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卵巣機能不全に近い状況からご出産されたご夫婦のお話

こんにちは。中医アドバイザー、鍼灸師の趙です。
今回、皆さんに紹介したいのは40代のご夫婦と二人三脚で子宝治療に臨んで成功した例です。

主役はNさんご夫婦、とても穏やかなお二人です。
私の漢方治療を受け43歳で妊娠、ご出産されていた大学時代の友人に、奥さんが同窓会で久しぶりに会ったときに紹介されたというのが来店のきっかけでした。

初めてお会いした時、特に不安がいっぱいで、表情も暗く見えました、漢方薬をすごく信頼しているというよりも、長い不妊治療を経験して、やれることをやり尽くしても結果に繋がらない無力さが強く、藁にもすがるような焦りを抱いている印象でした。
その時、Nさんは44歳、ご主人さんは47歳、既に不妊治療は3年を経過し、卵巣機能が著しく低下していて、AMHは0.1以下、FSHは平時でも20~40、高い時は73。都内のほとんどの不妊専門クリニックに受け入れられず、治療が拒まれて、やっと一ヶ所のクリニックに受け入れられましたが、排卵誘発剤を飲んでも注射をしても卵巣が反応せず、卵胞が上手く育たず、やっと採卵が出来ても途中で分割が止まってしまう状態が続いて、1個の受精卵しか凍結できず、かなり厳しい状況でした。年齢や卵巣機能を考慮すると妊娠の可能性が低い事、高齢妊娠のリスクも含め色々説明し、ご夫婦がちゃんと理解した上で、改めて漢方治療を試したいという結論に至りました。同時に相乗効果をはかるために、鍼灸治療もお勧めしました。こうして、Nさん夫婦との二人三脚の中医子宝治療が始まりました。

中医学的な観点から、Nさんの不妊原因は三つ考えられます:
一つ目は、加齢による腎精不足(卵巣、子宮、生殖能力の低下)、二つ目は、治療と仕事を両立して頑張っているストレスによる肝鬱血虚(自立神経の乱れと血行不良)、三つ目は、栄養不足による胞宮失養(卵巣や、子宮に十分な栄養を供給できていない)。
それを改善するため、疏肝養血、補腎填精、滋養胞宮の治療法則に基づいて、漢方薬を生理周期ごとにも調整し、さらに補腎の力が最大限期待できるよう動物性の薬も使わせていただきました。
妊娠するには、良質な卵子だけではなく、健康な精子も大切なため、ご主人さんにも体質に合わせて、漢方薬を使いました。ご主人さんはとにかく優しいお方で、いつもご夫婦一緒に相談に来られました。

漢方薬を飲み始めて、奥さんは疲れ、頭痛、頻尿などの身体の不調、ご主人さんは冷え、不眠、軟便などが少しずつ改善され、体調が良くなり、少し希望が見えてきたのか、奥さんの表情も少しずつ柔らかくなってきたのを覚えています。だが、ホルモン値の改善や、卵胞の成長はまだ思った通りに行かず、気持ちが落ち込む時期もありました。「あまりに辛かったら、治療を止めることも一つの選択肢ですよ、子供がいることは幸せの絶対条件ではないし、だから、子供を作るかどうか、いつまで不妊治療を続けるかはご夫婦で決めてください、大事なのは悔いが残らない事。ただ、お二人が妊活を続けたい限り、私達はずっと側で支えるから、一緒に頑張りますよ。」とお話しすることもありました。

それからも、中医アドバイザー、薬剤師、鍼灸師がチームで連携しながら、サポートに励みました。次第に、治療効果が現れ、ご本人の努力も報われて、ホルモン値が良くなりました。状態が良い時はE2-32.1 ,FSH-5.26, LH-0.38と理想的なホルモンバランスになることもありました。漢方薬と鍼灸治療してから 8ヶ月後、11ヶ月後1個ずつ採卵ができて、受精卵が計2個凍結できました。漢方治療を開始して1年8ヶ月後に無事に妊娠、妊娠中も漢方と鍼灸治療は継続し、妊娠中毒症も克服し、46歳で女の子をご出産、母子共に元気です。ご出産報告をいただいた時に、嬉しさはもちろん、ホッとした気持ちも正直ありました。

たくさんの不妊症相談を受けていて実際よく思うのは、ご夫婦の形というのは色々な形があるし、幸せの定義も人によって違うし、これが正しい人生だという正解はないなと思います。治療をやるかどうか、いつまでやるかを決める前に、よく考えて、やると決めた以上は、納得するまで続けてほしいと思います。先生との出逢いも一つご縁だと思います。ぜひ、みなさんも自分が信頼できる先生に出会って、良い結果が出ることを心より願います。


中医学アドバイザー 趙貞華
薬剤師 早川友樹

誠心堂薬局 池袋店
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