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2023 J2 第28節「いわきFC vs ジュビロ磐田」超主観的振り返り

いわき 0-1 磐田
【得点者】
いわき:-
磐田:ジャーメイン良(後半40分)

今シーズン最も苦しい勝ち点3。

2023年7月29日、ジュビロ磐田はアウェイでいわきFCと対戦。
DAZNでリアタイ視聴しました。

結果は1-0で磐田が辛勝!

いわきFCは、6月14日に村主博正監督から田村雄三監督に交代。監督交代後、磐田戦直近まで7戦無敗(4勝3分)と絶好調。

前評判通り強かったですね。本当に苦しい試合でした。

正に紙一重の試合で、いわきに勝ち点3を奪われてもおかしく無かったです。これはスタッツにも表れています。

シュートは枠内含めていわきはジュビロの3倍近くの数字。勝ったものの、課題は多い試合だったと言わざるを得ません。

しかし厳しい状況の中でも、磐田の選手達は失点を防ぎ、勝ち切ることができたこの試合の価値は大きいと思います。

激闘のいわきFC戦を振り返ります。


前回対戦振り返り

前回対戦は、5月21日第17節ホームヤマハスタジアムでの戦い。

両チームなかなか得点に繋がらない試合展開でしたが、後半36分にドゥドゥのスーパーミドルシュートが炸裂。

しかし、試合終了間際の後半45分にコーナーキックから遠藤凌選手に同点ゴールを決められドロー決着。後一歩のところで勝ち点3を逃すという非常に悔しい結果に終わりました。

今シーズン前半の磐田はセットプレーからの失点が泣き所で、まさにそこを突かれた形でした。この時遠藤凌選手をマークしていたのが鈴木海音

今節は鈴木海音にとって雪辱戦となりました。

スターティングメンバー

鈴木雄斗が累積警告のため出場停止。私は吉長真優のスタメンを予想しましたが小川大貴がスタメン、吉長真優はベンチスタートでした。

山田大記事前の新聞報道通りメンバーから外れました。予想外だったのはドゥドゥもベンチ外だった事。これによりトップ下に金子翔太、左SHに古川陽介がスタメンに入りました。

CBにはリカルドグラッサ鈴木海音。鈴木海音はホームいわき戦での雪辱を果たす機会が巡ってきました。

ベンチには、藤川虎太朗針谷岳晃が久々のリーグ戦ベンチ入り。藤川虎太朗は5月27日アウェイ長崎戦出場以来約2か月ぶり、針谷岳晃は6月28日ホーム甲府戦出場以来約1か月ぶり。

そして最も驚いたのは、八田直樹がベンチ入りしたこと。今季のリーグ戦GKは三浦龍輝梶川裕嗣で対応していましたが、今節は梶川裕嗣がベンチ外に。コンディションの影響なのか不明ですが、梶川裕嗣の状況が気掛かりです。

もし、八田直樹が今節出場となれば、
公式戦出場は、2022年3月26日 ルヴァンカップGS第3節ホームアビスパ福岡戦以来、約1年4か月ぶり。
リーグ戦出場は、2021年3月27日 J2第5節ホームエコパスタジアムでの山口戦以来、なんと約2年4か月ぶり。

とは言うものの、
GKの途中出場は滅多に無いので、八田直樹の出場はまず無いだろうと思っていたのですが・・・・・。

前半

お互い決め切れない前半

前半5分、右サイドから松本昌也がクロスを上げます。金子翔太が合わせてボールをゴールに押し込みますが、遠藤凌選手に間一髪クリアされました。ここを決め切っていたらかなり有利に進められただけに、非常に悔しかったですね。

更には前半16分、古川陽介からのパスに松原后が抜け出してボックス内でGK鹿野修平選手と一対一になりますが、キャッチされてしまいます。ドリブルのボールがやや前に出過ぎてしまった感がありこれも惜しいプレー。

直後の前半17分、上原力也が前線に浮かせたボールに対し、ジャーメイン良が抜け出してワンタッチで合わせるものの、これはクロスバーを越えてしまいました。この力也のパスが素晴らしかっただけに、難しいとは思いますが決め切って欲しかったですね。

しかしこの後、いわきの猛攻を受けます。

特に光ったのが岩渕弘人選手。

昨年10月末に前十字靭帯損傷、外側半月板損傷の大怪我を負いました。今年6月24日大宮戦で復帰し、復帰後6試合で6得点と絶好調。

前半22分、いわきのコーナーキックからボックス外で受けた岩渕選手がミドルレンジで強烈なシュート。これはクロスバーを越えます。ご挨拶とばかりのこのシュートは非常に脅威に感じました。

