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撮ることは食べること寝ることとおなじ【2】

震災後また撮りはじめたのだが

あの日から生活は一変してしまった。

早朝4時すぎに出勤する。
前の晩の仕事を片付け、日中は対応関係で自分の仕事はできず、やっと21時すぎに自分の仕事をスタートできる毎日だった。帰るのは夜中の1時すぎ。

震災のショックから次々と同僚は辞めていった。
職場は人手不足で、震災後の職員の心のケアまで手が回らずに目の前の仕事をこなすことしかできなくなっていた。

家に帰るのは数時間だけ
朝に帰って制服を脱ぎ、シャワーを浴びてまた制服を着る毎日を送った。

あの頃のわたしにとって
撮ることだけが
心の「休憩」みたいなものだった。
今あの頃の写真を見返してみると、
心がきゅっと苦しくなる。

わたしも
とうとう退職した。

転職をして東京に引っ越した。
家を探しに行った日に、時間が余り
観光して行こうかとイベントを探した。

ふと気になって
訪れた写真展

ここで全てが始まったんだんだと
今でも強く思う。

大きくプリントされた写真がカーテンのように

ひらひらと真っ白な会場に何枚も飾られていた。

まるで絵を描いたように

今まで見たことがない写真だった。

ずっと立ち止まってしまう写真たち。

技術もないし
撮り方もわからないのに
なにも根拠がないのに

わたしもこんな写真を撮りたいと強く思った。

それがある写真家の方との出逢い。

それがなかったら
今、横にいる息子もいなかったことになる。

全てはここから
ごろごろと大きく変わりはじめる。




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