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こどもつれづれ 1/読んだ育児関連の本のこと

 子どもがもうすぐ2歳を迎える。
 あっという間だったと感じるのは出産の日の思い出が濃すぎるせいで、これまでの一日一日を振り返ると本当にたくさんのことがあり、たのしく不安な一歩一歩だった。

 育児中にこのnoteを作ったのは、育児をする私自身のことを書き留める場所にしたいと思ったことが目的のひとつだった。そんな話は興味ない方もいると思うため、産前からやっていたSNSではない、新たな場所をつくろうと考えたのでした。親になってからというもの、迷いにハッキリした答えを出せずグルグル渦巻くことが増えた。なんだか自分がネチネチした生き物に感じてしまう。同じ迷いを父親が語るとさらりとしてるな〜と思う場面がよくある。何が違うんだろう?

 Netflixの大好きなドキュメンタリー『アグリー・デリシャス』のデイビッド・チャンの子どもは、我が家の子と月齢が近い。Instagramでデイビッドそっくりの可愛い赤ちゃんや、赤ちゃんを見つめる父親デイビッドの暮らしを観ていたので、『アグリー・デリシャス』シーズン2の1話目で子どもを授かったときの心の葛藤を語っていたことには少し驚いた。その中で語られた「子の誕生は余生の1日目」という言葉は、親になるピュアな感動を言い表していて印象的だ。

 余生とは言ったものの、それでもやっぱり親だってひとりの人間だよね、と思い出させてくれるのが平民金子さんのエッセイ『ごろごろ、神戸。』。子をベビーカーに乗せてごろごろ転がしながら、昼寝のタイミングを見計らって自分が食べたい食べ物屋に貪欲に入店する。めっちゃわかる。子の眠気と己の空腹を常に算数してしまう。そんな時、親というのは役職であって、私はどこまでも私なんだと気付かされる。そして、「子」というのもまた役職なのだということも。平民金子さんがお子さんを通じて新しい世界を開拓してゆく様は眩しい。

 個々の尊厳を忘れずに育児以前の妊娠期をも描いたエッセイに、山崎ナオコーラさんの『母ではなくて、親になる』がある。ナオコーラさんが選ぶ言葉の端々から「子どもと他者同士として対峙したい」という決意を感じ、身が引き締まる。ナオコーラさんが同時代に育児をしていることが勝手に心強い。

 私が妊娠中に読んだのは、この『母ではなくて、親になる』と、さくらももこさんの『そういうふうにできている』、川上未映子さんの『きみは赤ちゃん』でした。私は感情的なタイプだと自覚していたので『きみは赤ちゃん』を読んだとき特に「自分はこうなるのか……!」と震えた。(のちに振り返ると全然違ったな〜と思う。改めて育児はひとりひとり違うストーリーで自分でも驚く行動をとったり。その時を迎えなくてはわからないことばかりだ)

 親としての2年。いろんなことがあり、いろんなことを学んだ。「もう少し仕事がしたいな〜」と最近よく思うあたりに、私の親業も軌道に乗ってきたのかもと安堵を感じる。振り返って少しずつ記録し誰かにペイフォワードできたらと、ここに「こどもつれづれ」を書いていこうと思う。

(写真は、日々増えてゆくミニカーとの散歩。ドイツのsiku社のミニカーは色がカラフルで可愛い。)

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