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【小説】不完全燃焼5

 けっこうこの時期は好きだ。冬から春になろうとする、菜種梅雨の時期はなにか「ワクワク」する感じだからだ。新しい学年になる、中学生になる、高校生になる、大学生になる、社会人になると新たなステージになることが期待感があってうれしかったような気がする。でも一番はこの時期に一番大好きだった子に出会った時期だからなのではないかと思う。たぶん、、。

 中学に入学し、部活動は1学年50人以上入部し、学校グランドは野球部と反面づつと狭いためレギュラー以外は郊外のぬかるんだグランドで練習した。小学校卒業後の春休みに参加していた一部の同級生はその時学校グランドにいた。出遅れた感じであったがそのグランドでの練習は楽しかった。梅雨の時期は「おたまじゃくしすくい」できるほどの水たまりができたがとにかく楽しかった。

 新入社員時代に楽しかったことがひとつあった。それは先輩の代わりに訪問する企業にめちゃかわいい事務員がいた。そしてその先輩が飲み会を開いてくれその子と知り合いになり、飲みにいった。男は「人生でモテ期が3回ある」といわれるそのうちの1回であったことは間違いない。とにかく仕事以外は絶好調だった。たぶん、昔好きだった子とダメになり、好きな人や付き合っている子がいないことで余裕があったのかもしれない。ちょうどその頃に飲めなかった焼酎が飲めるようになり、酒の旨さを感じるようになった頃で大人になったような気がした。

 社会人になってからのサッカーは完全に趣味の域に達していて熱くなる感じは全くなくなった。

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