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華生ばかり #0125「私にとっての声」

※特定の人物に向けて執筆したものではありません。誤解のなきよう!

 初めてスマホで書いてみます。
 今回の口内炎、間違いなく人生最強だと思います。今日は昨日よりは少しマシなんだけど、まともに喋ろうとすると、合間合間に「いってぇ!」と自然に出るぐらいの鬼さ加減。

 というかこの口内炎、歯医者さんに行った後、麻酔が切れたらいきなり痛くなったんだけど、なんか因果関係あるのかな。流石にないか……。
 まさかだけど、あの「キュイーン」で私の舌を削ってないよね?(考えたら震える)
 腕の良い歯医者さんだと思うので、すべては「この痛みが出たことに何か理由が欲しい。でなければ納得できない」という私の、あらゆる理由づけと妄想の中のひとつなんだけどね。

 ご存知の通りかどうかは定かではありませんが、私の活動はVtuberとしての配信や動画制作が現在は主になっていて、次に幾つかのラジオという感じなので、喋れないというのは精神的にものすごくやられます。

ノベルゲームではお芝居をしながら内容を楽しむ
歌も仕事のうち。うまくはなくても真剣に歌う

 喉が痛いとか、それこそ急性喉頭炎になった時なんかもそうだったんだけど「喋れない」というハンデを背負った時の私にはシャレが通じません。
 いや頭では分かってる。ただの口内炎だからね、茶化したくなる気持ちも分かる。分かるけど、根底に「声を出せない私には価値がない」というガチの価値観があるので、Twitter(X)などでふざけたリプをされたりすると「お前一生覚えとけよ!!!」と、異様な怒りを感じてしまうのも仕方がないなと、私自身だけが私の異様な怒りに理解を示している。

 なにしろ私は、声優になるために生まれてきたからね。元々どういういきさつでこの世に生を受けたかは私には関係なく、私がそう思っているのだからそうなのですよ。
 喋る、歌う、書く。敢えて並べるならこの順番かな。

 あんたなんかどうせ何もできない
 あんたなんかどうせ一人じゃ生きられない
 人は大人になったら親のために生きるもんなんだ
 分かってないのはお前だけだバカ娘

 そういう呪いの言葉を受けながら、物理的にボコボコにされながら、それを出来る限り無視するようにして「高校卒業まで我慢すればいい。卒業さえしてしまえば働ける。この家から出られる」「私の人生には私が意味をつける」「私には価値がないという言葉を否定するには結果が要る」と、その一心で魔の土地から逃亡し、様々なバイトを掛け持ちしながら虎視眈々とそのチャンスを狙い、アクロバティックと表現するしかない手法で「声優の仕事」を手に入れた。

 同じスタジオには若本規夫さん、草尾毅さん、こおろぎさとみさんらがいた。そこにたどり着いた時、私の人生が始まったのだと思った。

人生のはじまりは自分で決めていい

 そういうバックボーンがあるから、私は「声を使えない」という事実には耐えられないし、声が掠れるということに敏感だし、命よりも声帯が大事。
 つまり私には「声帯を取る」という、つんく様のような英断は多分できないから、かつての忌野清志郎さんのように、もしも喉頭がんなどの病気になれば、声を枯らしながら人生を閉じることを選択すると思う。

 これはもう誰に何を言われても曲げることはないし、曲げようとしてくる人を敵と見做す可能性すらある。

 私がどんな思いで、命かけて声の仕事についたと思ってるんだ

 私の声の不調に関することを茶化してきた人に対して、何百回この言葉を心で叫び続けてきたか分からない。
 そんなバックボーンなんか普通は知らないわけだから、周囲から見れば私はただの洒落の通じない人間なのだろうし、思わぬところに地雷を持っている面倒な女でしかないのだろうと思う。

 でも別にそれでいいかな。
 私ってこんな思いしてきたんです!
 と喧伝することに、何か大きな意味があるとも思わない。
 人はそれぞれ事情は違っても、似たような何かを抱えていたりするし、人によっては思いがけない地雷を持っていたりするものだと思う。
 地雷を踏む方だって、その地雷を見て、敢えて笑いながら踏むわけでもないだろうし。笑いながら踏む奴がいるなら、そんな関係は無かったことにすれば良いのだし。

 誰が、どんな思いで、何を大切にしているのか
 相手のことをよく考えて、よく観察していないと分からないことだよね。
 そして、そんな深いことは分からないケースが圧倒的に多いだろうなと思うよね。
 言ってもらわなきゃ分からないよと思うよね。

 だから私は言っておく。
 私にとって、声とは命より大事なものだと。
 矛盾しているようだけど、声のためなら死ねるのだと。

 誰が読むとも分からないこのnoteで、ひっそりと書き記すことにどれほどの意味があるのか分からないけどね。
 ま、事情も知らないのに人のことバカにするのは、シンプルに良くないよ。
 私も気をつけないとヤバいなと、自分でブチギレながら改めて感じた今回の口内炎事変でした。

吉川華生(Vtuber桐子アキラ)

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