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生保に総合職で入社するのはおススメ?

初めに

私は新卒で日系の大手生命保険会社に新卒で入社し、その後、アセットマネジメント会社、上場事業会社、ベンチャー企業CFOと転職等をしてきました。
昨今は、生保や金融業界に対する様々な評価や議論が交錯、誤った情報や偏見も多々あると感じております。
この記事は、私の実体験をもとに生保の魅力や課題についてお伝えし、生保への入社を検討している方々の一助になればと思っています。

生保に総合職で入社するのは良いか

結論、生保に総合職で入社するのはおススメできます。セカンドキャリアやワークライフバランス、年収等、どれをとっても悪くないのと感じています。一方で、入社に当たって留意するべき点もありますので、それらについて詳細にお伝えします。

生保の総合職をおススメするポイント

①専門知識等のハードスキルを0から学べる点

生保会社は一般的に新卒入社の文化が色濃く、初めから専門人材を獲得しようという意識は無いです。裏返すと、入社後に専門知識を身に付けるという意識が非常に高くあり、私もそれを通じてキャリアの土台となる専門知識を獲得できました。
特に良かった点は、昇格に資格取得が必須であることです。
生保は年功序列で階段状の昇格になっており、入社3年・6年・9年等のタイミングで昇格しますが、各入社年までに特定の資格を取得する必要があり、継続した勉強を強いられることで、知識を獲得できます。
私もそれを通じて、日商簿記や証券アナリスト資格等を取得し、財務や金融の知識を蓄えていき、それを基にセカンドキャリアを築いています。

②WLBと給料のコスパが良い

生保会社で勤務する人たちの中で、生保はコスパが良いという話を良くしています。これは、WLBと年収のバランス感が非常に良いという意味です。この記事を書くに当たりヒアリングしてきたのですが、今の生保会社では、月の法定外残業時間は20時間1日1~2時間くらいしか残業しないとのことです。
その上で金融業界にいますから、やはり年収も非常に高くあります。2年目3年目で平均年収を超えて、30代では1000万を超えるような、まさに魅力的な年収水準があります。
恐らく、WLBと年収の均衡点がここまで良い業界はほとんどないのではないかなと思います。

③業務フィールドが広い

生保会社は、リーテイル・ホールセール・代理店営業・資産運用・IT・コーポレート・etc…本当に業務フィールドが広く、総合職はどのフィールドにも入れる可能性があります。
そのため、入社時点では何をやりたいかわからない人も、入社後にやりたいことを見つけられるケースが結構あります。

実は私もこのケースです。就活時点は、興味のある業務はなく、ネームバリューだけで応募しました。入社後に、資産運用領域に強く興味を抱き、そこに向けて希望を出したり勉強してきたことで、配属を勝ち取ってきました。

正直、就活時点で得られる会社の情報には限りがあるので、ひとまずは業務フィールドの広い会社に入るというのも悪くない選択肢だと思います。

生保の総合職で留意すべきポイント

もちろん生保の総合職は良いことばかりではありません。入社に当たってご留意いただきたいポイントを記載します。

①配属リスクが高いこと - 勤務地面

総合職で入社した場合、日本全国のどこで勤務するのか分からず、大きなリスクとして存在します。生保会社は日本各地に営業拠点を保有しており、総合職はその営業拠点で働く可能性も大いにあります。
私の同期で言えば、地方でも大丈夫と言っていた女性が、九州勤務となり、早々に退職したケースもありました。

②配属リスクが高いこと - 部署面

ハードスキルを養いにくい部署があることもリスクとして存在します。おススメするポイントで、ハードスキルを養える旨を記載しましたが、全ての部署に言い切れることではありません。
例えば私の同期のケースでは、営業社員(いわゆる生保レディ)を管理する部署に配属しましたが、やっていることはほとんど営業社員のご機嫌取りであり、成長する感覚は全くないと言っていました。
私自身も資産運用という、比較的ハードスキルを獲得しやすい部署に配属したからこそ、生保会社に入社したことを満足している節は否めません。

③社内向けの仕事が多い

生保会社では多くの業務が社内説明や社内調整に時間を取られ、スピード感を求める人たちには向いていない可能性があります。
生命保険というものはビジネスモデルがほぼ完成しているといっても過言でなく、このビジネスを円滑に回し続けることが生保会社の使命です。そのため、何をするにもリスクに大変敏感な会社になっています。
その結果、新規事業の立ち上げ時には、他部署・社内外役員・関連会社・etc…数多くの人に説明説明説明と社内説明が続き、スピード感があるとは言えませんでした。
また、社長や部長といった重役たちはスケジュールがかなり埋まっているため、日程調整だけで数日かかることなんてざらにあります。
スピード感やベンチャー感なんかに魅力を感じる方々は、性格が合わない可能性も大いにあることはご留意ください。

生保総合職のセカンドキャリア

最後に、生保のセカンドキャリアをご紹介して、この記事を締めくくりたいと思います。
生保のセカンドキャリアは、大きく2パターンに分かれます。

①配属された領域に特化した転職

生保会社では、リーテイル・ホールセール・IT・etc…様々な業務フィールドがあり、どこかの領域には一定程度特化した人材になるケースが多く、そこで培った転職をするケースが多いです。私自身もこのパターンで転職しています。

 【転職例】
 ○資産運用領域→ アセットマネジメント会社・投資銀行
 ○不動産領域→ 不動産デベロッパー
 ○IT領域→ ITコンサル・Sier            等々

このパターンであれば、新卒では入れなかったレベルの会社に入社できるケースも多く、また皆さん自身の専門性を獲得した上での転職であり、満足度の高いパターンが多いかなと感じます。(私もまさにこれです)

②保険業界の経験を活かす転職

生保会社に在籍した経験を活かして、引き続き生保に関わるケースでの転職も多いです。この場合は、どの部署にいたかは全く関係なく、あらゆる生保社員が候補にあがると思います。

 【転職例】
 ○大手生保会社間での転職
 ○大手生保から、生保ベンチャー企業への転職
 ○総合コンサルでの、生保会社向けプロジェクトでの採用

ただし、これは個人的な見解ですが、現状にあまり満足できていなくてとりあえず転職するケースも多いのかなと感じております。

いずれにせよ、セカンドキャリアは幅広く広がっていることはおわかりいただけたかなと思います。

さいごに

生保会社に新卒入社や転職を検討する際、確かに記載したようなリスクは存在しますが、魅力的な部分も多く、おススメできる業界だと思います。
是非皆さんが入社する企業を考えるときの一助になれれば幸いです。


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