家紋散歩案内人ナベ

仕事として30年、現役引退して趣味として10有余年。合わせて40有余年間、家紋に携わっ…

家紋散歩案内人ナベ

仕事として30年、現役引退して趣味として10有余年。合わせて40有余年間、家紋に携わって来ました。そのスキルを活かして、現在小江戸川越及び狭山市にて家紋散歩案内人をしております。川越市、狭山市の家紋にまつわる話や歴史・文化を紹介します。小江戸川越観光協会会員 狭山市観光協会会員

最近の記事

家紋散歩 川越まつりに見る家紋色々

こんにちは。 家紋案内人のナベです。 「川越まつり」では殆どの人が山車の引き廻しを見物にいかれると思います。各町会から出る豪華な山車にどうしても注目が集まります。 そこで見てはいても、あまり注目されない各町会の会所に飾られている、幕や提灯に描かれている家紋にスポットを当てみました。 お祭りもこんな楽しみ方もありますので、ご覧ください。 独自紋とはオリジナルのデザイン紋、もしくは家紋帖のある紋の変形紋の事です。ですので家紋帖にはありませんので、地元の方の話などを参考に、私なり

    • 家紋四方山話(大河ドラマ・柴田勝家)【伝統文化】【日本の歴史】

      越後の上杉との戦いで、織田信長の弔い合戦に行く事が出来ず、 羽柴秀吉に敗れ北庄城を落とされた、悲運の柴田勝家。 そんな柴田勝家の家紋「柴田雁金」または「二つ雁金」とも言います。 雁をデフォルメした独特の意匠のこの「雁金」紋は、伊勢長島藩主「増山正利」を始めとして多くの武家で使用されています。 その中で代表格は「柴田雁金」紋です。 この「柴田雁金」紋は一般的な「二つ雁金」紋と、少しだけ違いがあります。ドラマの中での指物旗では、殆んど解りません。 下図をようーく見て下さい。 上

      • 家紋遊備記(朝顔)【伝統文化】

        家紋帖散歩 こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 朝顔は源氏物語(二十帖)に光源氏が恋する女性の名がある様に、昔から歌に詠まれたり鑑賞として身近な花です。 しかし家紋としては花は朝に咲いて夕には萎む、短命ゆえに縁起が悪いと言う事で、江戸期までは使用家はありませんでした。 「朝顔」紋が出来たのは明治になってからと言うのが通説です。 浴衣の絵柄には良いかも知れませんが、家紋としては現在でも使用家は少ないでしょうね。 「朝顔」紋はこの様に写実的な紋様になっています。

        • 家紋四方山話(星)【伝統文化】

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 古代から人々は天に見える物に神が宿ると崇めて来ました。 それは家紋の中でも同じで、天体を意匠した紋が数多くあります。 北極星(三諦星)、オリオン座(三つ星)、北斗七星(七曜星)などなど、 星を意匠した紋も数多くあります。 下図は紋帖にある「北斗七星」紋です。 天文学的には何の参考にもなりませんが、先人達のロマンを感じて下さい。 柄杓の形をしているので「斗」の名がついたそうですが、「七剣星」とも呼ばれているようです。 こちらが一般

        家紋散歩 川越まつりに見る家紋色々

          家紋四方山話(鬼蔦)【伝統文化】

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 前回に続き「蔦」紋についてですが、今回は「鬼蔦」紋についてお話しします。 植物学的には鬼蔦は存在しません。 家紋の中での意匠です。葉の先を尖らして鬼葉としています。 この鬼葉や鬼花びらは蔦紋以外にも数種あります。 鬼の魔除けや強さにあやかって使われたのでしょうね。 鬼蔦という蔦の葉は存在しませんので、できるだけ葉の先が尖ったいるのを選んで鬼蔦として、遊んでみました。😅 これは料理屋さんの暖簾です。 非常に珍しいですので紹介しまし

          家紋四方山話(鬼蔦)【伝統文化】

          家紋四方山話(蔦)【伝統文化】

          建物の壁を緑で覆う蔦は、暑さ除けに効果があるそうです。 蔦が絡まる街角のカフェ。そんなイメージを描く方も多いのではないですか。 この絡まるが江戸時代の花街で、お客を絡めるという事で「蔦」紋が多く使われたようです。 ただ時代劇の風景には、蔦が絡まる家は殆んど出て来ないですね。 その「蔦」を実物と家紋と並べて遊んでみました。 「蔦」紋は歴史上では、それ程多くの使用家はありませんでした。 下図はその代表的な使用紋です。

          家紋四方山話(蔦)【伝統文化】

          家紋四方山話(傘)【伝統文化】

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 今日は朝から生憎の雨ですね。今日一日降りそうです。 差す傘によって気分は違います。 江戸町民もこんな粋「傘」の家紋を作りました。 そんな笠の家紋に色を付けてみました。 憂鬱な気分が少しでも和らげば幸いです。 余談ですが、男性用の傘はどうして暗くて地味は色ばかりなのでしょうか。 このノートのクリエーターの皆さんはどう思われますか。 ジェンダーレスが叫ばれている世間で、生活の中の色はまだまだ男色女色が多いですね。

          家紋四方山話(傘)【伝統文化】

          大河ドラマ家紋散歩【伝統文化】長篠城陣旗

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 先日の大河ドラマ中に出て来た、長篠城中の陣旗についてお話します。 世間の話題はもっぱら「鳥居強右衛門」の事のようです。 ドラマ中に出て来たこの旗はいったい何なのか。 私なりに色々と調べてみましたが、何処にも見当たりません。 長篠城で貰える御城印に似てはいますが、同じではないです。 そこで長篠城址史跡保存館へ問合せをしてみました。 ※この旗の意匠は現存するものなのか。 ※この旗の意匠に関する歴史的資料は保存館にあるのか。 ※この旗を作

