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番外編の番外編。コブクロライブ「ENVELOP」について

番外編の番外編だが、本日行ってきたコブクロのライブが良すぎたので言葉にさせてほしい。
ちなみに、どうしてもセトリ等ネタバレが含まれるし、突然水溜りボンドの話も出てくるだろうし、記憶は曖昧なところが多いので思い込みと妄想の見え方であることをご承知おきいただきたい。

まず、「ENVELOP」というタイトル。
「包み込む」という意味で、「リエゾン」というドラマの曲としてコブクロが書き下ろしている曲のタイトルがそのままツアータイトルになっている。
「包み込む」
その言葉通り「恋愛」とかと言うよりも様々な「人」を表す曲や25周年のコブクロの歴史を垣間見るような懐かしい曲が多かったように思う。

今回のライブは1/1の地震を受けてポストカードを買うと収益を募金にしてくれる形をとっている。
そのため、ライブ前に「焚き火のような歌」を流しながら被災地の皆さんへの配慮とその旨のお知らせを画面に写してくれていた。

この「焚き火のような歌」、東北の震災の際に作った曲なのだ。
もうこの時点で二人の気持ちの伝え方に涙が滲んだ。
私は被災していないけれど、被災地の方と無関係の仕事ではないから。
余計胸が一杯になった。

そして、今回の始まりはバンドメンバー、ストリングスの皆さんの演奏から始まり、小渕さんが入ってギターを奏で、黒田さんが出てくるスタイル。
もう、黒田さんを見ただけで泣けてきた。
お帰り、黒田さん。

一曲目の「Starting Line」

歌い出しでもう涙が止まらなくなった。
温かくて深くて、説得力がある。
黒田さんの声だなぁ。
私は二人の歌声が聴けない間、実は心の底がずっと不安だったのかもしれない。
それくらい安心して涙が出た。
この曲、ライブではあまり歌っていなかったと思う。
この段階でもう今回のライブはちょっと違うかも、と感じた。
この曲は不確かなものを手探りに探しながらそれでも前を向いて進んでいく人の曲。
今回は振替公演のため参加できなかったと思われるベースのヒロさんのアレンジでかっこ良く、熱くなっていたように感じた。
この曲が一曲目なのか。
振り返っている今もそう思う。

2曲目が「君という名の翼」

これはけっこう歌う曲ではあるものの、やっぱり「相棒」がテーマであるだけあって二人に歌われると泣いてしまう。
この曲も黒田さんの温かくて太く強い歌声が凄く映えていた。
これはMVを見てもらってもわかるが「二人で生きる」「支えあって生きる」を人を描いている。
コブクロだなぁと思うのだ。
多分この二人だから歌える曲。

3曲目は「Soul to Soul」

これは二人の大好きな布袋寅泰さんが二人にくださった曲。
コブクロと言えばバラードを想像する方も多いと思うが、この二人、意外にバラードだけじゃない。
jazzyな雰囲気もロックもいける。
(レッチリ好きだったりするし)
そんなコブクロを良くご存じの布袋さんだから作れた曲だなぁと思う。
(小渕さんも「黒田に当て書きしてくださった」と言っていた)
かっこ良かった!

ここで一旦トーク。
もうとにかく黒田さん、お帰り!なのだが。
ここでも小渕さんがお見舞いに来てくれなかった話が止まらなかった。
そんなにべたべた仲の良さを見せてくるタイプではないから、病室行ったら行ったでもて余しただろうに(笑)
ガチャに急遽追加された黒田さんのベッドの名札のアクスタ、きっと小渕さんが来てくれなくて暇すぎて思い付いたにちがいない。
いやぁ、4ヶ月ぶりのライブ。
一回目のMCから黒田さんが喋る喋る。
小渕さんに途中で「まだ盛り上がるところのトークじゃないから、」と止められていた(笑)
そんなところも好きだ。

そして次が「両忘」

この曲はちょうどトミーの自粛期間とも被るところでのリリースだったこともあり、凄く思い入れのある曲だ。
正しいことだけではないかもしれないけど、弱くて人を信じられなくてそれでも必死に戦っている人間がボロボロになって立ち上がろうとする。
この先に光りあれと歌う曲。
黒田さんの諸々があった時に出した曲でもある。
私はファンだから絶対的に偏りがあるけど、それでも失敗した人を「正しさ」で滅多打ちにしてその先を潰してしまうことは果たして「正しい」のか。
そんなことをいつも考えてしまう。
「正しさ」は人を守り支えるものであって、武器にしてほしくないなと思ってしまう。
あの時とまた違った心の重さで聴ける今。
時が過ぎたんだなぁとしみじみと感じた。

