海鞘(ホヤ)にはプラスとマイナスがある。
海のパイナップル。そう、海鞘(ホヤ)である。
海鞘の旬は初夏から夏にかけて。
美味しい時期は5月から8月のようである。
というのも、これまで海鞘をさばいて食べたことがなかったのだが、ついにそのときは訪れた。
海鞘をさばくにあたって、いちばん驚愕したのは、
「海鞘にはプラスとマイナスがある」という事実だ。
それは、ここです。
右がプラスで、左がマイナス。
海鞘には2つの突起があり、プラスは海の水を取り込む吸水孔。
マイナスは、体内の老廃物を出す排水孔。
それが、外から見るとプラスとマイナスのように見えるというわけ。
ドライバーかっ!
と、ひとりで海鞘につっこみを入れつつ、さっそくさばくとしましょう。
まず、はじめに切るのはプラスのほう。
さくっ。
そして、体内にたまっている海水をここから出す。
これは、海鞘水とも呼ばれ、ツウはこの海鞘水にちょいちょいと海鞘の刺身をつけていただくそうであるが、これを食するかどうかは自己責任のようなので、海鞘初心者の私は、無難に捨てることにした。
じゃーっ。
少し舐めてみる。
しょっぱい。海水である。
海鞘は、海水を取り込み、そこからプランクトンなどの栄養を吸収しているという。
ふむ。
次に、マイナスの突起を切る。
ここからは排泄物を出す。
いかにも排泄物っぽいやつが、とろとろと出てきた。
ここまでできたら、いよいよ分割です。
思い切りよく、縦半分に切りました。
これを流水で洗い、汚れっぽい部分は洗い流す。
左にあるのが、切った突起。
中央が殻。
右が身です。
この茶色い、脳みそみたいなところ。これは海鞘の肝で、ツウはここを好むという。ちょっとかじってみたが苦いので、海鞘初心者で軟弱な私は食べないことにした。
掃除完了。右上が肝。
海鞘のびろびろしたところを、洗いすぎたかもしれない。
ここが海鞘っぽい風味がするところだった気がする。
ま、気を取り直して。
刺身でいただきました。
自家製レモン塩ポン酢と、自家製しょうゆを用意。
どちらも合いますが、レモン塩ポン酢をくぐらせてから、しょうゆにつける、というダブル使いが、とても美味しかったです。
海鞘をさばけるようになったので、
これからは海鞘を食べる人生がはじまる気がしています。
食べられるものがひとつ増えると、人生の楽しみもひとつ増える。
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