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『林檎』(詩)

ぼくは いかようにしても凡庸なひとである

きのうまで見ていた夢は
あしたからも変わらず
きみと見る夢は
懐の金では買えない

比べて きみは美しいひとである

寝転ぶといつもと違う方向に流れていく髪を
口の端からこぼれる雫を僕は拾う
コビトになって旅をしたくなるようなその丘を
まるいりんごの表面を滑らかにすべる

ぼくは小さいから 時間をかけて食べるね
 
 
 
 
 
 

僕の書いた文章を少しでも追っていただけたのなら、僕は嬉しいです。