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【短評】ホンダ ステップワゴン e:HEV SPADA

外観

チマチマと余計なボディラインを足さなくなったホンダのデザイン、好感が持てる。
デザインディレクターをクビにしたんだろうな。よかったよかった。
堂々としたハコ具合、わかりやすくシンプルで良い。先代のワクワクゲート、あれ、結構いいアイデアだと思ったのにな。予想通り引き継がれなかったのは残念。
このテのクルマを選ぶヒトに飛び道具はいらないということか。
にしても長大なボディサイズは圧巻。ノア・ヴォクシーより20センチ以上は長いぞ(対応して車重も200キロほど重い)。これが吉と出るか凶と出るか。

内装

広い広い。とにかく広い。外観のスクエア具合から期待する通り呆然とするほどの広大さ。
道具として使い倒すひとならば、必ずワクワクするスペースだろう。
ヘンに木目のパネルなんかつけてエセ高級感を醸し出していないのは合格。
造形は真面目すぎるくらい。

ラゲッジはパーツが後付けできるようなネジ穴があるとカスタマイズも楽しいいんじゃないだろうか。
ダッシュパネルの一等地に構える液晶ディスプレイの大きさにギョッとした。「第一京浜」とかの文字がでかいのなんの。こんな大きいと運転中やたら目に入って集中できない気がするが……。

走行性能

チョイ乗りなので多くは語れない。
けれど、先代のよく動くサスペンション、とくに後輪の印象の良さが記憶に残っている。
さて新型は。すでに「ミニバンですから」と誤魔化す時代は終了した! と宣言していいレベル。先代の良さに加えて堅牢なボディに支えられた予想以上のフラットさがすばらしい。
これ、大きなドンガラを抱えたミニバンだよな、と広大な後席をしきりに振り向いて確認したほど。
まだ試乗していないけどTNGAを携えたトヨタのノア/ヴォクシーはどんな仕上がりなんだろう? とんでもねえことになってるんじゃないかとドキドキした。

まとめ

個人的には標準スタイルの「エアー」が好み。
明るい色やマットカラー、カーキなどのサファリ系のカラーリングも似合うだろう。採用してほしい。
それにしても各社がこぞって設定しているスパーダのような黒ずくめのボディ、カッコいいのか?
巨大な羊羹にしか見えないのだが。ヤンキーには甘党が多いのかも。

370万円のプライスタグは代々ステップワゴンを乗り継いできたユーザーにはインパクトがあるかもしれないけれど、ざっと見た装備内容からはまあ妥当かなという印象。
ただしスパーダとエアーで妙な装備差をつけているのには理解に苦しむ。
マイナーチェンジで差がなくなると思われる。(期待も込めて)
ノア/ヴォクシー勢に比べてこちらは車中泊やキャンプなど、アクティブな用途がしっかりしたユーザー向けに使い倒しがいのある価値を提供しているように見える。
いろんな事情でハイエースまでプロユースに踏み込めない人にはうってつけなセレクトじゃないだろうか。
相変わらず乗り味に手を抜いていないあたり、まことにホンダっぽいと思わざるを得ない。