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お買い物

いっとき某SNSで、「インドって観光で行くような場所にはスーパーマーケットがないんですよね」という投稿に対して、インド在住日本人が、「あるぞ」「私がいつも通ってるこの店は幻か」と、こぞって反論の声を上げていたが、事実、私の住まいの周辺(徒歩30分圏内)には、西友やイトーヨーカドーに匹敵するようなスーパーは存在しない。住まいの裏手の、スラムに毛が生えたような住宅地の中に、腕輪屋さんとかパーン屋さんとか豚肉屋さんとかならあるけど。(なぜ豚肉屋があるのか、全然わからない。外国人、北東人などの姿は見かけないのに)

とにかく日本(東京)が便利すぎる。東京で暮らしていた時には、徒歩圏内に無数のコンビニ、ドラッグストア、スーパー、ホームセンター、業務スーパー、100円ショップ、何でもあった。考えてみれば、生まれ故郷の限界集落には、徒歩圏内の店なんてタバコ屋1件くらいだったので、現在のデリーのほうがはるかに便利だとも言える。

デリーでは、車も自転車も持っていないし、お遣い頼めるメイドもドライバーも雇ってないし、「三河屋のサブちゃん」みたいな出入り業者とのお付き合いもないし、インドのクレジット/デビットカードがなかなか入手できなくてオンラインショッピングも難しかった。そのため、買い物がなかなかしんどかった。スーパーもないし、野菜や果物の露店も近所にほとんどなくて、当初は本当に、どうやって水や食料を調達すればよいのか、酷暑の中、泣きながら店を探し回っていた。Googleマップで検索して行ってみても、スーパーがすでに閉店していたり、「宅配専用デポ」に姿を変えて店頭販売していなかったりする。なかなかキレイなお店があると思ったら、高級食材、しかも乾物ばかりで役に立たない。(賞味期限の切れたジャム700ルピーなんて誰が買うか。)「野菜卸マーケット」に喜び勇んで行ってみたら、全然品揃えがなくて、何が「卸」だとキレそうになったこともあった。
お隣さんに「野菜とかどこで買うの?」と聞いてみたところ、「朝頼んでおけば持ってきてくれるよ」ということで、三河屋のサブちゃん方式のようなのだけど、朝から晩まで外出しているのに、いつ受け取るというのか。

学習用の机と椅子がほしい、と思って7駅ほど先の家具マーケットへ行くと、ラグジュアリー家具ばかりでとても買えない。あの…ドンキで2980円くらいで売ってそうな折りたたみテーブルとか売ってないデスカネ…。ようやく見つけた折りたたみテーブルは3000ルピー(5400円)と言われ、交渉する気も失せる。

そんなこんなで、なんとか落ち着いた生活物資の調達先。

●Blinkit
食品、生活用品宅配アプリ。ちょっとした電化製品もある。現金精算可能、15分くらいで到着するので受け取りが容易、野菜などの価格も露店とほとんど変わらず、配達料金も激安の神システム。難点は、ときどき、なぜかバナナなど、ごくオーソドックスな野菜、果物が品切れしていることくらい。主に水、野菜、果物、牛乳、卵の調達に使用。
さらにBlinkitは、PDFをアップロードするとプリントして配達してくれるサービスが素晴らしい。試験中は特にお世話になった。

●Zomato
ウーバーイーツ的なお食事配達アプリ。若干、割高なので無職の学生としては乱用できない。2,3週間に1回くらいは肉を食べようかな…という時に、バターチキンカレーを頼んだりする。

●アパート前の露店野菜
ごく最近、ゲート付近にコンスタントに出店してくれるようになった。品揃えは少ないけど、もう、ここにあるもん食えばいいんだわ。旬の食材が最も手軽に買えるんだし。季節の野菜の調達用。

●生鮮食品のないスーパー
徒歩5分くらいのところにスーパー的な店がある。しかし、野菜、果物、乳製品を置いていないし、食パンも賞味期限が切れていたりして、あまり使い所がない。Blinkitの下位互換。

●カトワリヤサライ
KHSにいちばん近い集落カトワリヤサライは、学生、庶民の街で、何でも揃っている。野菜マーケット、スパイス屋さん、日用品店、洋服等々。ホントここ住みたい。ちょっと遠回りになってしまうけど、学校帰りにときどき立ち寄ることにした。
自宅付近で手に入らない野菜や果物、賞味期限を確認して買いたい食パン、少量で買いたいスパイス、生活雑貨などなどを調達。

●週1バザール
消耗するのであまり行かないのだが、あちこちで「木曜バザール」「金曜バザール」など、決まった曜日だけ露店が集合してバザールができる場所がある。要するに夜市。キッチン用品とか、日本なら100円ショップで調達したい感じのモノが安く買える。

●ムニルカ
KHSからバスで10分ほどのところにある集落。KHS近くのカトワリヤにあるようなお店に加えて、格安家具マーケットがある。ドンキ的な、安くてペラペラでガタガタな家具が安くて買える。ここでやっと、机650ルピー、椅子550ルピーという納得のお値段で買えた。

現在、KHS(デリー校)は寮を提供していないので、学生は自力で生活環境を整える必要があり、なかなかの負担となる。1年間限定でヒンディー語に専念したい学生であれば、アグラ校または寮付き大学や、住居サービス付きの民間語学学校を選んだほうが良さそうだ。が、デリーの生活を清濁併せて経験したいのであれば、ケーンドリーヤ・ヒンディー・サンスターン・デリー校を選ぶのも悪くない。

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