そして「雨粒と花火」
これはまだ音源化されていない曲。
ちょっと昭和歌謡感もあるように思う。
この曲は小渕さんが神宮の花火に集まっている人たちを見ていて作った曲らしい。
小雨が降るなか、上がった花火。
水滴に反射する花火。
水と火、相反するそれが奇跡的に重なる瞬間。
小渕さんにかかるとこういう表現になるんだなぁ。
音源化された後にまた味わうのも楽しみだ。

再びのMC。
喋る喋る(笑)
未だにお見舞いに来てくれなかったのを拗ねる黒田さん。
心配して連絡したという小渕さん。
まだLINE教えていないの笑ってしまうんだが。
仲良いのに変な関係なんだよなぁ、この二人。
そんなところも水溜りボンドに少し似ている。
本当に楽しそうにお喋りしてるのも一緒。
そういうコンビが好きなんですよね、私。

コロナ禍のリリースでその時はしてもらえなかったけど、みんなに口ずさんで欲しい曲として紹介された「Star Song」

「貴方は貴方のままでいい」
やっぱり涙が溢れてしまった。
何かになれていなくても。
何かを成し遂げていなくても。
同じ空の下でそれぞれが光を放っている。
そんな優しくて温かな曲。
これも久しぶりに歌ってくれて嬉しかったなぁ。

そして。
本当に久しぶりの「大樹の影」

4年に一度曲を作ると評判の(笑)黒田さんの作った曲。
あまりピックアップされない曲だが、改めて聴くと素晴らしい曲。
ヒーローのようになれなくても失敗しても日々の幸せを抱いて優しく強く人と生きていくこと。
それはなんて尊いことなのだろうか。
小渕さんがその後の小渕さんの曲作りにも影響を与えたと言っていて凄く納得した。
黒田さんの歌声でこの曲が奏でられる時、大樹の雄大さと懐の深さを感じるように聴こえる特別な曲だなと思う。

更にMC。
いや、こちらもStar Songあたりで「あー、座ってください言い忘れたな」って一瞬思ってたよ。
まさか大樹の影との切り替わりで「静かに座ってください」とやんわりお願いされるとは(笑)
こういうところかわいいんだよな、小渕さんは。

そして、今回のライブは黒田さんの故郷、堺や小渕さんの故郷宮崎を回っている特別なツアーである、と教えてくれた。
特別バージョンで、と最後に言い添えて歌い出したのが「蕾」

コブクロの中でも一二を争う有名曲だろう。
何が特別バージョンなのかな?と聴いていたら伝い出したのは黒田さん。
ラスサビ前の小渕さんパートも黒田さん。
この曲は小渕さんのお母様への思いもこもってるから、小渕さんの繊細で人の心を震えさせる歌声がネックなんだと思っていた。
しかし、そんなもの撥ね飛ばしてしまうような黒田さんの力強くて温かくて心に訴えてくる全身を使った歌声。
なんだか、勝手に「あぁ、これからも小渕さんは黒田さんに歌ってほしくて曲を作り、黒田さんはそれを全身全霊、命を削って歌い続けるんだな」とただひどく素直に感じた。
小渕健太郎の曲を表現できるのは黒田俊介しかいないんだ、きっと。
そう感じた。
MCで話していたのだが、ちょうどこのツアーを始めるタイミングで小渕さんの喉の調子が良くなかったとのこと。
選曲を変えようとしたいた時、黒田さんが「俺が歌うから」と止めてくれたらしい。
そうか。
そうなのか。
だから全神経を使ってフルで歌っていたのか。
小渕さんの分も、と。
だからThreadsであんなことを言っていたのか。

黒田さんって恥ずかしがりだからあんまりこういうことを言葉にしない。
だからよっぽどのことがあったんだろうなと思っていた。
小渕さん、「なかなかすぐに受け入れられなくて」と言っていた。
大切な曲だからこそ、悔しかったんだよね。
それでも「コブクロの蕾」を届けることを選んでくれた。
黒田さんを信じてくれた。
小渕さんが「これからも二人で助け合ってやっていきます。」と口にしていた。
その言葉がこの先も苦楽を共にする未来とこの曲を通して更に深まったのであろう黒田さんへの厚い信頼を指していていっそ苦しいほどの感情になったのだった。

そして続く「DOOR」

DOORは特に男性人気が高い曲だ。
これも黒田さんが作った曲。
力強い「行くしかないだろう」を聴くと、心が揺さぶられる。
夢を持ったことのない私でも胸が一杯になる。
母の愛も感じるがそれと同時に寂しさも感じる蕾。
一人でがむしゃらに頑張っていくDOOR。
この並びはずるい。
こんなの泣いてしまう。

