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「混沌の惑星」シリーズ

 現在Amazon PODとKindle KDPで個人出版を目指している混沌の惑星シリーズにいてご紹介します。
 本シリーズは小説投稿サイトNOVEL DAYS上に、「混沌譚一 ティエラ山篇」「混沌譚二 水獣の謡」「混沌譚三 マラデータ王国編」という完結済みの三作品が公開されています。

*追記(2022年3月):
 現在、作品タイトルを書籍版と合わせ「黎明の学師 混沌の惑星1」「水獣の謠 混沌の惑星2」「星躔の王国 混沌の惑星3」に変更の上、「黎明の学師」については本文を改訂版と差し替え、冒頭のみの公開としています。

*追記(2022年4月):
 Amazonより「黎明の学師 混沌の惑星」が四六判ペーパーバックと電子書籍で発売されました。Kindle Unlimitedにも対応しています。

 このうち「ティエラ山篇」「黎明の学師」と改題して2022年4月に、「水獣の謡」を2022年10月に個人出版すべく、現在準備中です。シリーズ三作目の「マラデータ王国編」も改題の上、2023年中の書籍化を目指しています。更にNOVEL DAYS上での公開を目指し、シリーズ四作目を現在執筆中です。
 2021年10月現在、書籍化へ向けて「ティエラ山篇」の後半は非公開としています。それほど大掛かりなものではありませんが、謎解き要素もある作品ですので、ネタバレになる部分を非公開にしました。来年3月頃に作品冒頭を除き全体を非公開にする予定です。「水獣の謡」も書籍化に合わせ、来年秋頃には冒頭以外は非公開になります。

 今回はこの「混沌の惑星」シリーズの作品世界をご紹介します。

作風=海外翻訳小説×昭和の少女漫画

 作者の創作物に影響を与えているのは主に1980-90年代の日本の漫画・小説、および過去から現在までの海外翻訳小説、外国映画、海外ドラマです。早川書房(名指しっ!笑)のSF・ファンタジー系小説、海外翻訳小説、昭和の白泉社(またまた名指しっ!笑)の少女漫画などが好きな方に馴染みやすいようです。これは意図的にそのような作風を狙った訳でも、このような傾向があると自覚していた訳でもありません。読んだ方に指摘されて初めて気づいたことです。
 最近では自分の作風を「海外翻訳小説×昭和の少女漫画」と紹介しています。海外翻訳小説を沢山読んできたので、文章が影響を受けているようです。関係代名詞を直訳したような文章は使わないよう心掛けているのですが……それでも癖が出てしまうようです。文章や扱うテーマは海外翻訳小説の影響を受けているのですが、ストーリーは昭和から平成初期の少女漫画の影響を色濃く受けています。
 「なにそれ? 一体どんな作品!?」と思われた方は是非「混沌の惑星」シリーズをご一読ください。きっと懐かしい気分を味わえると思います・笑。

ジャンル=ロマンSF

 「混沌の惑星」シリーズのジャンルは「なんちゃってSF」と思っていたんですが、お付き合いのある書き手さんが「ロマンSF」という言葉を紹介くださって以来、気に入って「ロマンSF」を名乗っています。
 一番最初はファンタジージャンルで公開していて、自分でもダークファンタジー作品だと思い込んでいました。ところが、読んだ方から「この作品はSFではないですか? 少なくともWEB小説に於けるファンタジー作品ではないと思います」という指摘を受けました。私自身はこの作品で科学技術などを事細かに描写するつもりがなかったので、「これをSFといって良いんだろうか……」と悩みつつもジャンルをSFに変更した次第です。
 その後もこの作品のジャンルについて悶々としていたところ、前述の書き手さんから下記の言葉を頂いたのです。

『混沌シリーズ』の印象、『地球へ……』とかの女性が少女雑誌に向けて描いたSFコミックスに近いと思うのですよ。そういうジャンルがこちら(の小説投稿サイト)にはないので、どこにもなかなかカチッと嵌らない気がする。
女性向けのライトSFというか、ロマンSFというカテゴリが欲しいところ。山田ミネコとか萩尾望都が好きでした。ああいう独特の雰囲気を大事にするカテゴリーがあってもいいと思うのです。

 この言葉が自分の中でぴたりと嵌まって、今では「混沌の惑星」シリーズのジャンルを「ロマンSF」と定義しています。科学や機械の細かな設定に凝るというよりは、特定の世界設定の中でそこに生きる人々に焦点を合わせたファンタジー色の強い物語です。
 但し書籍化に向けて改稿する中で、作品のSF度は上げました。当初は設定を細かく作り込むより、少し不思議曖昧な雰囲気を残しておきたい気持ちが強かったのですが、「本」という形を目指す中で、作品の完成度を高めたいという思いが勝ったからです。書籍版の「混沌の惑星」シリーズのジャンルは間違いなくSFといえると思います。

設定

混沌エネルギー
 「混沌の惑星」シリーズは人類が移住した架空の惑星を舞台にしています。この惑星には大気や水、土に至るまで、ありとあらゆるものにエネルギーが宿っています。全く予測不能のエネルギーであるため、人々はこれを「混沌エネルギー」とか「カオスの力」と呼んでいます。 

先住民
 人類が移住する以前にこの惑星に生命体は存在しておらず、莫大なエネルギーが循環するだけの星でした。そこへ、まず先住民の祖先である初期移民が移住してきます。彼らは多くの動物や植物を地球からこの惑星へ伴ってきました。初期移民と彼らの連れて来た動植物は混沌エネルギーにDNAを傷つけられ、遺伝的変異を繰り返すことで惑星の過酷な環境に適応していきます。

