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マーダーミステリー白書

マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。
読みたい方に届いて欲しい。そんな内容をつらつらと書いて行きます。
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#ボードゲームカフェ

システムを考える楽しさ①

マーダーミステリーって何を作っているときが一番楽しいか? そんなことを先日きかれて、私は圧倒的に「システム」を考えている時が一番楽しいと答えました。 マーダーミステリーのシステムとは何なのか? 意外とここって見落とされているように感じていて、その冴えたる例が、「第2回 新作マーダーミステリー大賞」に於いて応募作品の9割が「SNE方式(推理時間を小分けにして、最後に設定された行動順にアクションをする)」が採用されていたことかなと思います。 画一的なシステムにすることは悪い事

リスペクトと信用

私は、マーダーミステリーでもなんでもないものを「マーダーミステリー」と呼称する人は居なくなって欲しい過激派ですが(コンテンツを否定するものではなくジャンル付けのみの話)、そういうスタンスを「原理主義」と表現し「原理主義は衰退を招く」といった言説を見かけてしまったので、本当にそうだろうか?という話をつらつら書いて行こうかなと。 本当に面白ければ何でもいいのか? 個人的に、それがどういうコンテンツやジャンルのものか分からずに享受する分には「面白ければ何でもいい」と考えると思い

理想のマーダーミステリー劇

私事ではございますが、むしろいつも私事ではございますが、先日、マーダーミステリー劇『Love Letter for You』の再演5公演が終了いたしました。 初演に続いて大変楽しい舞台だったんですが、今回、前回よりも会場がコンパクトになり(今回の会場が狭かったというより、前回の会場がめっちゃ広かったって感じです)一番後ろの席からでもお客様の反応をダイレクトに受け取ることができました。 お客様にめっちゃ笑って貰えているんですよね。結構どの回も。 本望というか、これをやりた

マーダーミステリーとはどのようなものか?

先日、舞台のお話をさせていただきました。 あ、現在はアーカイブ配信もモリモリやっていますので(12/31まで)ぜひご覧いただけると嬉しいです! https://twitter.com/madalove_stage/status/1574232429531131904 今回は、舞台用に作ったマーダーミステリーのシナリオを、実際に舞台を組み上げる脚本や演出の方々に「マーダーミステリーをどのように説明すれば理解してもらえるのか?」と悩んだ時、咄嗟に出てきたセンテンスの紹介と、

新感覚恋愛×マーダーミステリー劇 「Love Letter for You」

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マーダーミステリーを作っていたら脱出ゲームが解けるようになった話

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ペーパーヒーローズ -復活編-

「いつかヒーローものをやってみたい」 マーダーミステリーを作り始めた当初から抱えていたこの思いを、なんとか形にすることができました。 正直に言えば、ヒーローもののプロットはまだ2本あって、どちらも形に出来ればと思ってはいるのですが、とりあえずペーパーヒーローズが形になったのと、この世界観でもう何本か書きたい思いもあって、世に出るのは相当先か、もしくは世には出ないかもしれません。 そのくらい、今作が個人的に好きな作品になったと感じています。 ゲームはノンストップ! 「第

犯人役から見えてくるもの

私は結構な確率で犯人を引き当てる傾向にありますが(大体3割くらい)犯人をプレイしていると、楽しい作品と、楽しいと感じにくい作品の高低差が感じやすいです。 今回は、この「高低差」はどんなところから来ているのかを考えてみたいと思います。あくまで個人の見解なので、流し見していただければ。 「犯人」という役割が無機物な駒となっている最近のマーダーミステリーのトレンド(?)として、「作者の考えたストーリーをそのままプレイヤーに追体験してもらいたい作品」が多い気がしています。

ペーパーヒーローズ

ということで、現在、執筆しているマーダーミステリーをちょい見せです。70%くらい出来ているので、まだ30%ほど練らないといけません(汗) 5月中に公開できるのか?(恐らく5月中に完成させて6月公開?) 8人シナリオ、プレイ時間は2時間、公演時間は3時間ちょっとになる予定です。個性あふれるペーパーヒーローたちが、ある事件の解明に挑みます。 個人的に「ヒーロー」とマーダーミステリーの相性って良いと思うんですがいかがでしょうか? だって、色々とこじつけなくても「ヒーローなら

多様性の末路

弊社が初めてマーダーミステリーを日本で実施した(身内でプレイした)のが2019年3月13日でした。 故に、マーダーミステリーが本格的に日本に入ってきて、3年が経ったと言えます。 さて、マーダーミステリーは3年前に比べて発展したでしょうか? もちろん、答えはYESでしょう。 しかし、ここ2年ほど、停滞しているとも感じます。 なぜでしょうか? 新型コロナという壁はもちろんあったかと思います。 しかしそれ以上に、「ジャンルの膨張」が発展の邪魔をしていると私は感じているのです

楽しいマーダーミステリーとは?

最近、自分自身よく分からなくなってきている 「マーダーミステリーの楽しさ」 正確に言えば、自分の中にはいくつか答えがあり、その答えに沿って制作をしているつもりですが、色々な作品を遊んでいると本当に正解が分からなくなります。 SNSの評判を見るとなかなかに良い評価をされている作品でも、確かに評価されている理由もわかる一方で、「ここはこのままではダメでは」というものが散見され、「楽しい」が削られてしまうこともしばしば。 もちろん、これは職業病だったり、個人的なワガママ……

テストプレイはするな

いや、テストプレイはしてください(汗) タイトルはキャッチ―に、内容はマイルドに、本人は適当にお送りしております。かわぐちです。 タイトルを「テストプレイはするな」としましたが、テストプレイはします。正しくは「なんとなくテストプレイはするな」です。無暗なテストプレイは意味がないどころか、作品の迷走やマイナス調整に働くよって話だと思っていただければ。 また、最近結構よく「αのテストプレイには参加したくない」と言われます。半ば答えは分かっているのですが、意地悪く「なぜか?」

2021年のありがとう

今年も終わりという事で、今年のマーダーミステリー活動の総括?をしていきたいなと。 と言っても、そんなに書くこともなさそうな雰囲気ですが、一応自分メモ的なものも含め。 制作作品:5本 ・ロナエナ -厄災のギフト アークライトさんより発売されている「ミステリーポータブルシリーズ」中のマーダーミステリー2本目。1本目の「消えたパンツと空飛ぶサカナ」は「マーダーミステリーを知らない人への導入と自分が求めているマーダーミステリーの演出的面白さ」というコンセプトで作りましたが、一方で

スタンダードシナリオはまだ必要?

久しぶりになってしまいました。こんにちは。 更新が止まるときは、忙しいときなのですが、忙しさにかまけて止まるのは良くないので、もうちょっとちゃんとがんばらないといけないですね…… ネタはあるのでがんばります(汗) さて、今日はちょっとした杞憂もあり、でもそこに希望もあるとも言える、そんな話に……なったらいいなと思っています(自信はない) 加速する闇は難しい?監修をさせていただいたマーダーミステリー「加速する闇」について、SNS上で「難しい」といった意見があり、それ自体は、