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脳内にしか存在しなかったものが現実世界に現れた。

私は何でも自分で作ってみたい!とは思うが、だいたい性格が雑でそれが制作物に反映される。
出来上がったけど使えた代物じゃないな、となっていった洋服、トートバッグなどは数多く、だいたい作り始めの段階で『ま、使えないだろうけどミシンを使うのが楽しいから!』と思っているからしょうがない。

今回、画像に貼っているスツールを脳内で作成していた。良い生地が手元にあったことと、どうしても私の希望するサイズの椅子がほしかったからだ。

でも、いい加減自分の力量はわかっているし、どうせ作っても1〜2回腰掛けたら崩れ去るスツールしか出来まい。

隣を見ると、手先が器用で木工が得意な人が、PS4の戦国無双〜真田丸〜をプレイしている。
彼、最近、家では戦国無双〜真田丸〜やって外ではドラクエウォークばっかりやってるな…。
あまりにもゲームばかりしている姿を見ていると彼の良さを見失うな。よし、ここは一つ彼にスツール作成を依頼して彼の株を私自ら上げてみよう。

彼は手先が器用である。
過去に仕事で木工制作をしたこともあるので、器用+木工制作の基礎知識がある。

紙にサイズの希望を書いて、イメージ図を描いて、ウェブから参考画像を探してきて、生地を渡し、夫に『こういった物を作ってください』と依頼した。

もともと器用なのも、木工をやっていたことも、手先を動かすのが好きなのも解っていた。家や家具に何か不具合がれば修理をササッとするのも見ていた。

しかし、イチから何か作ってもらうのは初めて。
正直、まぁ腰掛けられて1〜2年後に壊れる代物でも良かろうと自分の過去の制作物を基準に考えていた。

夫は快く引き受けてくれた。そして彼の理系モードのスイッチが入る瞬間を目撃した。

私がなぜそのサイズを希望するのか?用途は何なのか?どの場所で使うのか?なぜその生地を使いたいのか?希望の木材の材質はあるか?色は?強度の問題もあるので必ずしも指示書の通りの形にはならないが良いか?

強力なヒアリングである。曖昧な回答は許されない。場所は?と聞かれて『え?…部屋とかダイニングとか…?』と言おうものなら、ダイニングであればテーブルとの高さの兼ね合いや、導線の邪魔にならないサイズを想定しなければならないし、私の狭い部屋であるなら出来るだけ小さくしたいと思うからだ。

その後、必要な工具を算段しだした。そして何やら数字を書き始めた。
(この辺は細かそうだったので興味が持てず完全にお任せした。ここが出来ないからすぐ壊れるものしか作れないんだな!)

週末にホームセンターへ。
木の種類と色だけチョイス。その後の木材カット依頼から細かい話になりそうだからお任せした。ついては行ったけど車で昼寝をすることにした。

気づいたら家についていた。昼寝をしたまま車は発進していたようだ。
帰宅してからが怒涛の早さ。もうこのスツール百個は作ってますけど?みたいな手際の良さ。
でも同じような工程が何回も出てくるので、飽き性の私はお任せして夕飯作りに集中した。(料理だけは苦にならないし人に出せるものも作れる!)

そして数時間経ったら冒頭の写真である。

おかしい。座ってもガタついたりどこか脚が一本外れたりしない。しっかりとした作りで座り心地も快適。強度も申し分なく数十年使えそう。

感謝と尊敬である。
そして彼が物を作るさまを見て私がいかに雑で無計画かと言うことを思い知った。

ゲームの時間が長くなることもあるけど、遊ぼうと言えばすぐに中断して遊んでくれるし、何かを頼めば私の期待以上に応えてくれるし、別にふだんゲーム何時間やっいても良いな。

私は下手の横好きも大概にしけと言う教訓のもとこの椅子を一生大事にしていこうと心に決めた出来事だった。

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