そこに続いていった「ENVELOP」

この曲を聴いていると「こんな人間でありたい」といつも思う。
それぞれの人の形を否定せず、寄り添える人。
自分の常識で物事を決めつけず、視点を変えられる人。
そんな人間に、なりたい。
そして、小渕健太郎はやっぱり天才だと思う。
それぞれの個性をこんな風に表現できる人を私は小渕健太郎しか知らない。
青の色鉛筆がない子に空が好きな色に染まるまで待つためのマフラーを。
シャボン玉のような心に触れる時には乾いた指ではなく涙で濡れた指で。
なんて感覚的で温かくて伝わりやすい表現なのか。
同時に、この曲を聴いていると「願いの詩」という曲も思い出す。

それぞれに向けた「愛情」の形。
一辺倒でないさまざまな形のそれを渡すこと。
それを優しさと呼ぶのかなぁと思ったりするのだ。

そして再びのMC。
この感動パートの後に大体やってくる黒田さんの「俺の仕事終わったモード」(笑)
「俺の仕事終わった~。」と座り込んでしまう黒田さんがいつもかわいくて笑ってしまう。
大体ここは二人が笑いを取りに行くトークライブ状態だ。
今回はマネージャー山田さんが黒田さんに集合時間を間違えて伝えてしまった話をしていた。
(すごい笑ったのだが、経緯だけ言葉にするとなんだか違う伝わり方をしそうなので控える。)
こうしてじゃれ合うように会話をするコブクロ、好きなんだよなぁ。
改めてコブクロのライブの緩急にやられた。
ちなみに、入院中の山田さんのエピソードも面白いのでぜひ(笑)


ここから先はラストに向けて盛り上がりシーン。
コブクロってほんとバラードのイメージだと思うが、それだけじゃないぞ!を見せつけてくれる楽しいラインナップだった。
ここに入るところで小渕さんが次の「Moon Light Party」ヒントを入れつつ曲紹介をしたのだが、最後に「夜はまだ?」と観客にコール アンド レスポンスを求めてきた。
「夜はまだこれから」という歌詞が入っているので、「まだこれから」を欲しがっていたわけだ。
いや、これ、インディーズ時代の曲なのよ(笑)
いや、振替公演来てるくらいだから古参率高いだろうけども。
元々コブクロのライブのコール アンド レスポンスって小渕さんが楽しくなっちゃって難易度高めの音程求めてきたりするのだが、最近のライブでは懐かしい曲をやったり、こういう古参しかリアクション出来ないようなことやってくるので、たまにご新規さんが心配になる(笑)

この曲は「HEY!」でみんなが一体化するから、最近のコブクロさん、数年前に久しぶりにやって以降味をしめてライブでよく歌っている。
今回は久しぶりに客席ウェーブが出来て嬉しかったなぁ。
その昔、コブクロのライブでは客席ウェーブをやっていたのだ。
いつからかやらなくなったけど25年目にみんなでまた出来て嬉しい。
でも、ウェーブやってるのに「HEY!」って煽ってくるのやめて(笑)
ウェーブどこまでいったかわかんなくなっちゃうから!!
そんな奔放な小渕さんも好きだけど(笑)

その先はメドレー。
コブクロってメドレーとかあまりやらないから凄く新鮮だった。
色んな曲を一緒に楽しみたい思ってくれたんだなぁ。

「この地球の続きを」
万博の曲ですね。
これ、みんなで踊るのと和太鼓叩き出す小渕さんが見所です。

ここで「サイ(レ)ン」来るかー。
一本とられた気分だった。
これ、人と人の距離というか、SNSだけに重きを置いてしまうことの警鐘にも近い曲。
対面でお互いの時間を贈り合うことの大切さ。
「包み込む」というテーマのライブの中でこれを持ってきたことで時代と共に移り変わる「人との関係」をコブクロが描いてきたその歴史と厚さを感じることが出来たように思う。

「風の中を」
これ、童話調で子犬のオスカーが安定を捨て冒険に出るストーリーだ。
これもあんまりライブでやらない久しぶりの曲なんだよなぁ。
これも入れてくるかぁ。
可愛らしい曲調だけど怖くても自分の道を行け、という熱いメッセージでもある。
ちりばめてくるところ、やるなぁ。

「tOKimeki」
これは楽しいやつ~。
途中の「君がいるならOK」でみんなで「OK」やるんです。
長いとピアノのよっしーさんがおちゃめに盛り上げてくれる曲だ。

「白雪」
これも一般の方のコブクロのイメージとは違うだろうなぁって曲。
私は表現の鮮やかさと毒々しさが好き。
今回はメドレーだから全体を楽しむことは出来ないけど、最後の「鏡よ教えてこの物語は美しいの?それとも悲しいの?」という歌詞が「やるなぁ」と言いたくなる名曲だと思う。

