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犬に食われる夫婦喧嘩。

夫婦喧嘩をGoogle翻訳にかけるとMarital quarrelとかcouple noisyって出るけど、こんな言葉使ってるのは見たことないよ!Argument(口論)とかFight(喧嘩)ってのが一般的ではなかろうか。ということで、犬も食わない夫婦喧嘩の話。

その昔は、近所の人が警察呼ぶくらいの大げんか(夫アルゴの浮気話)なんぞをしていた超感情的劇場型阿保夫婦の我々ではあるけれど。大の付くほどの喧嘩は、かれこれ10年くらいはしでかしていない。だがもちろん、日々、一緒にいるため、日々の言い合い的な喧嘩はする。

夫アルゴは「Fightではない。Argumentである」と頑なに言う。これは、彼にとってFightとは、殴り合いなどのPhysical(身体的)ものであり、「女には絶対に手を挙げるな」と亡き母、そしておばたちから徹底的に躾けられてきた夫アルゴであるので、どうしようもない暴れん坊だった時代から、私に手を挙げたことは一度もない(ので、ムキーーーっと叫び、壁や部屋を破壊したことはある)

カップル、ご夫婦。皆様のお宅ではいかがであろうか。よそのお宅の夫婦喧嘩。ちょっと気になる。でもそういうのを聞くのは失礼なので、まず己の非常に馬鹿バカしいの我が家の夫婦喧嘩を書き記そうと思う。

タコスが辛くて激怒事件。

X JAPANのYOSHIKIさんがその昔、テレビ番組の楽屋で出されたカレーが辛かったため、激怒して帰ってしまったという事件があるのであるが、それと似ている。

その日の夕飯は、タコスだった。TACO Tuseday。おそらくタコス屋の宣伝で使われた文句なのであろうが、我が家は何故か火曜日はタコスという夫アルゴ・ルールが存在する。流石に毎週は飽きるため2週間おきである。

最近、備え付けのクーラーの調子が悪く、部屋があまり冷えない。外は割と暑く、夫アルゴは苛々していた。代謝がいいのか、ものすごい汗っかきで、しかも最近は肥えているので余計に暑いらしい。

ともあれ、おなかがすいていたので、2人してモリモリとタコスを食した。我が家のタコスレシピは、スパイスばっきり派であるので、割と辛めなのだが、いつもと同じ感じで、いちいち計量したりせずに作った。

夫アルゴは、ちょっと辛いかも、と言いながらも、更にタコス用のホットソースを阿呆みたいにじゃんじゃんかけて、モリモリ食べていた。で、食後。リビングでまったり。もちろん、夫アルゴはすぐにプレステに張り付く。ELDEN RINGなる「「本格的なダークファンタジーの世界で、未知と脅威を探索するアクションRPGタイトル」をプレイしているわけだが、これが難しいらしく、やたらと叫び、地団太を踏みながらプレイしている。それを犬たちと戯れながら横でぼーっと見ていたら。

暑い!この家、クソ暑い!!!てか、何でタコス、あんな阿保みたに辛くしたわけ?!ほら、俺の頭、触ってみなさいよ。めっちゃ汗かいてる。ただでさえもクソ暑いのに、これ、体の!内側から!暑いんだよ!なんなの!!!」

と、いきなり、ガチ切れされた。

ぽかーんである。暑いとはいえ、そんなやりきれない程の暑さでもなく、そら少し辛かったかもしれんが、それに阿保のようにホットソースかけてたのは誰だ?ツッコミどころが多すぎる。

「こんなクッソ暑い日に、クッソ辛いタコスが夕飯とか尋常じゃないね。常識ないの?頭、おかしい(ここだけ日本語)」

ええええええ。数時間前の夫アルゴ⇒今日何食べる?の問いにウキウキしながら「そりゃタコスよ!だってタコ・チューズデーだよ!(うきうき)」で、一緒に買い物いったやん?

