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フランスのスリ・路上詐欺情報まとめ

(最終更新日:2024年3月21日)
今まで筆者はスリ被害に遭ったことはありませんが未遂はあります(2回)。
2回とも前回の留学時で、その頃はまだスリの見た目の特徴などについての知識が今ほどなかった頃でした。
今、パリで生活していますが、かなり見分けられるようになり、駅でスリを見かけたら彼らを避けて地下鉄や電車に乗るようになれました。

「〇〇(特定の民族を示す言葉)のスリには気をつけて」とネット上では書かれていることが多いですが、初めてフランスに来るときは、ぶっちゃけ誰がその民族に該当するかなんて見た目だけでパッと判断できる人は多くないのではないでしょうか。

なのでこの記事ではそういったものに頼らなくても見分けられる情報を提供できればと思っています。
結構詳細に書いて長くなってしまったので、
「全部読む時間ない!」「興味ないところは飛ばしたい!」
という方は、以下の目次から読みたい箇所をクリックして飛んでみてください。


↑ちなみにインスタもやっているので良かったら覗いてください。
フランスの美しい景色などを載せています。

地下鉄・駅でのスリ

スリの特徴

①(恐らく)10代の子供
②大きめのショルダーバッグorリュック(大体中身スカスカ)を持っている
③大体複数人でいる

②のショルダーバッグはこんな感じ↓

まさにこんな感じの大きめのショルダーバッグを持っていることが多いです。

↑ポイントは「大きめのショルダーバッグ」です。
盗んでいる手元を隠すために大きめのものを選んでいると思われます。
この「ショルダーバッグ」を私は「スリの制服」だと思っています。

インスタグラムではたまにスリの犯行現場の動画が掲載されていることがあり、その動画を色々と見ている間に、高確率でこの鞄を持っていることに気づきました。

①②③の条件が揃っている場合はその現場からなるべく離れた位置から乗車するようにしましょう。(乗る直前にも後ろにそれっぽい人がいないか要チェック)

今までスリを見かけた場所📍パリ

見つけ次第随時更新していきます。(最終更新日:2024年3月21日)

・地下鉄1番線 Franklin D. Roosevelt駅:
5,6人のグループがベンチに座って会議→地下鉄が来たら観光客っぽい人の背後に並んでそのまま乗車(その後恐らく犯行)

・地下鉄12番線 Concorde駅:
3,4人のグループが電車を待っている人の後側で待機し、フランス語ではない言葉で仲間とコミュニケーションを取ってました。
この日はちょうど、コンコルド広場のパブリックビューイングでラグビーワールドカップの試合が上映されていたので、いつもに増して人が多いときでした。それを狙った犯行だと思われます。
ちなみに駅のホームには地下鉄のスタッフが複数人いて、「スリに注意してね〜」と電車を待っている人に声かけしていました。
恐らくスタッフも誰がスリかは分かっていたようですが、スリの集団に「ここから出ていきなさい」と警告するようなことはなかったです。

・RER A線 Charles de Gaulle - Étoile駅:
2人組のスリが電車に乗ろうとしている人の後ろにピッタリくっついて乗車していました。

・地下鉄Charles de Gaulle - Étoile駅:
私はここでスリ未遂に会いました😵
〜一部始終〜
地下鉄に乗っている間はリュックを前に背負っていて、降りてからは背中に背負っていました。
彼と2人でいたので安心してしまっていて、改札前に自分のリュックを見るとチャックが全開!😵
大事なものはリュックの底に入れて、その上に小さな鞄をかぶせて入れてスリが取りにくい構造にしていたおかげか、何も盗まれずに済みました。

地下鉄の改札を出るまでは安心してはいけないなと思わされました。

・地下鉄8番線 (確か)École Militaire駅:
地下鉄に乗車した時、私の後ろにいた観光客カップルを狙って2人組のスリも乗車→乗車後観光客カップルに話しかける(背の高い男の人に「You're tall」などと言っていました)。恐らく気を逸らして何かしら盗もうとしていたのだと思います。

・地下鉄12番線 Saint-Lazare駅:
地下鉄から降りるタイミングで私のことを押し退けて降車していました。
降りた後すぐに仲間と合流してフランス語ではない言葉で話していました。
この時は盗むというより、早く電車から降りたがっているようでした。
(「12番線ではあまり収穫がないから他の線に乗り換えるのかな?」なんて思いました。)

