラリアという病気を作るのでしょうか? なぜか鎌形赤血球症を作るのでしょうか? みんなでひとつのいのちを我々が生きていて、その中に亡くなるものも、生きるものもいっぱいいるのが、自然の世界です。たとえば、魚や虫などはたくさんの卵を産みます。でも、それは何かの餌になったりして、多くの命を支えます。また、その魚にとっても、誰にも食べられなくてたくさんのまま大人になれば、食料となるものも食べ尽くされ、種が絶滅するかもしれません。全部大きな愛のめぐりの中。そのことを教えてくださっているのが、ノアの方舟のお話だろうかと思いました。

赤塚さんはどんなふうに考えられるでしょうか?
それでは、アブラハムとイサクのことはどうなのでしょう。難しいなあと思うのです。
でも、赤塚さんがおっしゃるように、知らないしわからないことばかりだけど、こうして、考えて自分の中だけでも、納得できるように落とし込んでいくことは、きっと大切だなあと思うのです。

私たちはいつも自分で決めています。コーヒーにするか紅茶にするかというようなことから、もっと重要な人生を決めるようなことまで。
でも私たちは自分で決めているけれど、きっと運命は決まっていて、それは、サムシング・グレートが絶えず、私たちにいろいろな選ぶヒントのようなものを伝えてくださっている。
それは、私はためされているようでもあるし、愛でもあるなあと思いました。
もちろん勝手な解釈だということを、私ね、赤塚さん、わかっているのです。
でも、平和くんが、やっぱり自分の中で落とし込もうとされていたり、研究をされていて素晴らしいなあって思いました。

平和くんはみなさんに、「イスラエルに行くなら赤塚さんと行くべきです」とはっきりおっしゃっておられたのが、「もちろんです」って私もキッパリ思って、何か自分のことのようにうれしかったのです。そして改めて、赤塚さんと行かせていただけることが嬉しいなあと思いました。
こんなことを考えることができただけでも、賢治さんの旅は素敵でした。でもそれだけではもちろんなくて、賢治さんを訪ねる旅は本当に素敵で、賢治さんもまた、サムシング・グレートをいつも考えておられる方だなあと思いました。

今度お会いできたら、こんなお話も聞いてくださいね。  ちょっと順番抜かししちゃったのは、こんなお話をしたかったのでした。ではまたね。      かつこ

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