カービィディスカバリークリアしました めちゃくちゃ良いゲームでした
画像は鮫トレ野郎です

前作のスタアラが個人的にほんまに最悪で、隣の部署がBotWとかマリオデとかSwitch1作目でめちゃくちゃ新しい事に挑戦してんのによく平気でこんなん出せんな、という感想でした
ボリューム少ない割にテンポは最悪、フレンズシステムもヘルパーの焼き直し、ひたすらグリーングリーンズのアレンジと過去作との関連匂わせでシリーズファンに媚びを売る方向に舵を切ってて、いよいよ「そういう」コンテンツになったか、という感じでした
開発者もインタビューで「カービィ最終作のつもりで作った」とか言ってたんですけど、その覚悟でこんなんしか作れないならもうシリーズ畳んでファン相手にグッズ商売だけやっててくれ、って思いましたね
よく考えたら20年以上ずっとSDXを超える事から逃げ続けてるよね、というのに気付いてしまってもうカービィシリーズはいいかな～と思ってました
正直期待は全くしてなかったんですが、まあようやく3Dカービィお出ししてくるんなら最後に1回だけ騙されてやろうかな、というカンジです

で、とりあえず真ボス撃破まで進めたんですが、これがめちゃくちゃよかった
100%クリアまではやらんかな～と思ってたけどあまりに後味が良すぎてやってもいいかもという気分です
という事でいつものように感想を書いていきます
ネタバレっぽいのは多分ない…と思う

■体験版の印象はあんまりよくなかった
事前に体験版を遊んでいたんですが、正直その時点での印象はあんまりよくなかったんですよ
手触りはよくて探索もそれなりに面白いけど、3Dカービィとほおばり吸い込みっていう情報から想像できる所を1ミリも超えてきませんでした
正直製品版でもその辺は変わらなくて、前半が終わったぐらいでこのゲームの手の内を大体明かしちゃってて、それ以降できる事は殆ど増えません
ただ、製品版で気付いたのはこのゲームの面白さの本質が探索にあるという所と、ひたすら丁寧かつ誠実なゲーム作りをしていて単純なクオリティがめちゃくちゃ高いという所です

■ミッションを軸とした探索の質の高さ
ステージの目的としてはゴールにいる囚われたワドルディを助ける事なんですが、道中にもワドルディが隠れていたり、後はステージ毎に決められたミッションをこなす事でもワドルディを助ける事ができます
で、そのミッションの難易度と隠し方が絶妙でした
隠し方にフレーバーがあるんですよ、「敵の隠したおやつを全部食べる」とか「オブジェのてっぺんに登る」とか「花を咲かす」みたいな ただ闇雲に探し回るよりもなんか楽しくないですか？
ただわかりにくい所に物を隠すだけなら誰でもできるんですけど、カービィという世界観を尊重して、その上でそこそこの難易度を持たせているのが良かった

他にも「ノーダメージで中ボス撃破」とか「○○地帯をノーダメージでクリア」みたいなプレイスキルを要求する物もあってバランスもいいですね
最初は条件が全部伏せられててステージをクリアする毎に1コずつ明らかになっていくんですけど、プレイが上手くて観察眼のある人なら全部1プレイで埋まるかもな～という絶妙なラインを突いてきてて嫌らしさがなかった
アクション自体の難易度は(終盤以外は)それほどでもないんですが、ミッションを初見で埋めるのが結構難しくて、カービィシリーズに付きまとっていた難易度低すぎ問題を探索とタイムアタック方面(後述)で掘り下げてて、世界観を損なわずに解決していて良かった

で、ゲームを進めていくうちにマリオ3Dワールドと近いな、という感想を持ち始めました 丁度3Dワールドにおけるグリーンスター集めが今作のワドルディ集めに相当します
ステージ内の色んな所を探していく部分は変わらないんですが、今作は隠し方にフレーバーがあって、尚かつ隠し方が凄く誠実でした
個人的に良かったのが、スタート地点より手前に物を隠してるのが1コもない所ですね
3Dワールドとかドンキーでもたまにあったんですけど、一度アレをやられると全てのステージで一旦手前に戻らなければならなくなるのでかなり嫌でした
カービィでも制作チームでこれをやろうとする人絶対いたと思うんですけど、ちゃんと突っぱねてるのが偉いですね
3Dワールドだとヨソのステージからネコマリオ持ってこないとダメな所が結構あったんですけど、今作ではそういうのもない
クリア後の○○○探しの所とか、2回目以降はフィールドに入った時点で残りの数がわかるの感動しちゃった 地味にこういう気配りできるゲームあんまないですよ

3Dワールドで気になった部分が全て解決されていて、目新しさこそそこまでないですがとにかく気配りの行き届いた誠実なゲームでした

■意外と歯応えもあった
ちびっ子も楽しめるカービィシリーズという事で難易度はあんまり期待していなくて、実際ストーリークリアまでにアクション部分で詰まった所は殆どありませんでした 後半のボスが意外と強かったかな？ぐらい
一方で裏ボスがめっちゃ強いのと、トレジャーロードのタイムアタックがかなり難しくて驚きました
トレジャーロードっていうのはステージ毎に決められた能力を使って攻略するタイムアタックステージで、ゴール自体は簡単なんですが各ステージに目標タイムが設定されていて、これの達成が結構厳しいんですよ
達成率にも関わってこなくて自己満足の範疇なんですが、逆にそれがいいですね あんまりゲームやらない人を否定する事なく、それなりにやってる人にそこそこの目標を与えている所がよい

残機システムがなくなったのも大きな変更点ですね マリオデと同じくミスるとコインを失うようになりました
スタアラで使われる事のない残機がひたすら増えていく空虚さったらなかったのでこれも良い変化だと思います

■気になった部分
全体の完成度の前には些事なので箇条書きで
・ノーダメミッションあるならもうちょいリトライしやすくしてほしい
・特定のコピーでボスを倒すとか、推測不能のミッションがチョイチョイあるのはイマイチ
・強化に舵を切ると一瞬でレアストーンが足りなくなるのは結構しんどい
・コピー毎の操作説明がないのは結構厳しい 強化するにつれてモーションが増えるコピーもあるのでそこに気付きにくいのはもったいない
ほんまにこれぐらいしかなくて、かなりの精度で気になる部分を潰してくれています

総評としては細かい所の気配りが本当に丁寧かつ誠実で、3Dアクションとしての目新しさには欠けますが非常に堅実なゲームでした
3Dカービィという新しい体験そのものに全てのリソースをぶち込んでいて、シンプルにゲームの出来が凄まじく良かった
発売前にちょっと話題になった命中補正も自分はプレイしてて気付く事はなかったんですけど、逆に言えばそういうさりげない気配りが全編に渡って光るゲームでした 今後生まれる3Dアクションはこれを基準点にされるでしょうね
演出を過去作に頼りすぎていないのも良いですね、カービィシリーズとして新しいものを作ろうという気概が感じられました
できればSwtich一発目の作品でこれ出してほしかったな～という所はありますね、他の任天堂作品での反省をいっぱい取り込んだ作品なのでカービィチームだけでこれが作れたか？という所はまだちょっと疑問が残ります
ちょっと前までやってたゲームが本当に嫌がらせに極振りしたゲームだったのでめちゃめちゃ染みました