自分の肌がブルーベースかイエローベースかで、似合う色が決まってくる。

さらにブルベ(ブルーベース)は夏と冬、イエベ(イエローベース)は春と秋に分かれる。

そしてより細かく分けることもあるそうな。

私は昔、簡単なパーソナルカラー診断を受けたことがあった。

夏タイプだった。

それから、コスメや服を選ぶときにちょっとだけ気にするようになった。

一部のコスメにはその色がブルベに合うかイエベに合うか表示されていることもある。

書かれているとなんか気になってしまう。

あるとき口紅を見ていると美容部員から声をかけられた。

私は何色にしようかなぁと迷っていたのだが、ここで美容部員がある一言を言う。

「お客様はブルーベースだと思うので」

きっと美容部員はその客に似合う色を伝えようと、自分の仕事を誠実にまっとうしようと言ったのだと思う。

私はその一言でイエローベースの口紅を買いづらくなった。

自分の好きな色を買えばいいだけの話しである。

しかし、美容部員が「あなたはブルーベースですね」と言った横で、イエローベースのコスメを手に取る勇気がなかった。

「この人、ブルーベースって教えてあげたのに、なんでイエローベースの色を買うんだろう」

そんなことを思われるかもしれない。

ただの被害妄想である。

私が好きな色は割とイエローベースと呼ばれる色が多い。

だからなのか、服でもコスメでも自分の好きな色を身につけると「なんか似合わない？」ような気がするのだ。

リップを選ぶのにものすごく時間がかかるかかる。

何色が似合うのか分からなくなると、次第に何色が好きなのかも分からなくなってくるのだ。

結局、何色を買っていいか分からず、買わなかったこともしばしばある。

私自身がパーソナルカラーに囚われているのかもしれない。

好きな色を身につければいい。

気になったら色を試してみればいい。

ただそれだけのこと。

ただそれだけのことを、今の私はすることが難しい。