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けんちん汁がつなぐ姉妹都市~授業編~

少々時間が空いてしまいましたが以前投稿しました「けんちん汁がつなぐ姉妹都市~足利給食編~」の授業編をお届けしますのでご覧頂ければと思います。

栃木県足利市との姉妹都市提携40周年を記念して、和食文化継承リーダーを兼ねる足利市立小学校の栄養教諭の先生に、来校しての出前授業とオンライン授業をお願いし、第一小学校、富士塚小学校、稲村ケ崎小学校、西鎌倉小学校、小坂小学校5校で行っていただきました。

オンライン授業では、4年生を中心に、栃木の産物や足利市のお話、けんちん汁の話など、給食とも関連付けながら、クイズをしたり、楽しく学ぶことができました。

けんちん汁が、なぜ鎌倉から足利に伝わったのか。
日本最古の足利学校の初代庠主(しょうしゅ=校長)は、鎌倉円覚寺の僧侶が務めていたそうです。歴代の庠主の中には、建長寺出身の方もいたそうです。そうした繋がりから、足利市に「けんちん汁」が定着していったのではないかと考えられます。

また、「かまくら子ども風土記」には、こう記されています。
さといもや大根・にんじん・ごぼう・豆腐・菜などを油でいためてつくったおつゆを「けんちん汁」といいます。大覚禅師は、野菜を料理したときに残った皮やへたなどを無駄にしないで油でいためて作った汁が今日に及んでいるといわれます。建長寺で作った建長寺汁が、いつか「けんちん汁」といわれるようになったといいます。

鎌倉の給食では、豆腐は最後に入れますが、本来は豆腐もいためて作る「けんちん汁」
私も、いつもは最後に入れますが、いためるバージョンで作ってみたところ、豆のうま味が汁全体にいきわたって、味の染みた豆腐もとても美味しかったです。ぜひ、お試しください。

みなさんのおうちでは、「けんちん汁」を作りますか?
オンラインの授業では、けんちん汁を家で食べる人!と聞いたところ、どのクラスも、約1/3程度でした。
「けんちん汁は、家では食べない」
「豚汁なら、食べるけど」
など、あまり家で食べる機会も少ないようです。

小坂小学校での出前授業の様子

来校での出前授業では、5年生が、授業の最後に「古くから伝わってきた、けんちん汁がなくならないようにするには、どうしたらよいか。」を考えていました。
「インターネットを使って、レシピを残す」
「周りの人に、けんちん汁の作り方を教える」
「たくさん食べる」
など、いろんなアイデアの発表がありました。

ある学校では、「授業の後に、家で「けんちん汁」を作って食べたよ!」と教えてくれました。

鎌倉が発祥といわれている郷土料理の味、大切にできたら良いなと思います。

2回にわたってお送りした「けんちん汁がつなぐ姉妹都市」のご紹介は今回で完結です。次回は、オーガニック食材を使用した給食を取り上げる予定です。お楽しみに。

(学務課給食担当 石黑、浜辺)