都市人
 初期移民の移住から数百年後、都市人の祖先である後期移民が惑星に移住します。彼らは発達した文明を惑星に持ち込み、地球環境に近い人工都市を築き上げます。8つの巨大都市〈ドーム〉と43の中小都市衛星都市サテライトです。都市人は都市の外の世界を〈カオス〉と呼び、そこで暮らす先住民を突然変異の野蛮人だと思い込んでいます。

ティエラ教義
 惑星にとって異物ともいうべき生命が生き延びる方法を模索するため、先住民は惑星のありとあらゆる事象について学び、人類を含め全ての生命が惑星環境と調和を保って生きる道を求める学問体系〈ティエラ教義〉を生み出します。総本山はティエラ山にあり、本院と呼ばれています。

ストーリー

 シリーズ第一作「黎明の学師」の販促チラシに書かれている作品紹介の文章を抜粋します。

遥か未来、あらゆる物質に混沌エネルギーと呼ばれるエネルギーが宿る惑星。
ティエラ山に二年ぶりに帰ってきたティエラ教義の学師・エドガルドは天才学師アダンの〝再来〟と噂される新人学徒・ナサニエルと出逢う。
ナサニエルが経歴を偽りティエラ山に潜入していると疑うエドガルドだったが、棒術の教練を通じてナサニエルに対し理屈抜きの信頼を覚えるようになる。
二人の過去が明らかになるにつれ、止まっていた〝時〟がゆっくりと動き出すーーー。

販促チラシ

 「黎明の学師」の前身「ティエラ山篇」の、小説投稿サイトNOVEL DAYSに掲載されている作品紹介です。

凄惨な過去を生き延びたティエラ教義の学師エドガルド。深い闇と孤独を抱えて生きる都市人の学徒ナサニエル。ティエラ山での出会いが、二人の運命を大きく変えていく。
〈あらすじ〉
あらゆる物質にエネルギーの宿る惑星。そこには、初期に移住し惑星本来の環境下で暮らす先住民と、数百年後に移住し地球環境に近い人工都市を築いて暮らす都市人がいる。
過酷な惑星環境で生き延びるため、先住民はこの星のあらゆる物事を探求し、人類との調和の道を探る学問体系「ティエラ教義」を生みだした。その総本山であるティエラ山に二年ぶりに帰ってきた学師エドガルドは、「アダンの再来」と呼ばれる学徒ナサニエルに出会う。
彼は過去を偽りティエラ山に潜入している都市人だと疑ったエドガルドは、自らの目的のため、ある作戦をナサニエルに持ちかける。
エドガルドが生き延びた過酷な経験、ナサニエルの抱える秘密と孤独とは・・・!?

 物語の主人公は先住民エドガルドです。
 「黎明の学師」は長いシリーズのプロローグ的な作品に当たり、ティエラ教義学師であるエドガルドが二年ぶりに故郷のティエラ山へ帰り、都市人学徒ナサニエルと出逢うところから物語が始まります。
 エドガルドナサニエルは二人とも何らかの秘密を抱えています。この秘密を少しずつ紐解いていく、軽い謎解き仕立ての物語になっています。

頂いたレビュー

 小説投稿サイト公開時に「ティエラ山篇」に頂いたレビューを転載します。作品の雰囲気がよく伝わる素晴らしいレビューで、非常に光栄に思っています。
(*レビューを下さった方の了承を得た上で転載しております。)

世界観重視のファンタジー
重厚なストーリー、そして、ち密で硬い文体。 一見すると、とっつきにくく感じるでしょうが、主人公とストーリーにはマッチしてます。 ファンタジーのテイストもありますが、れっきとしたSFです。佐藤史生の「竜の夢」などにも似た理論的な世界観、その中に生きる人の感情が生々しい。感情の起伏があまりなく、物静かな主人公の身の内に抱えた傷と決意、ストーリーを追う毎に明らかになります。 これは素晴らしい。 是非、多くの人に読んで欲しい。
キャラそれぞれに行動が理念に基づくものであり、それぞれの指針と大義が明確な一本芯の通った人間です。それらが交錯しあい齎す悲喜交々が堪能出来る作品でもあります。
(海乃 眞 様)

重厚で良質なSFファンタジー
中編ほどの物語ですが、まるで長編小説を読み切ったときのような満足感がありました。Web上で文章・世界観ともにこれほど緻密な作品に出会えるとは思っておらず…… 内容としては8章あたりからいよいよ辛くなってきましたが、ページを捲る手は止まらず。読んでいく上での切ない息苦しさはなかなか簡単には味わえないものです。 主要人物の誰もが心身に傷を負いながらも生きているということ自体に希望を見出さずにはいられません。そして、そこはかとなく感じるブロマンスの香り。この先どうなるのか、第二篇も楽しみにしております。
(紅屋 楓 様)

おわりに

 冒頭で紹介した通り、「混沌の惑星」シリーズは個人出版へ向け準備中です。個人出版への道のりを紹介した以下の記事も併せて読んで頂けると幸いです。

 また個人出版を目指す創作仲間と「プロメテウス文藝部」なるものを立ち上げました。紹介記事はこちらです。

 そのうち作品に込めた想いなんかも記事に出来たらと考えています。
 ここまで読んで下さりありがとうございました。

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