そういうことにしておく

最近、朝ちゃんと起きられるようになった気がする。元々わたしは不眠とは無縁というかむしろ眠りすぎるタイプで、ひどい時は大阪へ飛行機で向かわないといけないのに出発時間の少し前に目を覚ましたことまである(その時は急遽新幹線で行って事なきを得たし、なんだったら飛行機よりも早く着いた)。

昨年の年末から新しい薬を飲んでいる。わたしは普通の人ができないことがわりと難なくできる代わりに、普通の人が当たり前のようにやっていることがすこぶる苦手、というたちである。でも、社会というのは普通の人たちが生きやすいようにできているし、普通の人たちが普通にできていることとはすなわちほとんどが「生活をちゃんと営むこと」につながっていて、それが苦手だと結局本来の力を発揮できなくてもったいない。それで、新しい薬を飲むことにした。

今のところ、薬に期待していた普通の生きやすさみたいなものはそこまで感じていないが、代わりになぜか朝わりと起きられるようになった。いや、それだけ読むと「それは普通の生きやすさでは?」と思うけど、この薬の副作用としてはむしろ眠気や傾眠がまあまあ出るらしいのだ。不思議な話だ。

とはいえ起きられることはありがたいので、関係ないと思うが一旦この薬のおかげということにしておこうと思う。ありがとう。感謝されると薬もうれしくて効いてくるかもしれないし。


夜中だがおなかがすいていたので、何か入ってないかと冷蔵庫を開けたらレンジで温めるだけで食べられる肉まんがあった。しかも2袋あって、肉まんだけ3つ入っているものと、肉まんとあんまんが2つずつのもの(ただしこちらは朝ごはんに肉まんを1つ食べたので、のこりは肉まんが1つ、あんまんが2つ)。2袋も買うぐらいには好きなのに冷蔵庫を開けるまで存在を忘れていた。迷わず肉まんとあんまんを1つずつレンジに入れる。夜中の3時である。

袋の裏を見たら、肉まん2つを温める場合は60秒、あんまん2つを温める場合は50秒と書いてあった。それじゃあ1つずつの場合は?うちのレンジは10秒刻みでしか時間を指定できないので、ちょっと迷いつつ「10秒」のボタンを連打する。10、20、30、40、50、0、あれ?

10秒のボタンの隣には「1分」のボタンがあるため、60秒温めたいときはそちらを押さなければいけないのだった。50の次は60ではなく0なのだ。

切り上げで60秒温めつつ、セブンイレブンでバイトをしていた時は45秒と言われたら50秒で温めて5秒前に律儀に開けていたなと思い出す。もう5年ほど前の話だ。

そういえばセブンイレブンのレンジは温め終わりのとき、0秒になると同時に音が鳴っていたが、家のレンジは0秒の表示を1秒間きっちりやってから音が鳴る。コンビニバイト時代は表示が0秒になると同時にすかさずレンジを開けて商品を渡していたから、家でも癖で0秒になった瞬間レンジを開けたら途中で開けたという扱いになり一時停止状態になるので初めて気がついた。

レンジのあの表示は残り時間を表していると思うので0秒になった瞬間温めが終わったほうがなんとなく納得がいく。でも機械的にはそれをやろうとすると、残り1秒から0秒の間、たとえば0.3秒のあたりでは切り上げを行わないといけないのかとふと思い至る。家のレンジは小数点以下を切り捨てていたのかと思うと、0秒の表示をきっかり1秒間やってから温め終わるのも納得がいく。

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