そもそもアンタの作るご飯は!辛すぎなんだよ!俺が辛いのあんまり好きじゃないの、知ってるでしょ!っていうか、アンタの辛い物好きはオカシイんだよ!!(叫)」

ゲームでうまくいかぬ八つ当たりと、暑いせいで、私は料理と食の嗜好まで否定される。何という理不尽。スルーしようかとも思ったが、やはり、ひと言は、言い返さねば気がおさまらない。

「つーかさぁ、暑いのに、そんなにヤイヤイ叫ぶから暑いんじゃん?てか、太りすぎなんじゃん?てか、ホットソースかけすぎなんじゃん?」

イラっとしてそう言ってみたら、今度は「ソースかけすぎって思ってたんなら、言えよ!食べてる時にぃぃぃぃ!(叫)あと、暑いのと、太ってるのは関係ねぇぇ」

一方的にじゃんじゃん大声でこんなことを言われるため(しかも地声がでかい)私もムッとして、言い返す。売り言葉に買い言葉ってやつである。

「いや、あるやろが!ブクブク太るのだってさ、バカみたいになんにでもソースかけて、バカみたいな勢いで食べるからやろが!ソースかけたのは自分だってのに人のせいにすんなし!しかも私はこのクッソ暑い中、クッソ暑いキッチンで、貴様の!メシを!作ったんだよ!仕事でめっちゃ疲れてるのに。感謝こそすれ、自分が食べるっていったタコスでここまで怒鳴られる意味がわからんわい!嫌なら食うな!!!!

基本、私は、嫌なら食うな!の人なので、自分の作った料理に文句を言われると、とても腹を立てる。ヒートアップしていく口論であったが、怒鳴りながら、あれ?何でこんなに怒っているのだ私は……とすんっとなった。

そこに我が家の愛犬、大五郎である。ぴょんと夫アルゴの膝に乗ると、彼の顔をペロリ、と舐めた後。前足を夫アルゴの唇に当てた。

「ぶはっ」とそこで夫アルゴは笑い、何かをしようとしたが、大五郎はまた、前足を口元に置く。「黙れってこと?」そう言うと、大五郎は尻尾を振りながらベロベロとアルゴを舐めた。

これはさすがに口論時ではないが。こんな感じ。

というわけで、犬も買わないはずの喧嘩を大五郎が買ってくれて、終了したタコスが辛くて激怒事件。ありがとう、大五郎。

俺のゲームを見ろ事件。

で、ゲームよ(溜息)プレステ5がやってきて以来、件のELDEN RINGというRPGに熱中している夫アルゴ。1日に8時間くらいはしてる。それは別にいいのである。ゲームをやるのはかまわん。だが、彼の中で「観客がいた方が良い」らしく、私が何かしようとする、他の部屋へ行こうとすると「え、ちょっと見ててよ」とやかましい、そしてしつこい。

先日の日本語の話で書いたが、私がついつい日本語で「うるさい」「だまれ」「しつこい」などと言ってしまうのは、こういう事が理由なのだ(と、自分を正統化する)

「ゲームに熱中してるし、私もやることとか、やりたいことあるんだからいいじゃん、別に」と言えば、「いや!見てて!俺がボスをね、倒すから!

正直、ものっそいどうでもいい。だって、このゲーム、なんかしらんけど常にボスが出てくるんだもん。それに、もう20回以上トライして、叫びながらムギムギ言ってるだけじゃん。その根気をなんか別の事に活用しろや……と、思うものの、面倒なのでとりあえず、横で編み物をしながらリビングにとどまる。すると

「やたぁ!倒した!ねぇ、見てた?見てた?俺がなんちゃら(←武器の名前)となんちゃら(←なんか技の名前)を使って、このボスを!倒した瞬間をッ」と大興奮で言った後、

見てねぇぇぇぇぇぇぇ!(怒)ちょっと、どういうこと?!見てなかったの?!俺、二日もかかったんだけど!!!(叫)」

くどいが、夫アルゴの地声はでかい。

「うるさいよ(日本語)リンゴ🐶がこわがってるでしょ。声、落として」と言えば、ムキー、ムキーである。

「俺より、リンゴ🐶かっ!!!俺がこんなにも苦労して達成したというのに!」

ちなみにリンゴ🐶は大層、繊細であるので、自分が怒られていなくとも他の犬たちが怒られたり、私たちがこのような言い合いをすると悲しき顔をする。耳を垂れ、尻尾を丸めてくぅん、くぅんと鳴くのである。全世界の悲しみを感じることのできる賢き犬なのである。