前半30分には、山口大輝選手がこれまたミドルレンジからのシュート。これもクロスバーを越えます。

前半34分、岩渕弘人選手が今度はボックス内で受けて右足で蹴り込む。これも強烈でしたがクロスバーを越えました。

前半の後半はいわきに押し込まれる状況がつづき、ジュビロにとって非常に厳しい時間でしたね。

しかし前半終了間際の41分、小川大貴がインターセプトしてドリブルで運びます。前線のジャーメイン良にパスが渡り、ドリブルで運びながらボックス外ギリギリのところでシュート。これは惜しくも外れてサイドネットでした。

前半の磐田は好調のジャーメイン良と金子翔太、いわきは岩渕弘人選手がその片鱗を見せましたが、互いに決め切ることができず前半をスコアレス終えました。

後半

リカルドグラッサ・鈴木海音が救う!

後半開始早々、前半の流れを引き継ぐようにいわきが猛攻を仕掛けます。

46分、左サイドから下田栄祐選手がドリブルでボックス内に進入。右サイドへ鋭いパス。加瀬直輝選手が鋭いシュート!わずかにゴールを外れ難を逃れます。

47分、岩渕弘人選手がボックス内でボールを受けてGK三浦龍輝と一対一の大ピンチ!シュートの瞬間、滑り込んで鈴木海音がナイスブロック!好調岩渕選手の攻撃を間一髪で防ぐ大ファインプレー!

しかしいわきの猛攻は止まりません。

49分、コーナーキックから岩渕弘人選手がシュート。

50分、ボックス内右サイドから加瀬直輝選手のシュートを三浦龍輝が両手でクリア。そのこぼれ球に対し、ボックス内で両軍入り乱れて奪い合い、最後のこぼれを山口大輝選手がシュート。ボールは三浦龍輝を交わして無人のゴールへ

「あぶない!」

そこへ、危機察知していたリカルドグラッサが間一髪でブロック!

この後半開始早々のいわきの猛攻は本当に厳しかった。DAZNで見てるだけでかなり疲れました(苦笑)。それにしても磐田の選手達はよくぞ守り切りましたよ。鈴木海音とリカルドグラッサのブロックはどちらも一点もの。

特に鈴木海音はホームいわき戦で悔しい同点弾を許していたことから、やはりこの試合に懸ける思いは特別だったようです。試合後のインタビューで次のように語っています。

――監督も失点させない意志を感じたと言っていました
いわきとの前回対戦では、リードしていて自分のところでやられて引き分けという形だったのでそれはずっと悔しかったですし、この前の悔しさはここでしか晴らせないと思っていたので、絶対に失点しないこと、プラス自分が点を決めたいと思っていました。結果的に0で抑えられて勝利できたので、とりあえずそこは良かったです。

ジュビロ磐田公式ホームページより

雪辱を果たすことができた鈴木海音にとって、この試合はまた一つ大きな自信と成長に繋がることと思います。若手の選手達が、このようにヒリヒリする試合を経験することは改めて重要だと感じました。

ジャーメイン良が決める!

いわきの猛攻を全員で守った磐田。しかし時計の針は進み、両軍スコアレスのまま残り時間10分を切りました。前節群馬戦では悔しいドロー決着だっただけに、2試合連続のドローは避けたい。何としても勝ち点3を獲って欲しい。

84分、途中出場の藤川虎太朗が中央に一旦はドリブルで運びます。このプレー相手選手をみんな引きつけてるんですよね。素晴らしい。そしてフリーだった右サイドの小川大貴へ。小川大貴はクロスを上げて鹿沼直生が奪いに行ったこぼれをジャーメイン良がゴールに押し込む!磐田に待望のゴール!

