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横になると思い出すのは、手って重いんだなって言う事。

寝る時、必ず横向きで寝ます。
思えば子供の頃からそうだった気がする。
足も曲げて、胎児の様な体勢で寝ています。

そんな私ですが、さすがにギラン・バレー発症時は
仰向けで寝ていました(それしか出来なかっただけ)。

普段は見ることのない天井が新鮮で、
病院の天井って白いのにきれいだなとか
どうでもいい事を考えたりして。

自宅にいる時は「あ、あそこ汚れてる」とか、
天井ってこんなに高かったんだなとか。
こんなに天井を見る事はこの先ないんじゃないかな、
あ、もしかしたらずっとこうかもしれないだとか
天井だけでそんなに考える事ある?って位、あれこれ考えてましたね。

多くの人が足から始まり、徐々上の方に症状が広がるらしい
ギランバレー症候群ですが、私は手⇒足⇒顔と広がりました。

まだ重い事は重いけど、足が少しは動いていた時期、
朝目が覚めて天井を見ながら背中が痛い事に気が付きました。

寝返りうたなきゃと思って、腰から下をねじり、
膝を立て、片足で床を蹴って横を向こうとしました。

すると、体はねじれているのに、腕だけが付いてこない。
だらんと脱力した腕だけが、背中側に残ってしまうのです。

「腕って、こんな重かったんだ」
初めての感覚でした。


それでもその日は何回か反動をつけ、何とか横を向けました。
出来た頃には体力を使い果たし、全身汗だくで
肩で息をしていたので、寝返りの大変さを知りました。

それから日を追うごとに、体の動く部分が少なくなっていきました。
前の日には出来ていた事が、翌日には全くできない。
繰り返し繰り返し、何度も何度も出来る方法を試して、工夫して
やっとの思いで出来て、疲れて寝る。

朝はこの背中の痛みと、寝返りを試みる事から始まっていたので、
天井を見ると、それを思い出すのだろうと思います。

今では何となく寝返りを打つことが出来る様にはなりましたが、
体調が悪くて反応が悪い朝は、その時のことを思い出して冷や汗が出ます。

「また出来なくなっちゃったのかな・・」
これは患者交流会でも、多くの人が思うと言っていました。

特に意識しなくても、体がすっと動いてくれる。
これは奇跡に近い事だったんだと思います。
何か1つ出来るたびに感じるあの嬉しさや感謝の気持ち。
それを忘れずに、自分の体を大事にしていこうと思います。

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