記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『本能寺ホテル』

土曜日ですね、今日の映画は『本能寺ホテル』です。

1582年「本能寺の変」が起きる前日にタイムスリップするところからストーリーは始まるんですが、ぼくにとっては織田信長のセリフがドンピシャで。

なかなかいい映画だったんじゃないかと思っています。

画像8

あらすじ
倉本繭子(綾瀬はるか)は、ふとしたきっかけで京都の路地裏に佇むレトロな宿“本能寺ホテル”に宿泊する事に。なんとそこは戦国時代に繋がる不思議なホテルだった。一方、時は1582年。天下統一を目前に控えていた織田信長(堤真一)は森蘭丸(濱田岳)ら少数の家臣団と共に京都・本能寺に滞在している。冷酷非道なお館様を前に、戦々恐々とした日々を過ごす家臣たち。そんな時、見慣れない格好の女(繭子)が一人、寺に迷い込んでくる。その女は、400年後の世界からやってきた現代人。繭子は自身も訳のわからぬまま、信長と京都の町を見物するなど、交流を深める中で、次第に信長の人間性に惹かれていく。やがて繭子は、1582年の迷い込んだその日が「本能寺の変」が起きる前日である事に気づき――。
公式サイトより引用)

ホテル違い

この日は出張中で、朝の新幹線の中で観ていました。はじめは「ブレーン・ゲーム」を観ようとしていたんです。でも、あんまりピンとこなくて。朝から洋画はちょっと違ったみたいです(笑)。

というところからの『本能寺ホテル』でした。

実は何度も観ようと思っていたんです。それなのに、多分ぼくは『本能寺ホテル』と「THE 有頂天ホテル」を半分くらい勘違いしているところがあって(笑)。なので、映画が始まってすぐは「あれ?こんな感じ?」「悪くはないんだけど、なるほどね」と思っていました。

ただ、設定がなかなか面白かったんですよね。

画像8

時代を行き来する設定

主人公がタイムスリップをする作品のなかには、1度その時代へ渡るとそれっきりになっているものもありますよね。

例えば「信長協奏曲」もそうでした。『本能寺ホテル』ではここが少し違っていて、何度も時代を往復するんです。そこが新鮮で面白かったですね。

主演は綾瀬はるかさんなんですが、なぜかぼくはこれまでに出演されていた作品をあまり観れていませんでした。最後にちゃんと観たのは「ハッピーフライト」なんじゃないかな。自然で平和な映画だなと思いながら、楽しく観ていた覚えがあります。

この映画に話を戻すと、序盤では「どんな映画なのかな」「本能寺の変の結末を変えるの?」といろいろ考えていました。

それが、途中から何度も繰り返される質問が出てくるんです。

画像6

お前は何がしたい?

綾瀬はるかさん演じる倉本繭子が「あなたのやりたいことは何か?」と質問されます。婚約者の恭一さん、そのお父さんなど、いろいろな人から聞かれるんです。

ぼくはそのシーンを観ながら「自己啓発まではいかないけど、そっち系なのかな」「あ、なるほどね」と。それに、信長が結構いいことを言うんです。

織田信長といえば、これまでもたくさんの俳優の方が演じられてきました。例えば、木村拓哉さん、小栗旬さんもそうでしたよね。ぼくはこの映画に登場する「堤真一さんの演じる織田信長もいいな」と思いながら観ていたんです。

画像3

好きなセリフ

特に「誰が決めたんだ」「出来ないと誰が決めたんだ」「絶対に出来ないと誰が決めたんだ」というセリフ。こういった信長の考え方を、ぼくは好きだなと思いました。

繭子「天下統一なんていう大きなこと、誰にでもできることじゃないですよ」
信長「できないんじゃない」「誰もしようとしなかっただけだ」
繭子「しようとしないだけ?」
信長「お前は何がしたい?」
繭子「私には…信長さんのような大きな夢はありませんよ」
信長「大きいとか小さいとか関係あるのか?」「自分のやりたいことに大きいも小さいもない」「やりたいかやりたくないか」「やるかやらぬか」「それだけではないのか?」

見方によっては、言葉の遊びや屁理屈みたいかもしれないですが、ぼくは好きな考え方だなと思いました。信長いいこと言うなと。

そこから、この映画はいいことを言う系の映画なのかなと考えていました。というのも、ぼくは映画を観たあとに脇役の何気ないセリフがよかったなと思うことがあるんです。そう考えていくと、今回は特に信長のセリフがぼくには刺さっていたと思います。

