トルクメニスタン渡航情報2023年秋版
2023年10月29日から11月3日まで、トルクメニスタンに行ってきました。
外国人の受け入れが春頃に再開されたばかりなこともあり、コロナ後の情報が少なかったので、最新の情報をざっくりまとめておきます。
感想や写真などはそのうち別で。
● 旅程
全体の旅程は下記の通りです。日本からウズベキスタンへの航空券や、ウズベキスタン内の移動などは自己手配です。
トルクメニスタン国内については、5,6日程度で下記に行きたいと現地旅行会社にリクエストして、先方のおすすめも加えて旅程を組んでもらいました。
Darwaza Gas Crater(地獄の門)
Ashgabat
Kunya Urgench
Yangi-Kala Canyon
Ancient Merw
Akhal-teke horse stable
宿泊はスタンダードグレード、英語ガイド、食事まですべて含める形にし、女性ガイド指定で、2人旅行で1人1,325USDでした。
宿泊のレベルやガイドの言語、食事を含めるか、国内線を使うかどうかなどである程度変わってくると思います。食事は自由に食べられるのかわからなくて全部込みにしたのですが、含めない場合はおそらく「連れて行かれたレストランで自分でメニューを選ぶ」形になった気がするので、そっちでも良かったとは思います。
日本語ガイドがいるかどうかは分かりません。途中で会った日本人の方は英語はできないと仰ってましたが、日本語ガイドが見つからなかったそうで英語ガイドと同行されていました。
わたしたちは幅広い地域を回ったことに加え、女性ガイドでお願いしたため6日間通しで同じ方でしたが、場所ごとにガイドが変わる場合も多いようです。担当のガイドさんは本業が国立博物館の説明員という歴史の専門家で、各地でかなり詳しい話を伺えてとても良かったです。
ちなみに逆回り(Farapから入ってShawatから出る)場合だと、Mary→Ashgabatが車移動となり、Mary市内観光追加&Nokhur観光削除で1195USDでした。
● ビザ取得までの流れ
トルクメニスタン旅行最大の障壁がビザ取得でしょう。
トルクメニスタンビザには、「5日間で通過するだけ・観光しない」という形式をとるトランジットビザと、観光客として入るツーリストビザの2種類がありますが、コロナ禍以降トランジットビザの発行は停止されているようです。どちらにしても、わたしたちは社会人旅行で時間がないこと、行きたい場所が多地方に渡っていたことから最初からツーリストビザを取得する方向で進めました。
ツーリストビザ取得には、トルクメニスタン移民局発行の招待状(Letter of Invitation、以下LOI)が必要です。
LOIは基本、「すべての旅程を決定した上で現地旅行会社から申請する」ことでのみ手に入れることができますので、現地旅行会社何社かに問い合わせを送りました。会社によってはサイトがロシア語だったりしてびっくりすると思いますが、問い合わせは英語で大丈夫です。
大体の日程や行きたい場所、こちらの情報(人数、国籍など)を書いて、下記3社に送りました。
ADVANTOUR(ウズベキスタンの会社)
コロナ前の情報だと日本の方はAYANを使われていることが多かったので本命視していましたが、なぜか返事が来ませんでした。
ADVANTOURはウズベキスタンの会社のため、結局催行はOWADANが行うらしく、それなら最初からOWADANで組む方がロスが少ないかなと思いました。ただADVANTOURは日本語で対応してくれるので、言語に不安のある方は安心だと思います。
また、ADVANTOURはヒワからの弾丸地獄の門ツアーなども催行していますので、地獄の門だけでいい方はそういうのを利用するのも良さそうです。
ちなみに、一応日本からもいくつかパックツアーは出ていますが、高額&団体行動が苦手なので除外しています。
そんなこんなで決め打ちみたいになってしまったOWADANですが、非常に返信が早くメールも丁寧で情報も充分、かつ過去の情報から事前に予想していた料金にも近かったので、そのまま進めることにしました。結果的に、現地での対応も含め最後までかなりきっちりと取り回してくれたので、OWADANにお願いして良かったと思っています。
メールでやり取りをして詳細を詰め、旅程が固まったら、必要書類をまとめて送ります。必要書類についてはADVANTOURのサイトが詳しいですが、お願いした旅行会社の指示に従ってください。旧姓や配偶者の名前(一緒に行くわけではない)まで書かされて驚きました。
LOIは通常入国日の3ヶ月前から申請可能で、申請から3週間程度で許可がおりるそうです。が、今年はなぜか「混んでいるから10月以降の客は2ヶ月前申請にしろ」とのお達しが出たらしく、我々の申請は2ヶ月前となり、結局LOIが発行されたのは入国のちょうど1ヶ月前。
日本人にはほぼ許可が出るという噂は聞いていたものの、不安ではあったので、Rejectされる可能性があるか旅行会社に聞いてみたのですが、「Let’s hope for the best! Fingers cross!))」という答えにならない答えが返ってきたのみで、ソワソワしながら待ちました。
こんな感じのスケジュール感なので、航空券についてはキャンセルできるものにして先に抑えておくのがいいと思います。
LOIが来ればあとは国境でアライバルビザを取るでいいのですが、東京在住の方は大使館で先に取っておくとちょっと安いです。大使館のサイトには35USDと書かれていますが、なぜか25USDで取れました。アライバルだと55USDです。
● 入国審査
Shawatの国境は9時から受付開始です。入国手続きになんだかんだ時間がかかるので、9時に到着するように移動するのをおすすめします。ヒヴァの旧市街からは1~1.5時間ほどで着きました。
