たとえば

例えば、いつもより早い時間にバイトが終わって、それは15時とか16時とかそういった、季節というものを最も敏感に感じられる時間、にバイトが終わって、僕が働いている場所は地下にあるから、数時間ぶりに外の様子を知ることができて、朝くる時に降っていた雨はいつの間にか止んでいて、その代わりに道端にはほんの少し雪が積もっていたりした時に、なんとなく泣きそうになる気持ちを、誰がわかってくれるのだろうと。

言いようがない気持ちが湧くことがあって、それはおそらく誰にでもあって、ただ僕はあなたのその瞬間を知りたいと強く思っていて、ああこれが恋とも呼べる感情なのかしらと思うと嬉しいどころか不安にすら思う。

目尻のほんの少しの皺や、笑った時に盛り上がる口角に、そういった筋肉や皮膚の活動に心が躍るなんてことが、ただの有機的な活動に気持ちを揺さぶられるなんてことがあってはならぬと、僕の中の僕は、僕に強く訴えているけれども、止まらないものは止まらない。

サバンナをかけるジャッカルと等しいことだ。それはあくまで本能的に、敵から逃れたり水辺を探したり、本能的な目的に伴って彼らは行動する。それと全く同じことだと思う。止められない、のではなくて、止めようがないのだ。

たとえば、この寒さについてあなたはどう感じているのか知りたい。笑って、寒いねと、あなたは僕ではない誰かに言うだろう。そんなことを思うととてつもなく寂しい、気持ちになってしまう。

たとえば、あなたは僕以外の誰かに当然恋をして、僕に見せるよりも少しだけ多くの表情をさらけだしている。そんなことを思うと、僕はとてつもなく嬉しく、寂しい。

最近、悪いものを食べてしまったようで、ここ3日間くらい1時間おきにトイレに立ち、便座に座り、下痢をしている。はやく硬いうんこがでるようになってほしい。

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