部屋の片づけをしていたら、とある書類が出てきました。

ずっと前、生まれて初めてCDを全国リリースした時の、受注データです。

確かその当時のバンドを組んでちょうど1年くらいで「CDを全国発売したいなー」って思ってた時、古本屋で「レーベルの作り方」っていう本を偶然見つけたんですよね。その本に、作ったCDを流通に乗せて全国発売する方法が書いてあったんです。

その本を買って帰ってフムフムと読み終わった後、さっそく自分達でレコーディングをし（ホントにマイクも自分達で立てて録りました）、知り合いのエンジニア（今はエライ人）に頼んでとある有名バンドの所有スタジオを使わせてもらってミックスしてもらい、マスタリングっていうものを初めて知ってマスタリングスタジオでマスタリングをしてもらい、イラストレーター等のソフトなんか全く使えなかったので知り合いの知り合いのデザイン会社で働いている人に頼んでジャケットデータを作ってもらい、プレス業者へ発注してCDをプレスし、本に掲載されていたディストリビューター（CDを流通させる卸問屋さん）に片っ端から連絡してそのうちのひとつと契約し、めでたく全国発売となったワケです。

で、その時は自分でCD屋さんへ営業にも行ったんですけど（基本的にディストリビューターは流通を担う会社なので営業はしてくれない）、イニシャル（初回受注）の受注状況をディストリビューターが結構マメに連絡してくれてたんですよね。CD屋さんからの注文はディストリビューターへ行くので。で、その頃はそう言うやり取りはFAXだったんで（そのためにFAXも買いました）、FAXで届いた受注データがまだ残ってたんです。

とそんな感じで、初めての全国発売は、いわゆるインディーズレーベルと契約してCDを出してもらったワケではなく、正真正銘何から何まですべて自分の手でやりました。結局その時に「CDを全国発売したいなー」という思いだけで立ち上げ、思いつきで名付けたSICK IN RECORDSをいまだに経営していると思うと不思議なもんです。

ところでその受注データを見てみると、しみじみ「その頃はCD屋さんってたくさんあったんだなあ」って思いますなあ。

【813】
泳ぐ魚を垂れ流し
走る獣は走馬燈
稲妻さえ黒く染まる闇を剥いで
お前包む

Twitter

Instagram