【浪人時代】三浪した話

突然ですが、私は大学受験に3回失敗し3浪しました。
浪人の割合が気になったので調べてみました。
一浪は約20%、三浪は約3-4%

100人いて3人か。。
今思うとよく3年も同じことを繰り返したなと感心してしまいます。
今も勉強は好きですが、自分の勉強癖はここで身についた気がします。

でも、3浪が決まった時は自分がとても情けなくなったことを覚えています。浪人時代は3年間とも予備校に通っていました。学費は年間100万円。父親の稼ぎだけでは賄えず、母親もパートをして捻出してくれました。
でも、自分はというと浪人すれば、1年も勉強すればどこか大学に受かるだろうと受動的な姿勢で勉強していました。何かあればいつも誰かのせいにして、情けない20歳を過ぎているのに自立できていない自分。親の苦労も知らないで、授業もサボったり。今思えばなんて言葉にしていいか分からない。そんな自分に気付いたのも3浪した時。気づくのが遅せえんだよ。

自業自得だが、いつの間にか取り残されていた。友達は大学生になり、アルバイトをしたり、サークルをしたり先に進んでいる。高校を卒業して働いている友達もいた。でも自分は高校生でも大学生でも、何者でもない。20歳を過ぎて年金も払わない。

一浪目は受け身な態度で失敗。二浪目は一浪目の失敗を払拭したくいきなり目標を東工大などと自分の実力を見誤り、授業についていけず失敗。そして、三浪目自分が合格できる大学に合格した。

三浪が始まった時、授業を受け終わったときの一浪生の新鮮な目を横目に、1人虚しい気持ちに廊下の隅で空を眺めた。周りは友達を作り、勉強で切磋琢磨しようとしているが、自分は到底そんな気持ちにはなれない。友達を作る暇があるなら勉強しろよって。自分で自分に言い聞かせた。孤独にやっていくことを決意した。それでも、自分に話かけてくれて友達になろうとしてくれる人がいた。正直すごく嬉しかった。でもこれ以上後がないという気持ちでとにかく勉強した。というか本当にこれ以上はない。これ以上はダメなんだよ。

なんとか一年を乗り越えたが、第一志望の国立には合格できなかった。私立の理系大学には合格した。三浪して第一志望に合格できない自分がまた情けなくなった。3年もかけて自分に勝つことができなかったんだ。

そんな中、両親は自分のことを信頼し続けてくれた。お金を出し続けてくれた。3年で300万、400万なんてそんな簡単に出せる金額じゃないよ。なのに出してくれた。もう親には迷惑をかけないで生きようと決心した。

先の話にはなるが、大学は奨学金を借りて学費を払った。生活費は自分のアルバイト代を当てた。家に関しては祖父の空き家を借りて過ごした。奨学金を借りて遊んで暮らすような友達や留学する友達、いかにも大学生のような生活をする友達が多くいたが自分はもう親に頼ることをしないと決めた。親が自分を信じて出し続けてくれた学費で合格した大学。勉強をして、バイトをして、研究に明け暮れた。この話は長くなるので、また別の記事で書きたいと思う。自慢になってしまうのだが、研究成果が実り、奨学金は全額免除となった。

とにかく3浪したんだ。
恵まれたことだよ。浪人ができなくて就職を選ぶ人も、もう一年頑張ったら志望校に受かる人もいる中で3浪もさせてもらえた。自分への情けなさとともに親への感謝の気持ちでいっぱいになった。これからは親に頼らずに生きようって、自立して生きようって。20歳になってそう思ったこと自体遅いんだけど、ここから自分の中で生き方が変わったように思う。

当たり前だと思っていたこと。当たり前じゃないんだよ。家があって、机があって勉強できて、ご飯が食べれて、お布団で眠れる。浪人できることだって。当たり前だと思ってた。当たり前じゃないだろう。どんだけ迷惑かけて生きてんだよ俺って。情けなくなった。不甲斐なくなった。悲しくなって、悔しくなって泣きたくなった。何もできない自分、意思が弱い自分。いつも誰かのせいにして生きてきた自分。全部殴りたくなった。それと同じくらいの気持ちで自分は愛されてるんだなと感じた。その気持ちが大きくて、大きくて、家族の愛を感じた。一言では表せない。こんなに気持ちは大きいのに、それを表現できる言葉が見つからない。この家に生まれて来れてよかったなって。浪人のためにお金を出してくれたこと、毎日眠れる家があったこと、温かいご飯が食べれたこと、ご飯を用意してくれたこと、毎朝起こしてくれたこと、一緒に遊んでくれたし、キャッチボールもしてくれた。自分を見捨てないでいてくれたんだ。自分もこんな親になりたいと強く思った。

今は32歳になり社会人として働いている。自分が3浪した事実は変わらない。これからも。3浪したからこそできた友達も出会えた友達もいる。3浪して受かった大学にそのタイミングで行ってなかったら出会わなかった人もいる。結婚した嫁もその1人だ。親には迷惑はたくさんかけてきたが、そんな過去の自分を殴り倒す勢いで今を生きる。

P.S.
大学時の塾のアルバイトでは三浪した経験をもとに人気講師として無双した。




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