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カラリパヤットゥと私

カラリパヤットゥを習ってみたい、というお問合せが増えてきました。
ここ数年は、じわじわと、本当にわずかに少しずつですが、カラリパヤットゥの知名度が上がってきている気がします。
15年~10年くらい前は、レッスンについて海外からの問い合わせが多く、今では一般的になったオンラインレッスンですが、当時は“インターネットテクノロジーを駆使して” 試行錯誤、いろいろ悩みながら、いち早くオンラインレッスンを取り入れて海外の練習生にレッスンしていました。昨今は、コロナの影響もありますが、日本各地から、オンラインでカラリのレッスンを受けていただくことも一般的になってきました。
 
私がカラリと出会ったのは2001年、かれこれ20年以上も前ですので、まだまだ原始的なやり方で、現地の道場で泥くさい稽古に励む幸運に恵まれていました。古き良き伝統を重んじる厳かな道場に通うことができた経験は、今では貴重な財産となり、そういう時代を知らない人たちが増えていくのは残念ですが、世代交代していくのは仕方のない事です。忘れないように、次世代に向けても、道場について語っていこうと思います。


武器術「オッタ」


 
私がカラリパヤットゥと出会ったのはケーララでヨーガを学んでいるとき、それこそ偶然でしたが、想い返してみると、偶然などではなく、出会うべくして出会ったものだと思っています。カラリパヤットゥに出会った後、私はインド北西のグジャラートの大学に留学し、3年半にわたるインド在住期間中も、夏休みやまとまった休暇になると、ときには飛行機で、ときには48時間以上かけて列車でケーララまで南下して道場に通い、カラリの稽古に励んでいました。ケーララの道場に行くたびに、エネルギーや活力が充電できて、元気になることができました。カラリパヤットゥと長く付き合えば付き合うほど、カラリパヤットゥは、単なる武術の範疇を超えたもの、総合的な学術体系をなしていて、実用的で日常生活に役立つ健康法として優れた内容を包括していることに気が付きます。カラリの身体操作は、人間が本来誰もが持っているものと思われる野性的な感覚を取り戻してくれるので、動いていると楽しい、とか、練習後に心地良い疲労感とともに、何とも言えない充実した爽快感を感じるのではないでしょうか。

伝統の叡智を感じるとき:道場の祭壇(プータラ)に向かっての祈りの儀式「道場礼拝」

クラスに通っている皆様から「元気になった、なんでも美味しく食べられるようになった」「無理なく動きながら、整体のように全身を整えてくれるので体調が良い」「健康な身体を実感できて、これからなんでも挑戦できる気がしてきた」などといった嬉しい言葉を聞くたび、カラリパヤットゥは、
心身に対して様々な効果があることがわかります。カラリパヤットゥは、いろいろな切り口で、現代人の求める健康法や身体操作法に応えてくれます。少しずつ、そのことを皆様とシェアしていきたいと思います。現在、入門書を執筆中ということもあり、知識を整理しているなかで、思い返すと様々な出来事を経験してきたことを実感しています。カラリパヤットゥの歴史、荘厳で神聖な道場のお話、威厳のあるグルッカル達のお話、トレーニングのお話、クラスのお話など、機会を見ながら、お話していきたいと思います。

余談ですが、私がカラリパヤットゥと出会い、道場に通ってカラリの稽古に励んでいた時代の懐かしいブログ(Coconut Milk)も、まだ読むことができるようです。

カラリパヤットゥについてのあれこれ、歴史やトレーニングについて、ケーララの文化などについても、記していきたいと思います。




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