・RER A線 Les Halles駅:
朝10時前ごろにホームで電車を待っていたら、駅に着いたRER A線の電車からスリのグループが降りてきました。Les Halles駅はかなり大きい駅なので、この駅を中心にスリをするのだろうなと思いました。
RER A線のLes Halles駅のスリのグループが一般人に動画を撮られ、SNSにあげられているのを見かけます。


特に注意すべき路線📍パリ

個人的には地下鉄1番線です。
なぜ特に注意すべきか。
一度地下鉄1番線が停車する駅を見てみましょう。

小さくなってしまうので見にくいですね😅

この路線には観光地に直接つながる駅が沢山あります!
・凱旋門:Charles de Gaulle - Étoile駅
・シャンゼリゼ通り:
George V駅、Franklin D. Roosevelt駅、Champs-Élysées−Clemonceau駅
・コンコルド広場&チュイルリー公園:Concorde駅
・チュイルリー公園:
Tuileries駅
・ルーブル美術館:
Palais Royal - Musée du Louvre駅
・マレ地区:Saint-Paul
・バスティーユ広場:Bastille駅

他にもChâtelet駅は沢山の路線(シャルル・ド・ゴール国際空港につながるRER B線など)が通っているため、乗り換えでよく使われる駅です。Gare de Lyon駅はTGV(日本で言う新幹線的なもの)の発着駅です。そのためGare de Lyonを目指して1番線に乗る人、Gare de Lyonからパリ中心部を目指して1番線に乗る人が多いです。

こんな感じで1番線はとーーっても観光地が多く、主要な乗り換え駅もあるので、その分スリも多い考えられます。乗るときは十分に注意しましょう。(もちろん他の路線にもいるのでいつ何時も要注意です。)


今までスリを見かけた場所📍リヨン

・フニキュラー(という名のケーブルカー)の駅
ここでも未遂に遭いました。

フニキュラーはリヨンの高台に行くためのケーブルカーで観光客がよく利用します。
〜一部始終〜
私はリュックを背負って母と彼と3人でケーブルカーを待っていました。
ケーブルカーに乗ると、別の入り口から乗ってきた10代っぽい女の子たちが私の進路を塞ぎ、後ろからも別の女の子に塞がれ私は身動きが取れない状況になりました。

「ん?なんで前に行かないんだ?」と思ってる間にリュックに手を入れられ、後ほど席に座って荷物を確認すると、イヤホンを入れたポーチと薬を入れたポーチが引き抜かれていました😭

「絶対この子たちがやったやん」と思っていた矢先、
「下に落ちてたよ」とその2つを返してくれました。
「金目の物じゃなかったら返してくれる」というなんとも珍しい(?)パターン。

スられたという事実にその日はしばらくショックでしたが、まあ何も被害がなくて良かったです。

リヨンはパリに比べてだいぶ小さな街ですが、それでもスリはいるので、もしリヨンに行く場合は気を抜かないように気をつけましょう。
(私の友達もリヨンでスリに遭った人がいます。)

・道端×3回
スられた人がスッた人を追いかけてる場面に3回も出くわしました。
川辺で2回、街中で1回です。
どういった状況で盗られたのか分かりませんが、外でも盗られることがあるんだと勉強になりました。
(もしかしたら、スマホを片手で触ってぼーっとしていたところを盗られたのかな〜なんて思いました。)

その他(地下鉄関連)

フランスの地下鉄に乗っていると(恐らく)ドラッグをやって精神状態が異常になっている人が乗ってくる場合があります。その場合は車両を移動しましょう。


路上詐欺&その他スリ

ミサンガ売り

場所:サクレ・クール寺院の正面の麓にいます。

手口:勝手に腕にミサンガを巻き付けて、しまいにはミサンガ代を要求されるそうです。
一度この手に引っかかっている子供を見かけました🥺
子供を狙うなんて卑怯🥺(親が払うしかないやん🥺)

対策:もしミサンガを売っている人を見かけたら早歩きでその場を離れましょう。
話しかけられても応じないようにするor「No!」とハッキリ言って立ち去るのが1番です。