我慢に我慢を重ね、いわきの猛攻をしのぎ切ってきた磐田。

ジャーメイン良はゴール裏サポーターと歓喜を共にします。そこには苦しい時間を耐え忍んだメンバーたちも集結し喜びを爆発させました。

私もDAZN前で思わず叫んでしまった待望の得点。

「何とか逃げ切ってくれ。勝ち点3を持ち帰ってくれ。」

しかし、この試合はこれで終わりではありませんでした。

八田直樹が緊急登板

後半アディショナルタイムに入った93分、アクシデントが起こります。

吉澤柊選手と三浦龍輝が交錯。三浦龍輝は頭部を抱えて倒れ込んでしまいました。

ゴール裏サポーターからは三浦龍輝のチャントが。しかしなかなか起き上がれません。磐田のベンチは心配そうな雰囲気に包まれます。既にこの時点で5人の交代枠は使い切っていました。

ようやく立ち上がったものの、一旦はゴール脇でメディカルスタッフと脳震盪の影響を確認しているようでした。

それでも三浦龍輝は「大丈夫だ」というそぶりを見せて、ピッチに戻ろうとしましたがスタッフに静止されます。脳震盪の疑いもあるので大事を取ったのだと思います。

替わりにピッチに入ったのは八田直樹

幾多の経験と苦節を経て来たベテラン「背番号1」の背中。ジュビロの大ピンチに対し、これほど頼もしい気持ちになったことはありませんでした。

ゴールマウスに向かう八田直樹に対し、ピッチ内の選手達は一人一人ハイタッチで声をかけて鼓舞します。そして、ジュビロゴール前で三浦龍輝と一言二言会話し、ゴール前に立った八田直樹。約2年4か月ぶりのリーグ戦に臨みます。

アディショナルタイムは5分だったのですが、DAZNの時計は100分を超えていました。ジュビロのベンチは全員総立ちで戦況を見守ります。

八田直樹はしっかり時間を使いながら落ち着いたプレーを見せ、クリーンシートで試合を締めました。

「ありがとう!ハチ!」

次戦に向けて

直近7戦無敗で絶好調のいわきFCとの戦いとなった今節。両軍にかかる期待は大きく、福島県という遠方にもかかわらず多くのジュビロサポーターが集結。前売りチケットは完売となりました。

そして、この日のいわきグリーンフィールドの入場者数は5,039人。これはクラブ最多入場者数記録を更新したそうです。

大きな期待を集めたこの試合。磐田はいわきの猛攻を受け、厳しい試合になりました。しかし、それでも失点を許さず我慢に我慢を重ねて勝ち切ったことは非常に大きな結果だと思います。

横内監督は試合終了後のインタビューで、当然準備はしてきたものの、相手が上回っていた時間が長かったことを認めています。その点はやはり課題だと思います。一方で無失点で乗り切り、勝ち点3を引き寄せたことは評価しています。

試合については、いわき戦に向けて準備をしてきましたが、なかなか自分たちの時間を作ると言いますか、そういう時間はそんなには無くて、相手のストロングを出させてしまう時間帯の方が多かったかなという前半だったと思います。ただ、最後のところは本当に前後半通してですが、最後の最後のところはしっかり身体を張って、なんとか失点をしないという意志みたいなものを選手たちが最後まで出してくれたのは、本当に感謝したいなと思っています。我慢した中で、最後にああいったゴールで得点できて勝点3を拾えたというのは、本当に我慢強く戦ってくれた選手のおかげだなと思っています。ただ、我々は勝点3を取りましたけど、相手に勝点3がいってもおかしくないゲームだったかなとは思っています。

ジュビロ磐田公式ホームページより

試合の翌日、公式YouTubeチャンネルでは【Go on.】 episode13「耐え抜いて掴んだ勝点3。」が公開され試合終了後のロッカールームの様子も公開されました。

勝利は続くよの場面で小川大貴が疲労困憊ながらもホッとした表情を浮かべていたのが印象的でした。いかに激闘であったかを物語ってます。


これで6月に続いて7月も負けなしで乗り切った磐田。

アウェイで厳しい展開ながらも勝ち点を積み上げることができるようになったことは、今季序盤戦なかなか勝ち切れなかった時期に比べて大きな成長を遂げているのではないかと感じました。




目指せ「最終節で勝ち点80」

昇格ラインを「最終節で勝ち点80」とした場合のジュビロ磐田の現在地です。

第28節終えて昇格ラインに対し勝ち点差2.3と迫りました。次節のホーム仙台戦、アウェイ町田戦に連勝すれば、最短で昇格ラインに乗せることができます。

ジュビロは自動昇格圏2位を維持。しかし先行している町田を除き上位グループの勝ち点差は僅差。まだまだ厳しい戦いが続きますね。

でも、改めて応援しているチームが昇格争いに絡んでいる現状は本当に幸せです。

次節は、久しぶりにホームに帰ってきます。8月6日エコパスタジアムでベガルタ仙台と対戦。待ちに待った、30周年記念マッチです。クラブは4万人目標を掲げています。ぜひ大観衆の中で、勝ち点3を勝ち取りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。



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