一人称の話
一人称‐いちにんしょう
あなたは何を使っていますか?
私 僕 俺 自分 わし(?)
ほかにもあるとは思うけれどこの辺かな。
自分を個として成立させるその言葉に、前から思っていることがある。
「あのね、リナね」
(全国のリナ様本当にすみません。例えに使わせてください。)
自分を名前で呼ぶ大学生くらいの子を見かけるとうんざりする。
5歳児じゃないんだから一人称くらい変えなさいよと。
時たまお姉様でもいらっしゃるけど、それはもう触れまい。
お客様にも結構多く、親子でいらっしゃる方でも注意したりなさらない。ぼくは小さいころから母と祖母に名前で自分を呼んでいいのは小さなこどもだけだと躾けられていた。
それもあってか外でそれを聞くと内心「あの子(頭)大丈夫かしら」と勝手に不安になる。
ぼくは普段仕事をするとき私という一人称を使う。
社会で自分の意見を自分より社会的地位の高い人に聞いてもらうためには、状況に合わせた身だしなみや言葉遣いが必要になる。
スーツ然り、敬語も然り。
社会人として認められるために必要とあらば一人称くらいどうってことはない。…たまにうっかり出てしまうこともあるけど、皆さん優しいから聞かなかったことにしてくれる。
あとは、まじめすぎないようにわざと名字で自分を呼ぶことも多い。ただこれは前提にまじめである必要がある。でないとちゃんとしていない子の印象を与えてしまうから。
面白いことに、僕と間違えたらおやって顔はされるけれど、顔をしかめられたことはない。けれど最初に書いたような名前呼びをすると、十中八九上司はこう言う。
「君、もう大人なんだから」
自分を名前で呼んでいいのは幼い子供だけ。分別があるならそこにアイデンティティーは出すな、と意味を込めて。
ちなみにぼくが『ぼく』を使うのはそれがしっくりくるのと、
人生で何度か受けた痴漢から、女であることを否定したい気持ちも少しある。
だからぼくは仕事が全く関係ない時は『僕』を使う。
けれど
服にTPOがあるように、言葉にもTPOがある。そしてそれをうまく使いこなす人ほど、うまく自分を魅せられる気がする。
見た目以外で美しくなれるように努力することだって立派な自分磨きだよね。
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