リビジョンコラム⑤

 今回はリビジョンの楽曲の中でも河井の実体験について書かれた曲について話していきたい。

 ここで、そのような楽曲についての話をする前に河井のこれまでの人生について触れておきたい。彼の思想・思考は楽曲に大きく影響し、これまでの人生経験がかなり大きく関わってきている。

 彼はYouTubeで毎日20時に動画を投稿し(以前は18時)、“ずーまー“の名で知られるユーチューバーの顔も合わせ持つ。YouTubeに人気が出てくると、バンドマンなのかユーチューバーなのかと疑問を持つ人も多くなってくる。しかし本人は、バンドを有名にする為にYouTubeを始めたと明言している。河井は”音楽で食いたい(ヤダヤダムリムリ弱肉強食)”と歌うほど、なによりもバンドを売れさせて音楽活動で生計を立てたいと思っている。それは他のメンバーも同じである。活動を始めた頃はかなりの苦労を重ねており、現在もその苦労が完全になくなっている訳ではないが、”音楽でなんとかやらせてもらっている”と本人が語るほどにバンドは成長している。

 河井教馬改め、ずーまーのYouTubeチャンネルでは主に恋愛について語っている。彼が思ったことを遠慮なくズバズバと話していくスタイルである。最近ではホワイトボードを活用し、予備校の講師のようなスタイルで分かりやすくも面白い動画もアップしている。ずーまーチャンネルもReVision of Senceの公式チャンネルも全てメンバーで撮影・編集をするセルフプロデュースである。
 その彼のチャンネルで時たま恋愛解説動画ではなく彼が淡々と語るという動画がアップされる。その中で彼は家庭環境について暴露している動画がある。その動画アップ以前まで隠していた様子もあまり感じられないが、彼は中学生頃に両親が離婚。母親は昨年病死。唯一の家族である妹ともほぼ連絡を取っていないという。バンドが溢れる昨今、いくつになっても親からの経済的支援を受けて活動している人も多い。しかし、家族0人(本人が提言)で頼る人もないとなると必死に何とかしようとも思えてくるものだろう。彼の現在置かれた状況が彼とバンドを強くしているのだろう。

 河井の実体験について書かれた楽曲の中で筆者が初めて聴いた時に一番衝撃を受けた楽曲は「お前なんて死ねばいいのに」というパンチの効いた台詞で始まる”捨てても構わない過去”という楽曲である。家族団欒など経験した事が無く、家庭が壊れていく様子が有り有りと描かれている。こんなにも辛い自分の過去を歌詞にする事は勇気がいる上、簡単な事では無い。しかし、音楽に乗せることで自分自身がこの経験を乗り越えるためのヒントを探していたのではないだろうか。人に届ける以前に彼は自分自身のためにこの曲を書いたのではないのだろうか。音楽の使い方は幾通りも存在する。それを彼が教えてくれている。

 この楽曲以外にも彼のこれまでを綴った楽曲はたくさんある。家庭環境やバンドの成長について触れているものが数多くある。飾った歌詞やかっこよくて響きの良い歌詞。それを世の中に提供しているバンドはたくさんいる。そのたくさんいるバンドと同じ事をしても意味が無い。彼はそう感じているのではないだろうか。"憧れや希望になりたいわけじゃない(Yeah!めっちゃナンマイダ)”と歌うほど彼が目指しているのキラキラしたアーティストではないのである。
 その彼のやり方、バンドのやり方に賛同し応援するファンは日々増えている。やり方は人それぞれ。Revision of Sence、彼らはまだまだ成長していくだろう。

 奏歩


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