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ドバイのテーマパークで働いてみた。Ⅲ

ダンサーKanakelです。

ドバイ日記Ⅰ、Ⅱからのつづきです。

パフォーマーたちのリハーサルが始まった。


まずは緊張の自己紹介、そしてステージや役柄の説明。

ディレクターはオーストラリア人だけど、聞き取りやすい英語を話す人で、かなり集中力はいったけど、大体理解出来た。

有名アニメのキャラを演じるわたしたちは、朝から DVDを見て研究。

お昼はスタジオで軽食バイキングを食べ、パフォーマー同士仲良くなるため、身体を使ったゲームをしたりしてた。

数日経つと、今度はアクティングのレッスン開始。
ゴリラだったらゴリラの真似、酔っ払いのふり、など、自分で想像力を働かせながら全身で表現していく。恥もなにもない。みんな、積極的に円に入って演じていく。

アクティングなんてやったことのないわたし。しかも、日本人の中でも恥ずかしがり屋の消極的。
ただでさえ演技のプロたちの大声や大振りに圧倒され、ちびアジア人なわたしはますます萎縮。

相変わらずのホテル暮らしで、部屋に帰ると落ち込む日々。



だけど、少しづつ少しづつ円に積極的に入っていくようになったり、集中力、瞬発力、表現力、いろんなものを吸収していこうとした。

ディレクターはそういったところでそれぞれの個性を見てる感じだった。

周りのネイティブスピーカーたちにもなるべく自分から話しかけるようにしたり、英語が苦手だからってタジタジしたり背中が丸まらないよう意識してた。

どこにいても自信持って、シャンとする。

ただ、集団に溶け込むけど、溶け込みすぎないようにするのが大変だった。

住む場所も職場もずーっと一緒。どこにいてもだれかがいるって結構ストレス。だけど友達や仲間も必要。


食事の席では特に、まとまったグループが自然と出来る。やっぱり、白人、黑人、アジア系、アラブ系ってなんとなく分かれて固まる。1人大好きなわたし、グループに囲われるのが嫌いなわたしは、毎回適当にフラフラと輪に入ってた。でも、これも、意外と、勇気、いるんだよね。

なにも考えてない風でなににも属さずいたいけど、それでいて浮かずにいられるスキルって、結構、上級者向けだと思う。

結局フィリピン人、モロッコ人あたりが居心地良くて、たまにアフリカと白人。みたいな感じでひょろっとやり過ごしてた。その中でもオーストラリア人よりアメリカ人とか、白人女性より他の女性とか、やっぱり合う合わないの系統は国籍によってあった。それでも人によるけどさ。あるよね。人間だもの。

しばらくアクティングのレッスンが続いて、
まさかのパーク自体のオープンが延期になることに。
ディレクターたちも、わたしたちのリハーサルで、やることなくなってきたぞ状態に。

ダンスのショーがオープンするのももっとあとだから、また振りや構成も決まっていないらしく。
リハも、自分たちで適当にダンスしながら体力づくりしてねって。まじかい。


パフォーマーたちの中でも不満や不安がぐるぐる。
ただわたしはジムに行ったり、英語を勉強したり、ダンスの基礎をやり直したり、自由な時間は自分のスキルを磨くことに集中してた。ネガティブで受動的な空気に流されないように。

会社から先に言われた条件が違うこと多々、給料が払われなかったり、住むはずの寮も未完成だったり。自分がダンサーだと言われてドバイまできたらマスコットだった人が何十人もいて、しまいにはやめていく人続出。

もうね、色々あったよ!笑

ただ、この不穏な空気を変えるごとく、ディレクターが、パフォーマーの内部オーディションをやる!と。

よし、来た。これを待ってたの!!!
これに受かり、わたしのパフォーマーのグレードがアップすれば、給料も待遇も変わるし、もっといいステージに立てる!
なにより、インド人とシェアしてる部屋を替えてくれ!
そしてこのふざけた給料を変えてくれ!と。
久々に燃える闘士。

つづく。

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