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人が集まるところに人が集まる

 2024年2月11日 長野県山田温泉から車で20分ほど走ったところにある標高1,500mに広がる山田牧場。明治35年に開牧とのことで実に100年以上の歴史がある牧場。
上信越国立公園の中、笠岳南西麓にあります。

 その日より約半年前の夏、何度も雑誌で目にしていた行きたい場所の1つにしていたRed wood Innに2泊。初めて高山村を訪れました。立地は牧場の目の前!!
人が多くなく、騒がしくない。ゆっくりしたい私たち夫婦にはうってつけの場所でした。よく紹介されている宿のシンボルの樹齢1,650年の巨木をくりぬいた露天風呂に浸かりながら、太陽の恩恵を受けた黄緑色の牧草と何とか認識できる牛の姿を眺める時間はとても贅沢で開放的でした。Red wood Innはやはりとても人気で満室、外観の写真を撮る人も絶えません。

 隣の建物は休業中。どうやらこの一帯は通称「YAMABOKU]と呼ばれ、冬のスキーシーズンが一番かき入れ時のようで冬のみ営業しているところも多そうです。朝早く起きて牧場回りを散歩して、大きなコロラドトウヒを見上げとてもリラックスした旅となりました。解放感。

 さて、2024年の冬。登山は好きですが、がっつり雪山登山はしない私たち。今回は善光寺をメインとし、少し雪の中を歩いて冬の自然を楽しむ旅行にしようと計画をしました。山田温泉に泊まりシャトルバスで牧場まで行きスノーシューをすることにしました。
 長野駅に降りたとき、スキー目的の外国人の多さに驚きました。山田牧場の冬季は全長13キロのタコチコースが主力観光となりシャトルバスもタコチコース利用者が優先されるということで大丈夫か心配しましたが、すんなり乗車できました。

 スノーシューをする人はほぼおらず、足跡のない新雪を楽しみました。

スキーやスノボ客を遠目に見てスノーシューをする人は少ない。
雪化粧のコロラドトウヒ。薄く広がる青空に映えていました。


 2時間ほど雪を楽しみお腹が空いたので、ランチはRed wood Innでとることに。11時半のオープン以降、どんどんお客さんが増えていきます。「ランチも美味しいし、やっぱりここは人気だね。」なんて会話をして雪の余韻を感じながら満腹に。

ビールと台湾まぜそばをいただきました。


冬の入り口も美しい。

 12時15分発のシャトルバスで山田温泉に戻ります。発車まで10分ほど。行も送ってくれたシャトルバスの運転手さんとの会話。
 「長野駅は人がすごかったけれど、ここは落ち着いてますね。」なんて言ったところからスキー場の実情を知ることに。

 年々利用者が減少し、ほとんどの宿が後継者がおらず、建物もどんどん古くなっていく。トイレも…水洗でないところがあり、そこに若者や子供は来ませんよ、と。トイレを新しくしようと考えても人が増える保証はない。だからそのままのところも多いし、閉めているところも多い。

 「人が集まるところに人が集まるんですよね。」
この言葉にすべてが集約されているような気がしました。

 20分下れば山田温泉でサウナを主力に頑張っているいい宿があります。ほぼ週末は満室です。今後人が多く行き交い循環が生まれることを願っています。
 
 山田温泉に戻った後は、冷えた体を温めようと共同浴場の大湯に寄りました。観光客の私に同じく温泉に入りに来ている地元の方が話しかけてくれます。「張り紙貼っているけど小さいから気づきにくいでしょう。シャンプー、リンスは入り口で借りれるからね。」「このドア重いからちょっと開けておくね」「ヒーターの風弱いけど寒くない?」
 地元の方の何気ない観光客への心遣いを回顧しながら、温泉の天井を見上げ豊富な湯量の温泉で体を温めて、高山村の素敵なものと課題を頭の中を巡らせ…。

 高山村は移住者の取り組みを活発に行っているようです。温泉、広大な自然、綺麗な水など恵まれた資源がの日本には本当に多く、もっと沢山の日本の良さ、まちの良さを1人でも多くの人に気づいてもらえたら、もっと日本のことを考えられたら…と考え、noteを始めました。
 私は夫と一緒に自然や文化に触れる旅をするのが趣味です。自身のためにも書き残そうと考えています。
 

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