          大河ドラマ家紋散歩【伝統文化】長篠城陣旗

          六月は牡丹【伝統文化】家紋散歩案内

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 六月は花札も牡丹です。 そこで花札の絵を家紋風に作ってみました。 家紋帖にある紋図をばらして組み合わせました。 牡丹に胡蝶に雲です。 笑って見ていただければ幸いです。 私の家紋帖には「牡丹」の紋図が「花札牡丹」も入れて173種程あります。 下図はその中で「牡丹」紋の代表的な紋図です。 その細かな作図に、先人の絵師の心意気が伝わって来ます。

          六月は牡丹【伝統文化】家紋散歩案内

          狭山家紋散歩2【狭山市の伝統文化】

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 十三夜・十四夜・十五夜・十六夜・十七夜・十八夜・十九夜・ 二十夜・二十一夜・二十二夜・二十三夜・二十六夜 月齢の日です。この内特定の月齢日の夜に集まり、お経を唱えて悪霊を追い払い「五穀豊穣」や「子孫繫栄」などを祈願する行事で「月待」といいます。そしてお経の後は宴を開きます。 その中で全国的に多い日が二十三夜です。この図はその月待二十三夜塔です。二十三夜は月の化身である「勢至菩薩」にお経を唱えます。 狭山市の曹洞宗長源禅寺の境内にあ

          狭山家紋散歩2【狭山市の伝統文化】

          大河ドラマ家紋散歩【日本の伝統文化】

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 大河ドラマで、見出し図の「三つ葵」と一緒に馬印旗が出て来ました。 ドラマの中ではほんの一瞬でしたので、見逃した方も多かったのではないですか。 下図がその徳川家康を代表する馬印の旗です。 これは三河国松平家菩提寺、浄土宗大樹寺の住職登誉天室が書いたと言われています。浄土宗の教えです。 これからはドラマの中でも多く出てくると思います。 家康がこの教えを背に天下統一を目指して進むのですね。

          大河ドラマ家紋散歩【日本の伝統文化】

          大河ドラマ家紋散歩

          こんにちは。 家紋散歩案内人のナベです。 大河ドラマ見てますか。 浅井・朝倉との戦いは消化不良のような状態で過ぎてしまいました。 次なる舞台は武田信玄との戦いになりました。 そこで出て来たのが、「百足」の指物旗の侍です。 ドラマの中でもとても目立ちますね。 彼らは「百足衆」と呼ばれ、武田軍の使番衆として名誉ある役職でした。 今で言うと情報部員というところですかね。知力武力体力に秀でた侍が選ばれたのです。指物旗を付けている侍はさしずめ将校といったところです。 百足は後退はしま

          大河ドラマ家紋散歩

          狭山家紋散歩1

          こんにちは。 狭山家紋散歩案内人のナベです。 埼玉県狭山市柏原にある、真言宗霊雲寺派西浄寺を紹介します。 お寺の概要歴史は下図を参照して下さい。 現在真言宗は50程の派があるそうです。 霊雲寺派はその内の一派です。東京に本山があるのは珍しいですね。 本尊は大黒天。「出世開運」「商売繫盛」「五穀豊穣」等々ご利益のある神様です。 元々はヒンドゥー教の神「シヴァ神」の異名で、マハーカーラ(魔訶迦羅)が仏教に取り入られたと言われています。 「魔訶般若波羅蜜多心経」に通じていますね。

          小江戸川越家紋散歩案内9

          こんにちは。 小江戸川越家紋散歩案内人のナベです。 今日は小江戸川越街中にある神社にあしらわれている、「宝珠」紋の マップを作りましたのでここに掲載します。 在り来たりの観光ではない、街歩きをしたい方。 小江戸川越の知らざる魅力を探索してみたい方。 こんな街歩きはいかがですか。 「宝珠」とは何か。 マップは大まか場所を標てあるだけです。 探しながら行くのも楽しみ一つですね。 何か新しい発見があるかも知れませんね。 「家紋おじさん」として鍛冶町広場入口に居る時に(不定期)

          小江戸川越家紋散歩案内9

          小江戸川越家紋散歩案内8

          小江戸川越家紋散歩案内人のナベです。 川越市内には国、県、市指定の有形文化財が多数あります。 その建物の構造や歴史等は、専門家にお任せして、 私は建物にあしらわれている家紋についてお話しします。 有形文化財にはランク付けがありますが、ここ大澤家住宅は国の指定です。 小江戸川越観光に来られる方は、殆んどの方が見て行かれると思います。 しかし暖簾や屋根にあしらわれている家紋について、説明を聞かれる方は殆んどいないと思います。そのような方の為に参考までに。 「丸に木瓜」紋は大澤

          小江戸川越家紋散歩案内8

          家紋四方山話 源氏香

          小江戸川越家紋散歩案内人のナベです。 今日は家紋の中の「源氏香」紋についてお話ししましょう。 見出し図にある図は、香木を意匠したものです。 この香木を縦に五本並べて、源氏物語の五十四帖になぞられて五十四種の意匠図があります。 この香木の並びと源氏物語の何帖かを答える遊びとして、江戸時代に考えられたされています。 そして「源氏香」紋の内で幾つか、絵が意匠されているのがあります。 下図がその内の一つです。 「源氏香」紋、実物で作るとどうなるか。 板は香木ではありませんが、梅は本

          家紋四方山話 源氏香