「WINDING ROAD」
ここでくるか!!
ここで改めて25年目のコブクロを振り返ってるんだなとも思わされた。
コブクロがちゃんとコラボして作った楽曲ってこれが最初だよなぁ。
やっぱりいい曲だ。

そこからの「サヨナラHERO」はずるいて。
この曲はRCサクセションの忌野清志郎さんがご逝去された時に作った曲。
コブクロはたくさんの人のために曲を作っているけど、こうして尊敬する先輩を全面に出した曲はこれだけじゃないかな。
またひとつ、コブクロの歴史に刻まれた曲だなと思ったことを覚えている思い入れのある曲だ。
(「僕らにはこの曲がRC」という歌詞に桜の「咲くLove」を書いた小渕さんがチラ見えするところも愛しい。)

「memory」
古い曲だがかなり盛り上がれるのでライブでよく歌ってくれる曲。
この間奏でジャンプを煽られるのだが、コブクロファンってファン層が厚くて(今回もご年配のご夫婦とか凄く多かった)ジャンプに乗り切れないファンが多いのも愛しくなる曲だ(笑)

「神風」大好きだ!!
可愛くなるような微笑ましい恋愛の曲なのだが、とにかくギターがかっこいい。
今回のメドレーでもそこを残してくれていて嬉しかったなぁ。
バンドマスター福ちゃんの大きな見せ場!!
ひとつ惜しまれたのは「僕は静かにうつ向いた」とところで短くするためにジャンプさせてもらえなかったところか。
あのジャンプ楽しいから、次回のライブではジャンプしたいな(笑)

そして「この地球の続きを」に戻ってくる。
うーん、一周して戻ってきたんだね。
面白いメドレーの作りになっていて楽しかった。

挨拶が終わりアンコール。
コブクロのアンコールは「ストリートのテーマ」という曲の「朝まで僕らと一緒に歌ってくれませんか 言葉に羽がはえて飛んでいきます」という歌詞をファンが歌うのだ。

コロナ禍が明けた時に自分達の歌声でコブクロを呼べたことがほんとうに嬉しかったが、今ここで改めて二人を自分達の歌声で呼ぶことが出来て心から嬉しかった。
これはライブじゃないと届けられないものだから。
振替公演してくれて、ありがとう。

アンコール一曲目。
何を歌うのかな?と思っていた。
昔、コブクロが休止中の時、小渕さんがコブクロの歌も聞けなかった間、と話し始めたとき「時の足音かな?」と思った。
音楽が遠くて、と言われた時「monochromeかな?」と思った。
でも違った。
黒田さんが隣にいないと音楽が出来てこないと口にした小渕さん。
そんな小渕さんの苦しみの間、音楽と一人で向き合い、黒田さんが作った曲。

「LIFE GOES ON」
これもあんまりライブで歌っていないんじゃないかな。
「歌うこと」
それは黒田さんにとって、相方への最高の愛情表現なんだよなぁ。
「ただあなたの為だけに歌う」
その歌詞の瞬間、小渕さんが写ったものだからもう、涙が止まらなくなった。
黒田さんの隣だから音楽を作り続けられる小渕さん
小渕さんの歌を誰よりも深く理解し歌い続ける黒田さん
冗談で次の50年目は1オクターブ下がってる、75年目は朗読になってる、なんて言っていたがきっとそれでも二人は隣にいるんだろうなと思った。
そして、ファンの「あなた」のために歌ってくれるコブクロだから私は救われてこれからも彼らと共にありたいと思うのだ。

そして最後は「桜」

今回は私たちに歌わせてくれた。
20周年の宮崎のライブで初めてファンに歌わせてくれた「桜」
その時のドキュメンタリーで、黒田さんが最初、それを受け入れられなかった様子が写っていた。
この曲はコブクロの曲であると同時にコブクロが出来る前に「小渕健太郎」から「黒田俊介」に贈られた曲なのだ。
多分、黒田さんの思い入れが一番強いんだと思う。
結果的にみんなに歌ってもらってよかったと言ってくれたが、そこからまたしばらく二人で歌っていた曲。
25周年、共に過ごした今だからこその「桜」
ファンからの愛情がこの歌を通してどうか二人に届いていてほしいと願う。


ビタミンCを飲み過ぎて肝炎になってしまった黒田さんも最後の撮影OKを言い忘れてしまう小渕さんも全部ひっくるめてとても愛しくて、やっぱり好きだなぁと思わせてもらった最高のライブでした。
今日のファイナル、心から楽しみにしています。

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