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シチュボ:「クラゲノコント③」

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

今回は僕が活動しているユニット「くらげふぁくとりー」で使ったコントシナリオをお届けいたします。

楽しんで頂けると幸いです。


【クラゲノコント③】

作:カナモノユウキ


コント『テレポートの代償』

〔登場人物〕
・A:普通の男性
・B:自分以外の物をテレポートを出来る能力を持つ

B「はァ~~~、あったけぇ…春だなぁ。」
A「ホント……色々と芽吹く時期だよなぁ。」
目の前にイチャイチャしているカップルがいる
B「そうだなぁ、芽吹くよなぁ。桜も芝生も……〝バッ〟カップルもなぁ。」
A「あー!チクショー!なんで春の麗らかな日に野郎二人で酒呑んでカップル眺めてんだよ、俺たち。」
B「知らねーよ、お前が誘ったんだろ。」
A「ん?あ~そうだった…はぁ、昔からの腐れ縁だから誘ったが……相手間違えたかなぁ。」
B「おい!呼んどいてそりゃねーだろ!」
A「だってよー、いつも通りすぎてつまらないんだよ。せめてお前が〝一発芸〟でもできたらなぁ。」
B「お前、言ったな?〝一発芸〟すれば楽しめるんだな?」
A「お!なんか出来んのかよ、この退屈も吹っ飛ぶような芸なんだろうな?」
B「吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ、お前もろともな。」
A「はぁ?何言ってんだよ、俺が飛ぶってまさかそんなに…。」
B「はっ!!!」

掛け声の直後、友人Aは目の前のカップル横にテレポートする。

A「は!?え!?なんだよコレ!え!?アレ!?なんでお前そこいんの!?なんで俺こっちいるの!?ねー!」
B「ふん!!!」(友人Aが戻ってくる。)
A「んお!あ、アレ???え??今、何が起こったんだよ!おい!今の何だよ!」
B「〝テレポート〟だよ。」
A「はぁ!?!?〝テレポート〟ってあの超能力的なアレか!?」
B「それ以外にないだろ〝テレポート〟は。」
A「えーー!!マジか!!お前コレってドラゴンボールの瞬間移動みたいなもんだろ!?スゲーなマジで!」
B「凄くないよ、それにコレ……その悟空の瞬間移動とは全然別モノなんだよ。」
A「え?だって自分も出来んだろ?〝テレポート〟、お前最強じゃん!」
B「全然最強じゃないんだよ、これには大きな欠点があるんだよ…。」
A「なんだよ、距離が短いとかか?一回使ったら数時間使えないとか?」
B「いや、違う。そういうのじゃない。」
A「じゃあなんだよ、スゲー羨ましいよその能力。」
B「あんな……コレ、〝自分自身〟には使えないんだよ。」
A「……え?そうなの?え?自分以外は飛ばせるけど、自分自身は何処にも飛べないの?」
B「……そう。」
A「だっせーーーー!!!マジかよ!そんなスゲー能力なのに!?滅茶苦茶勿体ないじゃん!!」
B「だから、凄くないんだよ。」
A「いや、スゲーはスゲーよ!けど……勿体ねーなーマジで!そんなことあんのかよ!」
B「あるんだよ、俺も最近自分にこんな力があるって知ってさ。最初は身内で実験したんだ。タンスにいる父さんを庭に移動させたり、庭にいるばあちゃんを居間に移動させたり、居間にいるじいちゃんをタンスに移動させたりしてさ。」
A「なんだよその無駄なルーティンと使い方、しょーもなくしか聞こえねーし父さんなんでタンスにいんだよ。」
B「引きこもりがちだからさ。」
A「意味わかんねーよ。」
B「とにかく、色んなもんをテレポートさせたけど…いくらチャレンジしても自分自身を飛ばすことが出来ないんだ。」
A「はぁ……十分スゲー能力なんだけどなぁ、それは残念だ。」
B「こんなもん、花見の席の〝一発芸〟にしかならないのさ。」
A「まぁ特殊能力なんてさ、誰でもあるもんじゃないし、他人でも飛ばせるんだからいいじゃないか。」
B「生かせることがあればいいけど、今のところ使い道なんて出勤しなきゃいけない父さんを職場に飛ばすことぐらいだよ。」
A「え、お前んとこ浦和だろ?親父さん確か会社足立区だよな。結構距離あるじゃん。」
B「大体、19キロぐらい離れてるな。そんぐらいなら余裕で飛ばせるし、一回間違えて北海道にも飛ばしたぞ。」
A「え!?北海道!?そんな遠い場所にも飛ばせるのかよ!」
B「ああ、見るか?そん時の父さんの自撮り。」

父親がパジャマ姿で豪雪地帯で震えている写真を見せる。

A「マジかよ、スゲー雪景色にパジャマって。正気じゃねーな。鼻水凍ってるじゃん。」
B「な?それぐらいの距離なら余裕なんだよ。」
A「え、え、じゃあさ。俺を遠距離恋愛中の彼女のとこ飛ばしてよ!住所とか一回お前も一緒に行ったから分るだろ?な?」
B「え、あそこ大阪だよね……たぶん行けるけど。連絡とかしなくて大丈夫?」
A「大丈夫大丈夫、サプラーイズ!とか言えば誤魔化せるから!な!一瞬でいいから!頼むよ!」
B「わかったよ、一瞬だと意味わかんないから帰りたいときLINEしてよ。戻すから。」
A「わかった!よし!そしたら早速やってくれ!」
B「了解、行くよ!はぁっ!!!」
友人A、消える。
B「よしっと、彼女さん……驚くだろうなぁ。」

LINEの着信音。

B「お、アイツだ。どんなリアクションを……え、〝戻して〟ってまだ一分も立ってないけど。」

再度、友人AからLINEが来る。

B「〝早く戻して〟って、なんだよ。せっかく飛ばしてやったのに……ったく、仕方ない。ふんっ!!!」

友人Aが戻ってくる。

B「どうしたんだよ、いくらなんでも早すぎないか?……おい、何黙ってるんだよ、サプライズ出来なかったのか?」
A「サプライズ……し返されちゃった。」
B「なんだよ、し返されたって。」
A「ほかの男とさ……〝真っ最中〟だった、すっぽんぽんで。」
B「おぉぉぉぉ………マジか。」
A「……マジだ。」
B「とりあえず……これからどうする?…あ、お前んちに、テレポートしてやろーか?」
A「……いや、もう……いいよ。」
B「そう……だよな。」

カップルを眺める二人。

二人『はぁ~~~。(溜息)春だなぁ。』


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

何か、馬鹿馬鹿しい話がやりたくて方んですが。
中々上手くまとまらず、書くのに苦労した記憶があります。(笑)

本当に、コントは難しい。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


【おまけ】

横書きが正直苦手な方、僕もです。
宜しければ縦書きのデータご用意したので、そちらもどうぞ。

準備中


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