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日本が良くなる本当の理由

日銀が発表した2023年12月の実質輸出は、2002年以来最高の水準でした。大事なことは、リーマンショック直前のピークであった2008年3月の水準を5パーセント以上上回っていることです。

為替の影響を除く輸出の数量がピークを越えたということは、日本の輸出は、過去ピークにおいて生産した量を上回る生産をしていることになります。つまりこれまで以上にヒト・モノ・カネが必要になってきているのです。ドル高円安になって輸出額が増えても、輸出する数量、例えば箱の数が少ないままではヒト・モノ・カネは余ってしまいます。

アベノミクスでドル高円安になっても生活感覚として経済が良くならなかったのは、企業にとってより多くの生産の必要がなかったからと言えます。それに対して、今回のコロナ禍からの回復では、アメリカはじめ世界の消費が好調となり売上げが増えるので、賃金を上げてでも人を雇い、人が足りなければ機械設備を増やし、おカネを借りて金利を払っても設備や人を増やすほうが儲かることになります。つまり、ヒト・モノ・カネが余剰から不足になり、売上増加、賃金上昇、設備投資増加、金利上昇と株高が同時に来る可能性が高まっているのです。

円安での株高は、本当に強い好循環が実現する日本経済の姿とは言えません。日本は輸出の高水準での維持・継続とコロナ禍からの急速な回復の二つが同時に起きており、雇用調整をせずに耐えてきた日本が景気悪化時に余剰になりやすい体質を改善する千載一遇のチャンスなのです。積極的な企業行動を期待します。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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