ウズベキスタン出国後、トルクメニスタンの国境までは緩衝地帯があり、有料のバスで移動します。
1人5TMTですが、値段がわからずキョロキョロしていたら、近くに座っていたおじさんが払ってくれました。優しい。
多分ドルとかでも受け付けてもらえると思います。
国境に着いたら、①税関書類の記入 ②PCR検査 ③支払い(入国手続き代とPCR代で47USD、アライバルビザの方はプラスVISA代も) ④入国審査 ⑤税関審査&荷物検査、という流れで進みます。
税関書類がおそらく一番の難関で、記入場所にはロシア語版しか置いてありません。職員さんを捕まえて英語版をもらいましょう。
そしてなぜか青いボールペンで記入したものしか受け付けてもらえません。
わたしたちは途中まで黒で書いたものを青で書き直したりした結果書類がめちゃくちゃ汚くなり、結局税関の職員さんが「Oh~~」みたいな顔芸しながらイチから全部書いてくれました……いいのか。
ちなみに帰りの時は英語版くれと言ったらまた職員さんが書いてくれました。招待状を手に入れるまでのハードルに比して、職員は基本とてもゆるい。
PCR検査については、鼻に少し突っ込むだけで内壁を拭ったりさえしないので、発熱真っ最中とかでない限り検出されないと思います。
荷物検査ではドローン・酒・ハイになる薬を持ってないか聞かれます。持ってないと言ってカバンを開けてなんとなく見せたらすぐ終わります。
建物を出るところと、敷地を出るところでそれぞれパスポートを見せたら晴れて入国、ガイドさんと合流しましょう。
帰りも似たような感じです。Farapの国境内バス運転手の軍人はツーリスト価格だとか言って倍の金額を取ろうとしてきたので気をつけてください。
そいつ以外は本当にみんな親切だったのですが……。
● 両替、物価、現地で使うお金など
通貨はマナト、TMTと表記します。
公定レートでは 1USD=3.5TMT とされていますが、実際のところは1USD=17TMTくらいが相場のようです。
もちろん闇両替は犯罪なので、見つかると結構大変らしい。
おそらくガイドさんがこっそり、1USD=15TMTくらいで両替してくれると思います。
現地で使うお金としては、遺跡や博物館などで撮影代が別途必要な場合があります。撮影代は国立博物館50TMT、ニサ遺跡11TMT、メルヴ遺跡11TMT、アハルテケの乗馬体験10USDでした。
また、1泊ごとに宿泊税が1人2USDかかります。
物価は輸入品でなければ安いです。
わたしたちは食事込みにしていたので明確な外食費はわからないのですが、Nokhurのレストランで見たメニューでは前菜やスープが25TMT程度でした。
他には、B5くらいの総刺繍のポーチが60TMT、玄関マットサイズのトルクメン絨毯が250-300TMT、お土産用包装のチョコレートは150g入りで25TMT、A3くらいの大箱で70TMTくらい。
一方で輸入品だと、ロシア製のリップクリームが65TMT、ニベアのもので55TMTほどします。日本製のロッテのガムが31TMTで売られているのも見かけました。
それほど買い物をしていないというのもありますが、お土産・ドライバーさんやガイドさんへのチップ・撮影費などすべて合わせても、トルクメニスタンで使ったのは150USD未満です。
クレジットカードは使えません。日本円からの両替もできません。そんなに大金を両替することもないので、1-20ドル札中心に米ドルを用意していきましょう。少額の米ドルはウズベキスタンでも役に立ちます。
● 自由行動
夜ホテルに戻った後、少し周辺を散歩する程度ならガイドなしでも許されます。わたしたちはガイドなしでホテルのそばのショッピングセンターに行ったりしましたが通報されませんでした。英語はあまり通じないので、Google翻訳のロシア語をオフラインでも使えるようにしておくと便利です。
● インターネット
SNSやLINEは完全ブロックされており、webサイトもつながらないものが多いです。アクセスできるのは体感2割くらい。
Google、Wiki、NHKのニュースサイトは見られます(CNNやBBCも試せばよかったと後から思いました)。外部に連絡が必要な方は必ず相手のメールアドレスを入手しておき、Gmailで連絡しましょう。
● 治安
比較的良さそうでした。街歩きをできていないのではっきりとは分かりませんが…。夜21-22時ごろのショッピングセンターで若い女の子たちが働いていたり、制服の女子学生さんが買い物をしたりしていたので首都は悪くないと思います。
ただ、夜行列車のトイレに行く際ガイドさんが異常に心配していたので時と場合にもよりそうです。イスラム圏の男性の中には異教徒の女にはセクハラし放題だと思っている輩が混ざっているので、男性ならそれほど問題ないかもしれません。
人は全体的に人懐っこく親切です。外国人が珍しいためか、やたらと一緒に写真を撮ってほしいと頼まれます。学生さんにもよく話しかけられました。
● おまけ1
トルクメン語で「ありがとう」は「Sag boluň.」。
サ ボール(ルは小さめ)みたいな発音です。
● おまけ2
ウズベキスタン内の移動はかなり混むため、LOI発行を待たずに予約しておいた方がいいです。
LOI発行後(1ヶ月前)に予約しようとしたら、ウルゲンチへの国内線とサマルカンド→タシケントの列車が満席でかなり焦りました。国内線はビジネスクラスにし、列車は2時間おきにチェックしてキャンセルが出次第抑える方法で乗り切りましたが…。
列車の予約はアプリからだと海外発行のクレカははねられますが、ブラウザからなら通ります。
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