過換気症候群になって全身硬直してゲロゲロで救急車で運ばれた日記を書いたんだが。

実はその後1ヶ月くらい、車の運転ができなくなった。

過換気症候群〜の体験が原因かどうかは正直なところわからないけれど。
ずっと体が宙に浮いているようなふわふわが続いていた。

家だと、特に立っている時。
お料理してる時も、2階に上がっていく時も、着替える時も、なんとなくいつもふわふわと地に足がついてない感覚があって、ずーっと脳が気持ち悪い。

椅子に座ったり、寝たりするとなんとなく安定する。
そんな感じの日々。

まあでも、たいしたことではないだろう、気のせいかもしれない、くらいに思っていた。
（私は基本的に自分に甘いし、自分を過信しがちだ）

運ばれた日から数日後、たまたま出かける用事があって車で1人で出かけた。
そして、バイパスを運転中、フワフワした感じが突然やってきた。

21号線は、高架になっていてしばらく信号もない一直線の道。
時々ある脇道から下道に降りないと、路肩に停めるのも危ない。

なんだか逃げ場がない気がして、心臓がバクバクして汗が出てきた。
頭もふわふわしてて、視野も狭くなる。
私は、「また過換気症候群になるのでは？！」と思った。
なんか、やばい、と思って、一番近い脇道から降りた。

降りて、車が停められそうな場所で緊急的に駐車。
とりあえず自分の気持ちを落ち着ける。
もうバイパスには戻らず、いざとなったら路駐できるような小さな道をゆっくりと運転して自宅に戻った。
そして横になって調べ物をし始めた。

私はとても気になっていたことがあった。

過換気症候群ってクセになるのかな？
もしかして、極度な緊張を迎えた時に過換気になる＝パニック障害とかに繋がったりするのかな？
これからも、少し緊張すると過換気になりそうって思っちゃうのかな？
運転してる途中に過換気になったらどうなるんだろう。
電車は乗れるんだろうか。
・・・

いろいろ調べてもクセになるとかは書かれていないし、パニックとは一応違う病気ではあるようだ。（合併症はあるし症状は似ている部分もあるが）
調べると一応安心はする、一旦。

でも、44年間生きてきた中で実はあまり感じたことがなかった「不安」という感情が、ひょっこり現れてきているのを感じた。

新しい感覚だった。
私は昔は人見知りで繊細な性質だったけれど、「不安」と言う感覚はそんなになかった気がする。
気づいたら人前で話したり、リーダーシップを取ったりもできるようになっていた。

大人になってからの自分は割と、細かいことを気にせず、なんとかなるさ〜って気楽なノリで生きてる人間という印象だ。
年々、恥ずかしいとか失敗したらどうしようとかの感情も薄れ、大体生きてりゃなんとかなる、むしろ経験値上がることしたい、くらいの「心は冒険家」みたいな感覚でいた。

なのに。

「不安」という新しい感覚に出会ってしまった。

そこからしばらくは、怖くて運転ができなくなった。
漠然と、生活が不安だった。

運転ができなくなった自分も認めたくなかったし、何をやってても地に足つかない感覚が気持ち悪かった。
このままずっと、うっすらとしためまいみたいなものが続くのかな？と思ったらまた不安になった。

メニエールや鬱について調べたりした。
病気になりたくないという感情的な気持ちと、もし自分が何か明確な病気であるなら対処したいという建設的な気持ちと、両方が行ったり来たりしていた。

以前は「無理しない」という感覚がよくわからず、よく倒れたり、点滴打たれたりしてきたのだけど、今回の件でいい加減、自分はそこまで体が強くないのかも、ということを認めないといけないな、と実感した。
（実感するのが遅い）

メンタルの強さには自他ともに定評があったのだけど、今回ばかりは、弱ってるな、と感じた。

こんなに「不安」を感じたことは今までなかった。
インドで脱水で倒れた時も、「あ〜なんか人ってこうやって死ぬのかな」って呑気に思ってたくらいで、不安は感じていなかった。
そうはいってもどうにかなると思っていた。

でもこの、運転ができなかった時から「自分はどうかなってしまうのではないか」「ずっとこのままなのではないか」という不安が漠然とずっとあった。
そして失礼ながら、世の中の皆さんが時々「不安」と言っていることの意味がやっとわかった気がする。（人間の心を知る、的な…）
不安って、本当に不安なんだ。。

でもこの不安が続くのは嫌すぎる。
こんなことで押し潰されたくない。
一時的なものだと思いたい。

不安と、不安を脱したい気持ちと、揺れ動きながらの2024年が始まった。