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潮が満ちたら

こんにちは。きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂、店主の音海奏乃です。

皆さんは、海で遊んだこと、ありますか? 私はね、ありますよ。シュノーケリングや磯での観察など、海にはずいぶん遊んでもらいました。今ではちょっとした事情で見るだけになってしまった海ですが、変わらず大好き。この写真も、サンゴと魚たちがとても魅力的だったので使わせていただきました。

そんな海では、潮の満ち引きが起こります。なんだかそれって、noteを始めてからの環境に似ている……

なんて思ったので、書いてみることにしました。

潮だまりに、潮がきた!

どんなに潮が引いていても、満ち潮の時間は必ず来ます。一日に必ずあるそれは、見ているだけでも壮大な感じがしますよね。

見えなかった岩肌が見えてきたり、さっきまで立っていた場所があっという間に海の中だったり、とても不思議な気持ちになります。潮が引く速度も、満ちる速度も意外と早く、カップラーメンを完成まで待っていただけで、帰り道を失うくらい。なので、同時に恐ろしさもありますが、潮の満ち引きというのは見た目からも楽しいです。

見た目以外には何が面白いのかというと、「世界が一つになったり別れたり」という部分です。どういうことかご説明しますと、潮が引いて生まれた潮だまりは、潮が満ちてくると再び海の中で一つになります。そうすると、海水が混ざり合って、流れが生まれて、新しい生き物がたくさん通っていきます。そしてそれがまた引いていく途中で、移動しそびれた生き物が一つの潮だまりに残ります。こんな風に、潮が満ちて海の世界が一つになったかと思えば、潮が引いて限られた世界になる。なんだか魅力的じゃないですか?

そんなわけで、どんなにお腹がすいていようと眠たかろうと、時間が来れば、潮も来る。そこから動こうが動かまいが、いつの間にか環境が変わっていることがあるのです。そういう部分では、ずいぶん人間の世界と似ている気がします。

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ちょっと顔を出してみたら

潮の満ち引きを"人々の交流"とするならば、潮だまりは"自分が生きている場所"です。

私はnoteを始めたことで、少しずつ潮が満ちてきていました。今までいた潮だまりから、何かを変えようと思って初めて見たのですが、それが、満ち潮のきっかけだったんですね。

潮だまりに満ち潮がやってくると、世界はさらに広がります。小さな潮だまりでは、どんなに頑張っても同じ景色しか見ることができません。ところが、潮が満ちてきて、海の世界と一つになると……。そこには、自分の知らない考えや、技術や、体験を持っている人たちがたくさんいました。普段、過ごしてきた潮だまりの中なら、絶対に出会わないような人たちと出会い、スキしてもらったり、フォローしてもらえたり。

そこでの時間は、普段の潮だまりにはないとても刺激的なもので、いつもわくわくしていました。こんな人がいるんだ、この人のこと気になるな、なんてついにはヤドカリそのものから近づけるようになったほど。基本的に人見知りで、普段なら、自分から声をかけたり、顔を出したりできなかったヤドカリ。けれど、ちょっと顔と勇気を出してのぞいてみた海の世界は、とても魅力的な場所でした

潮だまりにいるときは一人だと思っていたのに、一人じゃないって思える。初めて、交流って楽しい部分もあるんだな、と気が付きました。しかし、世界が広がったことを楽しみすぎて、ついつい引き潮のことを忘れていたのです

私が愛した潮だまり

noteを使って交流できる時間は、限られています。その瞬間は楽しくて忘れがちですが、私は介護と家事をすることがメインで暮らしています。そんな潮だまりから、noteを通して外の世界とつながる。これほど新鮮なことはありません。

けれどパソコンから離れてしまえば、いつも通りの生活、つまり引き潮の時間です。満ちていたときは楽しかったな、なんて、すこし後ろ髪を引かれながらも、普段通りの生活に戻っていくのです。

でも、私はその潮だまり、つまり環境が嫌いなわけではありません。嫌だな、という思いを抱かないといえば嘘になります。けれど、潮だまりには潮だまりの良さがあると、満ち潮を体験したからこそ、気が付きました。自分の時間がなくて、介護と家事に追われて、まだ30歳にもなってないのに、これから将来どうなるんだろう、と思う日もあります。けれど、そういう悩みですら、潮が満ちてきたときには「大丈夫」と言ってもらえるような気がしていて、なんとなく気力が出てくるのです。こんなことがあったから、今度潮が満ちて、みんなに会うことができたら、こんなお話をしよう、と。

なんだかんだいいながら、もうこの環境、この潮だまりでの生活が慣れてしまって、逆に普通の生活というものが想像できないくらいなんですね。そしてこの環境でも、自分の力をつけていける。そんな小さなヤドカリが住むこの潮だまりがあってこそ、満ち潮のありがたさがわかるのです。

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また、引き潮になるけれど

潮は満ちれば必ず引きます。満ちたままでは情報量の多さに疲れてしまいますし、引いたままでは置き去りにされた気がして、寂しくなってしまいます。満ちたら引く、この自然が生んだバランスは、とてもよくできています

満ち潮のときに過ごした時間が楽しければ楽しいほど、潮が引いていくのを寂しいと感じます。noteで記事を書いて、皆さんに反応していただいて、次は何を書こうと考えて。その時間が楽しいからこそ、満ち潮でいてほしいと思う時もあります。しかし、満ちたままでは、絶えず多くの情報が流れ、人々と交流する可能性があります。そうなると今度は疲れてしまう。

だから、惜しい気持ちはその次のエネルギーに変えて、今日もヤドカリは小さな潮だまりの中で生きていくのです。

noteを続けられるのも、皆さんが好きしてくれたりフォローしてくれたりと、アクションを起こしてくれるから。いつも感謝しています。

また、満ち潮の時間がくるまで、ヤドカリは殻にネタを集めておこうと思います。これからも、きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂と、その店主、音海奏乃をよろしくお願いします。

きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂

音海奏乃

お試しさん


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