悲しみのリンゴと、どうでもよさげなまめこと大五郎。

「知らんわい!付き合ってられんわい!付き合いきれん。そもそも何でアンタがゲームしているのを阿保みたいにただただ見ていなくてはならないのか?やること、やれることはいっぱいあるのだが?(怒)」

「えーー!!俺は一緒に時間を過ごしたいだけでしょ!

「だったら強要すんなし!昔っからそう!オンラインゲームしてる時なんて28時間とかぶっ通しで横にいろって言ったよね?何度もさ!ほんで、そうしたよね!それで十分やろが!」

「はーーーーー?!あの頃の君は、俺が何をしててもうれしい、楽しいだったのに!何故同じことができない!もう愛していないのか!!!

……阿保かな?……極論すぎるのである。

そんな出会った頃なんていっつも一緒にいたいけど、21年やぞ?しかもほぼほぼべったりやぞ?付き合い始めた頃の私に会うことがあれば、他にやることあるやろ?と真顔で問い詰めたい案件やぞ。28時間ぶっ通し(しかも自分はプレイしない)ゲーム観戦。

「付き合いきれんわ」そう言って、2階へ向かおうとすると、ちょっと待ってと今度は懇願される。「何よ?」という私にものすごいドヤ顔で夫アルゴは言った。「見てこれ(にやり)」

画面に映し出されたのは、プレイ動画。「イヒヒ、なんと!録画も出来るのです!」

何のために……これは、録画する理由もそうなのであるが、録画してるならなおさら、私が観戦する理由なんて1ミリもなくないか?!というか、なんであんなに怒り狂ったのか?エネルギーの無駄使いも甚だしい。私は言葉もなく、2階へと向かった。リンゴ🐶は、夫アルゴに少しだけ申し訳ないような顔をした後、プンスコする私についてきて、ぺろぺろと頬っぺたを舐めてくれた。

ゲームすることに文句はないんだから、1人で大人しくやってほしい(真顔)ともあれ、こんな具合に癇癪を起した後、しばらく放置すると、すみませんでした、どうかしてました、としおしおしながら、謝りにくる。そんな日々。


たかがカード、されどカード事件。

上記の案件からもお察しかとは思うが、我々の口論というのは、大抵、夫アルゴが、なんかしらんがムカーっと怒り、じゃんじゃん喚いて、それに耐えきれずに私が言い返すというのが、8割の場合なのであるが。逆の場合ももちろんある。そもそも私自身、感情的な人間であるのだ。常に横にいる夫が激情型なので目立たないだけで。

郵便配達が来ない、とソワソワする夫アルゴ。ヤツが郵便配達を気にするのは、カードをオーダーした時である。

カード、というのはマジック・ザ・ギャザリングという「世界中で4千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ世界最高の戦略トレーディングカードゲー」である。夫アルゴには様々な趣味があるのだが、これもその1つ。しょっちゅう、オタクなお店に行ったり、うちにオタクどもを呼んだり、オタクどもの家に言ってはこのカードゲームに熱中している。

しつこいが激情型の人なので、負けそうになったりすると怒ってヤイヤイいうし、勝ったら勝ったでドヤ顔ヤイヤイなので、それもやかましい。とにかくうるさいのである。ゲームと同じで、基本、私は好きなことは好きなだけやればいいと思っているし、生活費に影響がでないのなら、好きなだけ使えばいい、と思うのだが。だが…である。

