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【小説・閲覧感謝】不完全燃焼8

 「もう咲いたか」さくらと思ったら梅でした。でももうすぐ咲くなと思うと嬉しいような、散り始めを想像するとやや残念な気持ちにもなる。特に雨で散っていくさくらをみると悲しくなる。

 もうひとつ「大人とは」

  自分の定義は「水たまりを避けて歩く」いろいろな邪心を抱えるようになったら大人の年ごろになったことだと思う。決して中身は大人ではないが。

 今日は朝からワクワクしている。大学の同級生とおっさんチームの初練習日だからである。久しぶりに「サッカーを楽しめる」というのは楽しむことが悪のようなトレーニングに数年間携わっていたので感覚が麻痺しているのだろう。部員たちを救ってあげることはできないがそのような環境下でも自分なりに楽しみを見つけてずっとサッカーをしてほしいと切に願っている。

 中学校の全国大会が終わり、闇の時代に入った。本当はサッカー強豪校に行きたかったが(1校だけ誘われた)私立にいく家庭環境ではないと思っていたしサッカーのメンバーの中では学力は中の上であったことが災いし中途半端な普通高校にいった。当然サッカー部に入るのだが春休みからその高校の練習に参加していたので1年生の総体予選から出してくれた。そのようにしてくれた3年生の先輩は私と同じような境遇のキャプテンでとにかく俺のことを褒めてくれた。その先輩はサッカーでは引く手あまたであったようである。ちなにみその先輩は普通高校で県選抜メンバーという目標となる先輩であった。とにかく3年生、2年生をさしおいて1年生から自由にさせてもらったことはかなり同級生から見るとやっかみの対象であった。

 最初の勤務先を転職するときのことを思い出してみたが、一生懸命に仕事をするということを忘れた1年間であったので最後の出勤日は「どうなるかなぁ」と思ったが特に感傷的なシーンはなかったように思う。この職場は単身赴任の上司が多く、その拠点のナンバー2の上司は子供が大学生、高校生とお金のかかる時期だったのか昼ごはんは家から袋の食パンと豆腐をもちろん家から持参でパンを焼いて豆腐を皿に入れて醤油をかけて食べているシーンが印象的である。「俺も将来こんなになるのか」と思ったが今のところなっていない。

 この職場は約1年いたが1年前は奥さんと新婚であったがお金がなかったので引っ越しのダンボールをテーブル代わりに使っていたのでだんだんと凹んでいくのがなんか楽しかった。お金はある程度あればいいのかもしれない。

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