繭子が未来から来たこと、このあと「本能寺の変」が起きると知ったとき、こんなことを言っていました。

画像4

「わしはついこの間までこの世界が丸いということも知らなかった。それに海の向こうに住む肌や髪の色が違う人間のこと、彼らが作り出したもののこと、それも知らなかった。とすれば、未来からここに飛んでくる人間がいるということも、ただ知らぬだけなのかも知れない。そう思わぬか。」

ここは意外と熱いセリフなんじゃないか、いい考え方だなと素直に思いました。それから、謀反のことについて聞かれたときの答えも印象的でしたね。

「誰でも良いのだ。この国に天下泰平の世がやって来るのがわしの望みだ。」

ぼくはこのシーンを観ながらもしも自分が自分がこうなっていくと知っていたらどうするか?と考えてしまいました。酷な表現かもしれませんが、状況としては明日死ぬよと言われているのと同じですよね。

繭子は本能寺の変が起こる前日にタイムスリップしていますが、信長が謀反について知ったのは夕方以降でした。そして、「本能寺の変」が起こるのは深夜です。つまり、信長は半日で決断しなければいけなかったんです。

正直なところ、俺だったら馬を走らせて逃げるかもしれないなと思いました。



ーーーーーここからはラストシーンのネタバレを含んだ感想です。






結局、信長は未来を変えてはいけないという考え方はしません。「本能寺の変」に抵抗することはなく、羽柴秀吉へ宛てた手紙を書くことを選びます。

ここでも、また俺だったらどうしたんだろうと考えました。

画像7

ぼくは、奇襲を受けたとはいえ体勢さえ立て直せばもう1回行けただろうと思うんです。むしろ、それしかないんじゃないかと。

── 繭子から謀反について知らされたことをチャンスと捉えて、さらに気力が増す展開があってもおかしくないのかもしれませんね(聞き手:Erina)

そうなんですよ。映画の冒頭では、「本能寺の変」が多くの謎に包まれているという説明がありました。

信長の遺体がみつからなかったこと
謀反の理由が明白になっていないこと
その後、光秀を討伐した羽柴秀吉の中国大返しと呼ばれる行動があまりにも迅速すぎたこと

そして信長は謀反を知った後に「秀吉に届けろ」と言って、手紙を託すシーンが描かれています。ここが映画としてすごく大切なのはよく分かるんです。

ただ、俺だったら同じことをしたのかなと考えると悩んでしまいます。以前もnoteに書いたことがあるんですが、ぼくはできる限り長生きしたいと思っているんです。

例えば小さい頃は食べられなかったホルモンが今では当たり前になっているのも、その後に発明があったからですよね。そう考えると、もしかたら車が空を飛んだり、未来にはもっとすごいことがあるかもしれないですよね。

だから、ぼくは"全然死にたくないな"と。

画像7

これは価値観の違いだと言われてしまえば、それまでかもしれません。ぼくたちからすれば過去のことなので、信長の美学によるものなのかどうかも確かめることができません。でももしも同じ立場だったとしたら"俺は悩むな、正直"と思っちゃいます。

ただ、信長が言っていた「ついこの間までは世界が丸いとは知らなかった...」という感覚で生きていくことはすごく大切だと思いました。

あと面白かったのが、ぶりぶりぎっちょうという町で流行っている遊びをするシーンですね。朝にぼーっと新幹線で観ながら、なんか良いなと(笑)。

それから、この映画を最後まで観て思ったのは信長はやっぱり孤独だったんだろうなということでした。ぼくは信長ほど偉くはなっていないんですが、なんとなく1mmぐらいは気持ちが分かるんじゃないかなと。

最初はこれ面白いのかなと思いながら、ぼーっと観ていたんですけど、何度も行き来するところの設定がすごくよかったと思いました。それから、信長が人間らしい意外性をもったキャラクターとして表現されていましたよね。

こういった意外性が本当に良かった映画だったんじゃないかな、と思っています。


(画像引用元:映画.com


それではまた明日。


最後に。
読んで頂きありがとうございます。
そして読んだということで「スキ」「ハート」をポチってください。人間リアクションは大切です。

そしてお知らせ!
①人生相談というnoteを書きました。ちゃんと回答していきたいと思うのでぜひあれば書き込んでみてください。
②note内にサークルがあります。こちらもよければ。

良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。