アイデアを出すための思考法

アイデアってなかなか出ないと思っていませんか?

でも、世の中にはアイデアマンと呼ばれる人がいます。あなたの回りに話をしていて、何かどんどん色んなことを思いついて発言する人っていませんか?

そうかと思うと、若いんだから、頭が柔らかいんだからアイデア出してよ、なんて若手に言っても、なかなか意見が出てこなかったりします。

技術開発の仕事を永年してきて、自分のこと、周りの人たちのことを振り返って考えてみて、私は、頭を柔らかくしてアイデアを出すためには、そのための思考法があるのだと思っています。(仮説)

それは、本質力と抽象化力です。

本質力というと難しく聞こえますが、簡単に言うと「なぜなぜ」と事実を深堀する能力、あるいは脳力です。

一つの事実を表面だけで捉えて思考が停止するか、さらに深く広く考えるかどうかです。性格的な要素もありますが、これは鍛えることが出来るのと、実はチームワークや仲間との会話、上司と部下とのやりとりで、この力を強めることができます。

しつこく考えること。事実に対する他人の意見を聞いて、さらに考えを深められることって、気づかないけど良くあることだと思うのです。その他人からのヒントに気づくかどうかは、脳がその準備をしているかどうかなのですが、思考を止めない癖によって、気づく力をアップできると思っています。

また、抽象化力は、目の前にある事実を俯瞰してみる力なのですが、近視眼的なものの見方と、高い視点から見ることの切り替え、つまり視点のレンズをハイスピードで切り替える力なのだと思います。

視点の高さを変えて、高い所から、今いる自分の領域と全く異なる領域からアイデアを借りてくる力が重要なのです。(このとき、異なる領域に関する知識もないとアイデア発想につながらないということはあります。)

さらに、俯瞰するというだけでなく、自分事の視点と、他人事の視点を切り替えることでも、アイデアを出す力を強めることができると思っています。

マーケティング能力を考えるとき、対象となる顧客の立場になりきって物事を考える力が問われるのと同じように、アイデア発想においても、製品を作る立場から、顧客側の立場に移ったり、戻ったりする思考の柔軟性を養うことで、アイデアが広がっていくと思っています。

本質力と抽象化力については、もう少し深い洞察もあるのですが、今回はアイデア発想力を高めるためのヒントを見つけるということで、ここまでにしますが、ここで、私の仮説を試してみた実験についてお話しします。

私のクライアント企業で思考力、アイデア発想に関する実験をするために、10人ほどのメンバーと以下の問題について議論をしてみました。

【問題】
あなたは、旅行代理店の経営者とします。
以下の事実から、どのような手を打ちますか?

1. 当社は、多数のホテルと大量の年間契約、さらに格安航空チケットを武器に低価格ツアーを投入している。

2. この5年間、海外渡航者の総数は伸び悩んでいるのも関わらず、ツアーの数は3倍以上に増えている。

3. かつてツアーの決定要因の1位は「低価格」であったが、今は5位になっていて、「食事やホテルの豪華さ」「日程のゆとり」「オプショナルツアーの豊富さ」などが上位を占めている

4. A社は、ビジネスクラスの航空券と5つ星ホテルの高額ツアーで、都心でシェアを伸ばしている。

5. 最近の当社のツアーの満足度調査では、ほとんどの項目で平均点という結果だった。

6. B社の、イタリアーフランスグルメツアーは、独身OLに爆発的な人気を呼んでいる。


この問題、あなたならどんな答えを出しますか?

クライアントでの議論の内容を簡単に紹介します。

最初に口を開いた人の意見は以下のようでした。
「すでに低価格路線に投資している以上、ターゲットを絞って低下価格路線を継続すべき」

次に口を開いたのは以下のような意見でした。
「いや、顧客の多様性が進んでいるのだから、A社やB社のように高級路線にシフトすべき」

さらに
「まずは、低価格が引き続き欲しい顧客が誰なのかを調べるべき」
「二極化した顧客層にそれぞれ対応すべき」

などの意見が続いた後、しばらくした後の意見はこうでした。
「いっそのこと、低価格をもっと進めてバックパッカーを対象にしたツアーを出してはどうか」

最初の2つの意見が、事実から直接導き出せるものだったのに対し、この辺で独自の考えに変わっていきます。

さらに、
「ホテルや飛行機などは拘らなくて、現地での旅の内容にもっとお金をかけたい人もいるのでは?」

「全体の予算に対する余裕はあるのだから、他社にない有効なお金の掛け方を提案したい。」

「今まで観光地の表面をなぞるような旅行ではなく、現地の裏まで見れるようなツアーを考えたい」

など、議論が活発化していきます。

6つの事実から、最初の意見は当たり障りのないものだったのが、他の人の意見を聞くうちに、頭の中で一つ一つの事実を自然と深掘りしていくようになったと、議論が終わった後に、参加者の皆さんは振り返ってくれました。

また、議論の中身をよくみてみると、参加者は、最初は旅行代理店の立場で考えていたのですが、実は話が進むにつれてどんどん顧客の立場に立った考えに変わっていっているのです。

これは、私自身も予想以上の結果だったのと、後で指摘してみると、参加者も感心していました。

これは、海外旅行という、多くの人にとって自分ごとで考えやすいテーマだったということもあるかもしれません。

また、これは参加者からの振り返りですが、最初の意見が出たときは自分も同じような考えで、あるいは少し違う意見でも、考えの視点は旅行代理店の立場であったものが、他の人の意見を聞くうちに、自分の中で考えが変化していったと振り返ってくれました。

実は、この実験を他のクライアントでも同様にやってみたのですが、議論の流れは同じようなものでした。

思考力、アイデア発想力は鍛えることができます。私は今後もこのことを実証していきたいと思っています。

興味のある方は、技術者のスキルアップ講座を訪問してみてください。




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kamonk

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