スーパーのサービスカウンター横に等身大の犬の置物があります。
明るいベージュのラブラドール。
行儀のよいお座り姿が優しさと頼もしさを感じさせます。

買い物を済ませ、いつものようにサッカー台で買ったものを袋に詰めていると、男性がその犬の前で立ち止まり、優しく微笑みながら頭をなでました。
そして、犬の首に掛かっているメッセージに目を向け、財布を取り出すと、サービスカウンターの募金箱にお金を入れていました。もう一度頭をなでて、立ち去りました。

コンビニのレジ横で様々な募金箱を見かけます。
財布を開け買い物をして、もらったお釣りを入れる。かつては「ついで」の行為として募金しやすい環境でした。でも今は、電子決済が増えたたためか、実際に募金しているところを見かけなくなりました。

「かわいいけど、実物大のわんちゃんは、必要なのかな？」
そんな風に思っていたわんちゃんの置物は、しっかりとその役割を果たしていました。

生活様式が変わると人の行動も変わります。
でも、かわいいものや素敵なものが様々な行動を促すことは、これからも変わらないのかもしれません。