8.9〜8.13

滞在9日目。今日もリハーサルは通し。昨日よりよくなっている。ぼくのコメントも具体的、かつ細かい修正になってきて、あとはうまくキャストが乗ってくれるようにサポートするだけ、、、とはなかなかいかないけど、すくなくとも初演よりは安定感、深みとも増しているはずだ。
リハ後は、チラの車でエドゥと3人でドライブして、そのあとまた肉を食べに行った。そのあと、前に住んでいた家まで行って、そこに住むベネズエラ人の友人と再会。ひさびさにサンテルモで飲んだ。1年弱とは言え、やっぱり「住んでいた」エリアにくると、いろんな記憶が郷愁を誘う。またこの街に住むことがあれば、このエリアに住みたいと思ったのだった。1時くらいまで飲んで、バスに乗って帰った。

10日目。
リハーサル。シンシアが通しを見にくる。俳優の集中力がすごい。
同じ言語をしゃべる観客がいると張り切るだろうなとは思っていたが、これを東京でもやってくれと伝えておいた。シンシアは作品にとても喜んで、ブエノスアイレスでもやれないか方々とコンタクトをとると行って帰っていた。俳優たちは気分がいいのか、ツアーができたらいいなと言っていたので、そういうふうに言ってもらえるのはうれしいものだ。
リハ後はみんなでちょっと軽食とお酒を飲みに行ったが、翌日の選挙の影響で夜8時半以降はアルコールの販売ができないということで、8時半でお開き。疲れたので帰って、チョリパンを食べて寝た。

11日目。
大統領予備選挙の日。道ゆく人がみんな投票に行っている感じがする。先週と同じく夕方親戚の家に行く。子どもたちの懐き方がすごい。うれしい。選挙は左派(現大統領の反対勢力)の圧勝だった。

12日目。
ブエノスアイレスでのリハ最終日。こちらの知り合いに向けて公開。10人くらい来た。
が、観客の目を意識しすぎたのか、前日の選挙の結果に喜びすぎたのか(こちらの俳優やアート関係者などはみんな左派を支持)、全然よくない。
自由に舞台上を支配するには程遠く、みんなやらないといけないことに追われていました、という感じで、低調なまま終わる。本人たちも自覚があるようで、改めてコンディションを整える必要、その環境にいかに持っていくか、課題。
それでも、観客の何人かは泣いたりしていて、反応は悪くないようだった。衣装もセットのないままだが、いつかブエノスアイレスでも上演できたらいいなと改めて思う。

前日の選挙の結果を受けて、ペソが大暴落。8/1に来たときは、1ドル44ペソくらいだったのが、8月14日現在60ペソまでになっている。
今年1月は1ドル37ペソくらいだったみたいだ。ちなみにぼくがいた2年前は1ドル15ペソくらい・・・
物価はそれに伴って上がっているが、給料はほぼ横ばいだとか。以前よりも路上生活者が増えている気がする。そして当然治安も悪化する。外国人にとっては相対的に物価が下がっていることになるので、旅行にきやすくなるわけなのだが、自国通貨が信用できない、という状況で生きていくことの想像はいまのところぼくにはあんまりできなかった。

13日目。夜出発。2手に分かれてUBERで空港へ向かう。また来れることを願って、見納めとかそういうことはしないようにして日本へ向かう。途中メキシコで18時間のトランジット。これはいま、メキシコシティの宿で書いている。よく寝れた。

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