イカサマ賭博

場所:観光名所の近く。私はエッフェル塔の近くで見ました。

手口:私が見たのは、複数あるカップに隠されたボールの位置を当てるようなゲームでした。
ディーラーが伏せた複数のカップに1つボールを入れてシャッフルする→プレイヤーがボールの位置を当てられれば買って賞金をもらえる、みたいな感じです。
大体サクラが複数人いて、その人たちは大勝ちし、サクラじゃない人がやると必ず負けて賭け金を没収されるシステムです。
サクラが勝ってしかいないので「自分も勝てるかも」と思って賭けてしまう観光客がいるみたいです。

対策:近くで見ていると誘われてしまうので、もし気になったら遠目で観察しましょう。(初めて見た時は興奮しました!「これ、聞いたことあるやつ!」みたいな笑)

署名詐欺

場所:観光地の近く。今まで見かけたのはサクレ・クール寺院前の階段、コンコルド駅の出入り口です。

手口:署名をさせて、お金をもらうorターゲットが署名をしている間に鞄などを開けてものを盗む、といった手口です。
書いていると両手が塞がる&手元以外に注意が行かなくなるので、盗む側にとってはとっても仕事がしやすい状況。

対策:ニコニコしながら署名して〜と寄ってきますが、極力目を合わせず無視しましょう。何か言われてもキッパリ「NO」。
大体1人ではなく複数人います。

その他

場所:カフェやレストラン

手口:テーブルの上にあるスマホや財布などの上に地図や紙をかざして「これが分からないから教えてほしい」と言ってくる→相手が紙に気を取られている隙にスマホ等盗む

対策:テーブルの上に大事なものを置かない

スリ対策

服装

・チャック付きorカチッと留められるタイプの鞄
→おすすめはショルダーバッグ。
リュックでも良いですが、背中で背負うのではなくお腹で側で背負う方がスられるリスクが減ります。

→パッと見てブランド物だと分かる鞄は避けた方が吉かも。
日本と比べてフランスではパッと見てブランド物だと分かるものを持っている人が少ないです。
もちろん気をつけて行動すれば何を持とうと自由なんですが、やっぱりアジア人×ブランド物だと「お金を持っている狙いやすい人」と思われてターゲットにされやすいのではないかと私は思います。
(もし移動が全部ハイヤーなのであればブランドものを身につけても問題ないと思います。)

・財布
財布は「ブランド物じゃない方が良い」という意見もありますが、財布に関しては別に大丈夫じゃないかな〜というのが私の見解です。
地下鉄や道端で財布を広げなければ誰がどんな財布を持っているかなんてスリ側からは分かりませんしね、、、

でもブランド物の財布を盗られるのはショックが大きいと思うので、盗られる場合を考えて「盗られてもショックが少ない財布(どんな財布やねん)」を持つ方が良いかも。(どっちやねん)

フランスはクレジットカードを使えるところが多いので、財布に入れる現金を最小限にしておくと、スリ被害に遭った際に被害を抑えられます。

ちなみにスキミング防止機能付きのウエストポーチなどもあるので、そういうのにクレカや大事なものは入れてお腹に巻き、鞄に入れる財布には現金を少しだけ入れるようにしておくと確実に大きな被害は避けられると思います。

・着るもの
ぶっちゃけなんでも良いと思います。折角の旅行ですし、好きなものを着ましょう。

何を着ていても観光客は観光客だと分かってしまいます!「地下鉄の電車内でやたらと到着駅を気にしている」「路線図を見てフランス語以外の言語で話している」など、、、こういった行動から分かるので、着るものを気をつけるより、どういった行動をするかが重要なのではないかと個人的には思っています。


行動等気をつけること


・大事なものはポケットに入れない

・紙の地図を外で広げるのは控える

・歩きスマホ等、スマホに気を取られすぎない

・財布など大事なものは鞄の奥に

・鞄は前に持つ
↓こんな感じで鞄が体の前に来るように持ちましょう。

リュックの場合、地下鉄の駅に入ってから完全に地上に出るまでは後ろに
背負わずにお腹側に来るように持ちましょう。
赤ちゃんの抱っこ紐みたいな感じで。

  地下鉄で

・地下鉄に乗って席が空いていれば座る→空いていなかったら壁に背中を向けて立つ(背後の死角をなくす)→壁際のスペースもない場合は鞄に注意して立ったままでいる

・地下鉄等でドア付近にいる際、ドアの開閉時に気を抜いてスマホを触らない→ドアの開閉時にひったくられることがあるそう。

・地下鉄を待っているときは周りにスリっぽい人がいないか確認する
→見かけたらなるべく離れた位置から乗車
→もし一緒の車両に乗られそうになったらその場から離れて次の電車を待つ(パリの地下鉄はすぐ来るので一本遅らしても支障はないかと!)

