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映画「スリング・ブレイド」

監督:Billy Bob Thornton     製作:Miramax     配給:Miramax(US) Asmik(JP)

映画「アルマゲドン」のNASA総指揮官役のビリー・ボブ・ソーントンが主演ということは、見終わるまで気づきませんでした。顔や声が全く違うことに驚きます。顎力すごいです。

フレンチフライはナチョスが入った入れ物で食べたい

フレンチフライとシェイクが凄まじく飲みたくなる映画ですね。何気無く出てきて印象的な食べ物やローカルのレストランって「この映画いいなあ〜」って思える一つの要素だと思います。カールが、猫背でフレンチフライをソースにデイップして食べるシーンは何度も見たくなります。「コーヒー&シガレッツ」は、ファーストフード店の店員ジム・ジャームッシュ監督作品ですが、見終わった後にカフェにでも出かけて、コーヒーをお供に友人とおしゃべりしたくなる映画です。その他、「パルプフィクション」しかり、「ディナーラッシュ」しかり、「食べる」という行為が「空腹を満たす」以上の意味があるように見えたり、見た人に影響を与える(実際にその食べ物を欲する)という事は、映画の面白いところだと思います。

「You will be happy」

物語は、少年とおじさん(カール)の交流を通じて展開されます。今まで施設にいたカールにとって、「外の世界は大きすぎる」という衝撃にも似た戸惑いを受けつつも、給料をもらって、ご飯を食べて、寝て起きて、友人と会話して、という営みを通じ、何か幸せを見出せたのかもしれません。見出せたからこそ、最後の表情には満足感と誇りを感じるようにも思えました。ただ、「殺さなきゃいけない奴はもういないから殺人はしない」→「殺すに値する奴がいたらまたやる」という彼の考えは揺るぎなく、強く、悲しいです。正しい事とか、悪い事とか、立場によって善が悪になったり、その逆が起こったり。価値観はあやふやで危ういもののようにも思えてしまいますが、「きっと幸せになれる」というカールから少年へのメッセージからは、「お前は子供なんだから、そういうぐじゃぐじゃした事はまだ考えるな。幸せに生きていってくれよ。」という想いを感じました。

窓から入る光、カーテンで少しやわらいで、カールの顔を照らして。

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