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徳島から和歌山まで船に載れば、無料で大阪に行けるとしたら

そもそも徳島と和歌山がフェリーで結ばれていることすら知らなかった私。しかもフェリーに乗ったら、南海電鉄にも無料で乗れるとしたら。

あるんです、そんな嘘のようなサービスが。それが、この「好きっぷ」。今回の旅行、このサービスがあることを偶然知ったことがきっかけと言っても過言ではなく。

徳島も和歌山も未踏の地だったので、いつかは訪れたいとは思ったものの、なかなかきっかけがなかったのですが。まさか両方楽しめて、さらに大阪までの電車代がタダになる手段があったとは。これを使わない手はなく。

ということで、1日目は飛行機で羽田→徳島、徳島で一泊して、2日目にフェリーで徳島→和歌山、さらに南海電鉄で和歌山→難波、最後は飛行機で伊丹→羽田というコースが決定。

この旅行のカギを握るのはやはり「好きっぷ」なのですが、気になっていた点がいくつかあったので、これから利用する方にも向けて個人的なQ&Aを残しておきます。

好きっぷで気になっていた点

①ネットで予約できるのか

通常の利用であればWEB予約ができて、しかも事前割もあるようなのですが、「好きっぷ」はWEB予約の対象外でした(WEB予約の注意事項に小さく載っていました)。

②クレジットカードで支払えるか

現金のみです。ただタッチ決済の「好きっぷ」もあるようなので、対応しているカードを持っている人ならこちらの方がよいかもです(私のJALカードSuicaはタッチ機能が搭載されておらず…)。

③フェリーと南海電鉄の乗り換えの間に、和歌山を観光できるか

今回一番気になっていたのはこの点でした。フェリー乗り場と南海電鉄の和歌山港駅は連絡通路で直結しているので、この切符を利用する人は基本的には直接乗り換えで利用します。

ただフェリーと南海電鉄の切符は別々です。そのまま南海電鉄に乗らず、和歌山市内を観光することは可能でした。

あまり推奨されている方法ではないとは思うのですが、そもそもこの方法だと、「好きっぷ」とは別に交通費を支払って市内中心部に移動する必要があるので、わざわざその選択をする人は少ないのかなと。

実際、和歌山港駅から路線バスでJR和歌山駅に向かいましたが、乗客は私含め二人だけでした(さみしい)。そして観光後には和歌山市駅から、好きっぷの切符で難波に向かうことができました。

④フェリー乗り場の到着が出発20分前で大丈夫か

今回は朝イチの便なので、出発は8時ちょうど。徳島駅からフェリー乗り場まで向かうバスが到着するのは7時40分。もっと早く着いた方が良いのではと心配しましたが、杞憂でした。そもそも乗船できるのが15分前なので、余裕です(あくまで徒歩乗船の場合ですが)。

⑤お腹が空いたらどうしよう

船内に売店があるという情報もあったのですが、空いていませんでした。パンやお菓子の自販機があるものの、あらかじめ買っておいた方が無難です。

いざ、出航です

前日の晴天が嘘のように、どんより空の徳島港。日差しがないせいか、風も冷たく。いつもならデッキで海を眺める自分も、早々に客室に退散です。

デッキから見た徳島は鉛色

客室は色々なタイプの座席があり、普通のシートやテーブル席はもちろん、パーテーション付のビジネスコーナーもあれば、寝転がれるじゅうたん席に、有料のグリーン席まで盛りだくさん。

そんな中から選んだのは、カウンター席。1席ずつの距離もほどほどに空いていて、コンセントもあるので充電可能。何より、船内でこんなに海が見られるシートは他にない。

海は見たい、だけど寒い(or 暑い)のはイヤという、わがままおじさんにはうってつけのシートなのです。

海とスマホとコーヒーと。

和歌山までの2時間を、この席で海を見ながら音楽鑑賞。北側のシートに座ったので、終始見えるは淡路島。曇天だった空も、少しずつ薄日が差すと、島の姿もおぼろげに浮かんで、春らしい景色。

夢か、うつつか、春の海

そんな景色を見ながら、大滝詠一の「スピーチ・バルーン」なんて聞いていると、このまま人生が終わってもよいかもなんて気分にさえ、なってしまったり。

イヤホンで耳が痛くなってきたころ、和歌山の港が見えてきました。あっという間の2時間です。フェリーを降りて、和歌山の街へ向かいます。

こんなにノンビリ楽しめて、さらに大阪までの電車代が含まれているなんて。もし、この地を訪れることがあったらぜひにでも。いや、フェリーに乗るために訪れるのもありじゃないかと。

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