  カフェ・レストランで

・テーブルに携帯や財布を置きっぱなしにしない

・鞄を体から離さない→「椅子や地面に置いていて、気づいたら盗られてる」なんてこともあります

・荷物で席取りしない

・荷物を置いたままトイレに行かない(友達と来ている場合は友達に荷物を見てもらいましょう)

もしスリに囲まれてスられそうになったら

・「ピックポケット!」と叫ぶ。日本語でもなんでもいいから叫ぶ
・周りの人に助けを求める
↑フランスの人たちは優しいので絶対助けてくれます。

旅行前に準備しておくと良いこと(主にスられた時用に)

・緊急連絡先のメモ(紙で)
以下の電話番号、メールアドレス等を紙にメモしておくと安心です。

ークレジットカード運営会社
ー加入している保険会社
ー現地の日本大使館・総領事館(所在地と最寄りの駅も)
ー航空会社
ー宿泊先ホテル(所在地と最寄りの駅も)
ー日本国内にいる家族
ー会社・学校等

・6ヶ月以内に発行された戸籍謄本(or抄本)を1部発行して持っていく
→パスポート紛失による在仏日本大使館でのパスポート再発行&「帰国のための渡航書」の発行に必要です。
※パスポート再発行の場合:戸籍謄本のみ受け付けているようでした。
※「帰国のための渡航書」を発行の場合:戸籍抄本でもOKでした!(住民票でもいけるみたいです)
→つまり、6ヶ月以内に発行された戸籍謄本(原本)さえあれば何かあった時に安心ということです。
↑上記の規定は変わる場合があるので、必ず大使館のサイトで確認してください!
※ちなみに旅券のコピー、運転免許証、保険証等では受け付けていないそうです(在仏日本大使館の場合)

・6か月以内に撮影された顔写真(縦45ミリメートル×横35ミリメートルでパスポート申請用の基準を満たしているもの)を複数枚持っておく(最低2枚)
→パスポート紛失による再発行時に必要です。
→パリにも証明写真機はありますが、探すのが面倒&お金を払っても撮影できない等のトラブルがあるので事前に準備していた方が安心です。

外務省の無料配信サービス「たびレジ」に登録しておくと旅先の情報をメールで受け取れて便利です。


独り言

よくフランスでスリを働いているのはロマ(ジプシー)だと言われています。
ジプシーという言葉は蔑称だと聞いたことがあったのでロマと言う方が適切なのかな〜と思っていたので調べてみたところ

マヌーシュが暮らすフランスでは、「ロマ(フランス語ではロムと発音する)」はあくまでジプシーの一下位集団名という位置づけで、とりわけ近年では、共産主義体制崩壊後に中・東欧諸国からフランスに流入し、外国籍移民として暮らす特定の集団を指すようになっている。こうしたことから、数世代にわたりフランス国民である、マヌーシュやジタンなどの下位集団に属すフランスのジプシーは、「ロマ(ロム)」と呼ばれることに対して強い抵抗感をもつ。以上の背景から、フランスでは、ジプシー当人たちのみならず研究者も「ジプシー」(Tsiganes/Gitans)という総称を用いている。

https://nichifutsu-socio.com/column/column-48/
左地亮子(国立民族学博物館)「No.48 フランスの『ジプシー』と『ロマ』」
2018年3月7日

↑こういった記述を見つけました。

どちらの名称にせよ、もうフランスでは完全に「ジプシー、ロマ=スリ、犯罪をよくする人々」といったネガティブなイメージが付いてるなぁと実感してます。。。

ジプシーの生活がどのようなものか気になるのでこの本読んでみたいです↓
日本に一時帰国した時に図書館で探す予定。


以上、想像以上に長い記事になりましたが、何かしらお役に立てれば幸いです。

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