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呼吸をする感覚

最近私はダイビングにハマっている。

ライセンスを取ったのは3年程前だが、毎年1年に1回しか潜らない位には、ダイビング生活からは遠ざかっていた。
きっかけは今年の4月。部活の頃の友達と「何かがしたいから、潜りに行こう」という話になり、潜った海で感じたダイビング特有のフワフワとした感覚が忘れられなくてそこからしっかりとハマってしまった。

友達とダイビングをした後。
これから定期的に潜りたいと、ダイビングショップの人に言った時「海の何に惹かれて、何が好きでダイビングをしたいと思ったの?」って聞かれてす凄く戸惑ったことを覚えてる。確かに私のいうフワフワとした感覚なら、プールでも味わえるものだから。

お魚は綺麗だと思うけど、それ自体にすごく魅力を感じるから、潜りたいわけではないし。
綺麗な海は勿論好きで、沖縄の海にいつか潜りたいという気持ちはあるけれど、伊豆のゴツゴツした岩のある海もとても好きだから、海に対してこだわりがある訳じゃない。

じゃあ私にとっての潜るってなんだろう?と考えた時、私の存在なんて無視して泳ぐお魚たちを、ふわふわと浮きながら見る事だなあと潜りながらゆるっと思った。

綺麗な海での景色はやっぱり特別なもので、海そのものが魅力的な事は言うまでもないけれど、
陸では見ることが出来ない魚たちが、
目の前の私なんて御構い無しに、餌を食べにこっち側に向かってくる姿。
えっ私いるよ!怖くないの?マイペースすぎんか!って突っ込みたくなっちゃう反面、そのマイペースさがわたしには凄く魅力的に思えた。


それは多分、私達がずっと周りの目を気にして生きてるからこそ感じる感覚で。
だからこそ怖いもの知らずな魚が魅力的に思えるし、そのマイペースさを私達は手に入れるべきだと思った。

そう思ったら、常に肩に力が入ってる事とか呼吸が浅くなってることに気づいたり。
むしろ呼吸って、自分の息ってどう吸ってたっけ?って当たり前にしていた事がわからなくなっていたり。いっぱいいっぱいな自分に気づくことが出来た。
正確には、気付かされたなんだけれども。

ダイビングに初めて魅せられたのは、フワフワとした特有の感覚だったけれど、それ以上に今は
自分では気づいてあげられない自分のSOSに気づく事が出来るところに魅せられている。
もうこれはダイビングを好きと言うよはり、私には必要な事だという事。

呼吸をする感覚を忘れてしまう程、自分が分からなくなる程、いっぱいいっぱいになってしまう。多分それは私だけじゃなくて、多くの現代の人が1度は感じた事がある事だと思う。

私にとっての手段はダイビングだったけれど、自分のSOSに気づくことが出来る何かが、手段や拠り所がみんなにあればいいなと思う。

自分の呼吸の音を聞く時間はとても大事だと思わせてくれたダイビング。これからも自分の気持ちにきちんと寄り添ってあげたい。
みんなの幸せだと思える時間が、続きますように。

おわり

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