分解の建築「東寺の五重塔」は弱いから強いのかも

画像1 【巡礼日記の閑話休題】東寺の五重塔が一般公開されています。京都駅でバスを乗り間違えて近くに来たら、2022年3月18日まで中に入れる、と。弘法大師空海さんが1200年以上前に建立してから四回も火事で消失しているけれど、一度も倒壊してないという五重塔。平安京で最も古い遺構のひとつで、京都タワーがない時は、京都市内の少し高い所から見えたのは五重塔なんでしょうね。スカイツリーにも取り入れられたという(これは都市伝説なのか)、石場建ての構造で、真ん中を貫く「心柱」は石の上にトンっと乗っている造り。
画像2 地震の時には少しズレるが倒れはしない。一部を見ることが出来ました。さらに、階層の積み上げは、「軸」と「木組」と「軒」という3つの構造が、単純な木の凸凹の組み合わせや釘打ち程度で、ガッチリとは固められていない。地震のエネルギーが接合部で吸収され、振動は上にいくにつれて弱くなるとのこと。既に壊れているというか、分解間際のような柔らかい構造が故に、常に復元力が働いている。
画像3 これは、「郡上びく」と「白川郷」の合掌造りの構造を思い出しました。それらもエネルギーを逃しまくる構造で、魚が死なず、雪につぶされない柔構造。柔よく剛を制すというか、及ばざるは過ぎたるに勝るというか、のび太という生き方みたいな概念とか、なんだか日本古来の思想哲学には、強さよりも弱さに着目することで、逆に安定と平和を得る考え方が深く織り込まれているみたい。負けるが勝ち。急がば回れ。日本も世界と渡り合う時にもそういう感じでいくしか無さそうな昨今。ま、それが結局強いのかも。
画像4 さて、司馬遼太郎さんは京都に来て人と待ち合わせる時には、東寺の端っこにある「御影堂」で待ち合わせたと立て札がありました。
画像5 一度やってみたいものです。「じゃ、次の月曜の17時くらいに東寺の御影堂で!」と。
画像6 お遍路と空海さんの流れで投稿しております。四国遍路のガイドブックがもちろん東寺のギフトショップにありました笑「四国とスペイン巡礼日記」も半分まで来た。
画像7 四国とスペイン巡礼日記の後半を続けます。ひとりで歩いていましたがひとりではない小さな旅の物語。

頂いたサポートを誰かをサポートするエネルギーにして参ります。