ウッチャンナンチャンについて

ウッチャンナンチャン。かつてダウンタウンやとんねるずとともに、一時代を築き上げたコンビだ。しかし、ウッチャンの紅白司会などの快進撃が目立つ一方、イマイチ、ナンチャンの元気がない。
最近ではコンビ揃っての番組もほぼなく、

**若い世代は2人がコンビであるという事実すら知らない人もいるのではないかとも思う。 **

知らない方もいると思うので、ここで2人の歴史を辿ってみたい。ウンナンは、2人とも横浜の映画学校出身。

監督志望の内村、俳優志望だった南原。同期には今や大人気の出川哲朗、俳優の入江雅人などがいる。

学校のカルキュラムである漫才の授業でひょんなことからコンビを組んだ。
ネタをやると息が合い、ネタも面白かったそうだ。お笑いをやるつもりはなかったそうだが、卒業後もそれぞれ志望していた進路が断たれてしまったウンナンは、思い出にお笑い勝ち抜き番組の「お笑いスター誕生」に出演。
何度か挑戦し、結果優勝する。これによって漫才講師の勧めもあり、プロを目指すこととなる。
しかし、初期は当時流行りの青春コントなどが多かったが、キャバレーや寄席、営業ではウケず比較的しんどい時期もあったそうだが、
渡辺正行主宰のラママ新人コント大会に出ることにより、そこに来ていた若い客に人気が爆発。
そしてこの頃、一緒に出てたジャドーズの影響により、ショートコントを開発。これにより、
代表ネタ「ファミリーレストラン」「レンタルビデオショップ」「コンビニ」など、

**今の芸人がやっているようなコントの題材を初めて取り入れた。 **

ブランドのスーツに身を包み、サラッとショートコントをやる2人に若いお客さんはもちろん、同期や後輩たちに大きな影響を与え、少し後輩にあたる浅草キッドや爆笑問題は

「当時の東京のお笑いはウンナン風のスーツ来てショートコントをやる連中ばっかりだった」と語っていた。

ウンナンはボケとツッコミの明確な役割分担はなく、これについてウッチャンは「コントごとに変わる、ケースバイケースです」と言っていた。
さらにコントでの立ち位置は、ナンチャンは向かって左にくるが、司会ではウッチャンが左に来る。この理由は字幕で「ウッチャンナンチャン」と出た時にナンチャンが左にいると知らない人に名前を間違えられる、というのが理由だそうだ。

ブレイクした途端に冠番組を持ち、戦友であるダウンタウンとのコント番組を経て、とんねるずが番組を休むタイミングでゴールデンの冠番組を獲得という、トントン拍子での出世。
ここでウッチャンのスタジオコント愛が芽生えたそうだ。
前任のとんねるずはパロディコントが多く、洋画やドラマなどのコントが多かった。ウンナンもウッチャンの映画好きなとこもあり、映画やドラマを題材にしたコントを多くやっていたが、コントのテイストが芸風でかなり違っていた。

その後始まった「ウリナリ」ではチャレンジ系のロケが多く、千秋やキャイ〜ン、よゐこ、勝俣などレギュラー陣も多かったが、ウンナンの雰囲気作りが上手かったのか、和気あいあいとした番組の空気も良かった。当時のとんねるずやダウンタウンの番組は攻撃的な雰囲気で若者の支持を得ていたが、ウンナンはそういう空気もあって、子供たちの人気が高かった。ポケットビスケッツやブラックビスケッツなど、今でも語り継がれる音楽ユニットを結成。紅白出場を果たす。
ウッチャンの希望で、番組の最後にコントを2本やるコーナーがあり、ユニットでトーナメント戦などもやっていた。ここでホワイティなどの名物キャラが生まれる。
さらにドーバー海峡横断部という企画では、本当にドーバー海峡を渡ってしまうなどの快挙を果たす。
おそらく、この辺りがウンナンのコンビとしてのピークで、ウッチャンもキャラクターの憑依させる力も素晴らしく、もの凄いパワーがあって番組が世間的にも盛り上がっていた。

ウリナリを見返すと、ナンチャンが今とは別人と思うほど、かなりパワフルで元気があり、共演者にわーっと突っ込んだりし、ギャグを連発していた。とはいえ、気心知れたレギュラーメンバーだからこそ安心してツッコミや暴言を言えたのかも知れない。

ウリナリの後期あたりから、ウッチャンが単独で笑う犬を、当時大人気だったネプチューンと組んでスタートさせる。
深夜帯とはいえ、コントのみの番組というのは難しいと言われていたが、予想に反して大きな人気を博す。のちにゴールデンに昇格し、ナンチャンも加入。しかし、さすがにゴールデンではコントのみに出来ず、企画ものも増えて、コントのネタも出尽くしてた頃に番組は終了。

この辺りからウンナンはそれぞれ違う道を歩み始めた。ウッチャンはさまぁ〜ずら後輩との相性が良く、ナンチャンよりも後輩らと組むことが増えていった。

お笑いや特にコントが好きなウッチャンは後輩のコント番組やネタ番組など、若手の兄貴分的な存在となっていく。
自身もネタ番組などの出演時にチャレンジャーとしてピンネタを披露することもあった。
ザテルヨシという名前で、イロモネアなどのネタ番組で活躍したり、ドリームマッチでも単身で乗り込んでダウンタウン松本人志とのコンビで大いに盛り上げていた。
暴言やきつい言葉がほとんどない優しい性格のウッチャンは、スタッフや後輩からも慕われ、親しみやすく組みやすいため、沢山の若手がウッチャンと仕事し、売れた芸人も多い。さらに優しさを求める今の時代とマッチしていき、単独で人気と仕事が急増し、紅白の司会にまで上り詰めた。

一方、ナンチャンはスポーツ系やキャスターなどの番組が増えていった気がする。好きなことをやってはいるが、ウッチャンとの人気バランスが偏っていく。そんな中、ヒルナンデスも始まり、司会者のイメージがついていく。
ただ、印象としてはナンチャンが盛り上げるというより、レギュラー陣が率先してやっている感じがあり、ナンチャンが率先してボケることも少ないので、司会としての印象は悪くないが、お笑いとしての評価はあまり高くないようだ。
たまにウッチャンと共演すると、久しぶりにかつてのナンチャンらしさを取り戻すが、単独だとどうも大人しくなってしまう印象がある。
そもそもナンチャンが本気でお笑いをやると攻撃的なキャラになってしまうことが多く、さらにウッチャンやキャイ〜ン天野と組むくらいしか、お笑いとしてのナンチャンの良さが出ない気はした。

ウンナンとしてのパワーバランスは正直かなり悪くなってしまい、実質ほぼほぼ解散状態なのが長年のファンとしては気になるところだ。傾向としてはホンジャマカの流れに近くなってる感じがする。ただ、ホンジャマカの方がまだ2人のバランスがいい。
ウンナン揃っての番組も単発などがたまにあるので完全になくなったわけではないが、また2人が元気にコントをやっているのを待ち望んでいるファンは多いと思う。

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