この阿保は、先月、1枚のカードに500ドルを支払ったのである。500ドル。円安の現在、日本円にしてなんと68,853.75 円

そらいうよ!私も日本語で!!「ばかじゃないの!?!」

ちなみにおっそろしいことに、1枚500ドルなどは割とある価格のもであり、プレミア中のプレミアのマジックカードは詳細はこちらをご覧いただきたいのだがレアっぷりに殺人事件までおこったカードは、 $28,000-35,000 and up。最安値で3,852,632 円。換算間違いではない。380万円。その他にもずらずらと高価なカードがある。恐るべしマニアの世界なのだ。

もちろん、そんなアホみたいに高いカードを購入することはないが、それでも「こんな紙切れ1枚に500ドルとか、あほか!」と普通の人であれば叫ぶのではなかろうか。私なぞは、自分もオタクゆえに、コレクションやオタク趣味に大層理解がある方だと思うがそれでもあんまりである。

夫アルゴはしばらくこのカードゲームを辞めていた。ある日、ふと、またやろうと言い出した時に約束したのは
◆「まず際限なくカードを買わない」(昔は家中にカードが散らばっていた。バスルームにも!ベッドの中にまで!)
◆「1か月に使っていい金額は200ドルまで」(2万チョイ。とはいえ、コイツには他の趣味もあるのである。200ドルはカード限定の金額なんだから破格ではなかろうか!)
◆「仕事などやることはきちんとする」
◆「オタクどもをやたらうちに呼ばない。呼んでも静かにプレイすること」

我が家に子供はいないのに、これでは子供に言い聞かす親ではないか。だが、子供より大人であるので、タチが悪い。だってこの約束、全部、破ってるんだもの。この40歳児。

で、仕事から帰宅するなり、ソワソワしている夫の姿を見て、私はガチ切れしたのである。

「ちょっと!カードはもう買わないっていったじゃん!つい最近、アホカードに500ドル。そのあと、プレステ5とゲーム諸々で900ドル。バイクのタイヤ新調するのに480ドル。しかも、修理に出してるビートマシンもあと500ドルの支払い残ってるんでしょ!なんなの!ばかなの?宝くじでもあたったんけ?腎臓でも売るんけ?うちは大富豪じゃないでしょ!そら確かに、院終わって、資格試験も合格したよ?頑張ったよ?でも、そのご褒美にしては、やりすぎやろが!!どんだけご褒美よ!!ふざけんな」

と。一気に叫んだ。そら怒るよ!怒ってもいい案件だよね、これは!!!

玄関先で、私がヤイヤイ言うもので、愛犬まめこさんがやってきて、私の横に立つと、夫アルゴに向かって、ぎゃんぎゃん吠えだした。

夫アルゴが何か言おうとすると、まめこさんがすかさず「ワン!!」続く、ガチ切れ文句には、私と一緒になって「ワン!ワン!ワンワン!

一緒に抗議をしてくれるまめこさんである。ありがてぇ

いさましまめこさん。お気に召さないことがあると吠える。

まめこさんの助太刀もあり、夫アルゴは「わかった、まめ。もう買いません。もう無駄使いしません」などと言っていたが、とりあえず、ムカムカは止まらないので、その日の夕飯は作らなかった。

そんなこんなで、ほんっとにねぇ。これ、改めて書き出してみると、
阿保だなぁ、平和だなぁ、そして我々はこの犬たちがいるからこそ、このように喧嘩なぞしていられるのであるなぁ、と思います。よそのお宅はどうなのかしら、と野次馬根性はやはり抑えられない。

まぁとりあえず、過去のように浮気の挙句の大げんかとか、泥酔もしくはスーパーハイで大暴れとか、そんなことはもうさっぱり全然なくなったので、このまま、こんな感じで仲良くヤイヤイ喧嘩して、「じいさんや!」「ばあさんや!」みたいなさぁ、そんな夫婦でいたいなぁなどとも思います。

昔のチャーミグリーンのCMに出ていたほんわか和やかおじいちゃん、おばあちゃんみたいに、って書こうと思ったけど、我々のキャラ的にそれは絶対に無理であるので ☟☟

やはり、我々は「じぃさんや!ばぁさんや!」だよなぁ、と思った次第。


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