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金曜日の日記/『オザークへようこそ』『水を縫う』などなど

 疲れるとダラダラ過ごして時間を無駄にしてしまうので、今週は隙あらばNetflixで『オザークへようこそ』を観ると決めて過ごした。子が寝た隙にオザーク。家族が風呂に入った隙にオザーク。話が進むと小さく潤う、やっぱり海外ドラマはたのしい。ひさしぶりに観るオザークのブルーグレーの世界はのびのびと気持ちよく、シーズン3ですっかり悪事に慣れたウェンディが美人になっていて不気味さが増す。笑顔が怖い。姉弟もさらに逞しくなっていた。所謂平凡な人生を過ごしてきた人物が実は犯罪センス抜群だったり、「家族のため」という大義名分で悪事をはたらきまくる点が『ブレイキングバッド』にも共通したおもしろさ。家族のためってなんだろうか。『ジ・アメリカンズ』でも可愛くて目立っていたジュリア・ガーナーの、いつも怒鳴ったような演技もすき。

 すこし前までハイハイを駆使して高速移動していたこどもがすっかり二足歩行になったので、散歩が日課に加わった。2時間外にいると3時間ぐっすり昼寝するという時間の錬金術を発見して、すごく助かる。散歩の途中、数ヶ月ぶりにお店でアイスコーヒーを買って誰もいない店内やテラス席で飲んだ。「こんにちは」「テラス席をご利用ですね」「ありがとうございます」 明るい接客と気遣いに元気をもらうのがこんなにもうれしいなんて。この会話がなくなったら、私はきっととても困ってしまうだろうなぁ。

 たのしみにしていた寺地はるなさんの新刊『水を縫う』が届いたので、少しずつ読み進める。寺地さんが刺繍の小説を書いているということは、私の『刺繍小説』を読んでくださったご本人がTwitterで知らせてくれた。以来、新刊を予約して心待ちにしていて、指折り数えるというのもまた小さな潤いだと気づく。『刺繍小説』を作ってみて、こうして小説家の方と現実に出会えることが想像以上にうれしい。ずっと、作品でジャンルとジャンルを繋げたいと考えてきたけれど、それをいちばんたのしみにしているのはやっぱり私自身なのだと感じる。

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