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マイノリティの人々への「Banso」

NTTドコモグループ横断の企業内大学である「docomo academy」。
3月18日(月)に実施された「魂の最終プレゼン」の中から「社会課題コース」で圧倒的な存在感を放った「Banso」の取り組みを紹介する。

docomo academyとは?
イノベーションに必要な素養は能力より勇気。最初の一歩を踏み出す勇気を育てる企業内大学が「docomo academy」
NTTドコモ|企業理念・ビジョン|企業情報
docomo.ne.jp

出典:NTT docomo ミライQuestions

勇気ある自己開示

起案者の平辻みきさんとメンバーの吉鷹千尋さんが目指すのは「マイノリティを理由に『孤独』を感じることが限りなく少ない世界」。6カ月間のdocomo academy期間中に自らがトランスジェンダー当事者であることを自己開示した平辻さん。そんな平辻さんの勇気に触れ、活動を隣で支えることを決意した吉鷹さん。プレゼンの中でも、自身がトランスジェンダーであることをあらためて自己開示し、人生の多くの段階で孤独を感じ自己の存在すら疑問視してきたことを、静かに、ゆっくり、力強く語ってくれた。

一緒に悩んでくれるから孤独から踏み出せる

取り組みのコンセプトは「なりたいあなたに寄り添う伴走支援」。名称は「Banso」。平辻さんはdocomo Academyに参加したことで仲間と出会い自分自身の存在意義を再発見できた。そのことがきっかけとなり、同じように孤独の中にいる人を救いたいと考えた。例えば、男性として育った人が初めて自分用に女性服を購入したいシチュエーション。現状では多くの場合、一人で考え、悩み、行動する以外に選択肢がない。その不に着目し、Bansoは一緒に考え、悩み、行動することを援助する仕組みを目指している。トランスジェンダーの人々が日常生活において、当たり前のように希望を持てるよう、孤独から一歩踏み出すことを支援する。

それぞれの視点で語られたストーリー

魂の最終プレゼンでは、220人の全参加者が12のグループに分かれ発表を行った。チームを組んでいる場合でもメンバー全員がそれぞれ発表を行うレギュレーションのため、平辻さんと吉鷹さんも各々別のグループに分かれプレゼンを行った。同じ取り組み内容をそれぞれが別の視点と切り口で語ったため、運良く両方のプレゼンを聴くことができた人にとっては、より共感性が高く、双方のストーリーをシンクロして体感することができた。

目指すのは、ごく当たり前の世界

性的マイノリティに対する配慮や支援が当たり前な世界の実現には社会全体の変化が必要だ。SDGsの17目標は、全ての人々が平和と豊かさを得ることのできる社会を目指して設定されている。しかしながら、いや、だからこそであるが、SDGsの中に「minority」(マイノリティ)という単語は含まれていない。絶対数が多かろうが少なかろうが、「全ての人」が平和で豊かであることの対象なのだ。「Banso」が目指す世界は、未来の人々にとっては、ごく当たり前の世界だ。
お二人の取り組みが社会全体の変化のきっかけになるよう、引き続き応援していく。

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